概要
「Unreal Engine 4」を使用して製作された和風3Dホラーゲーム。製作者は城間一樹氏。
2017年6月21日にふりーむ!にて、前身に当たるフリーゲーム『影廊-Shadow Corridor-』が公開され、2019年3月10日にはSteamにて製品版が発売された。
また、同年にコンシューマー版も発売。8月にはNintendo Switch版、12月にはPS4版がそれぞれリリースされている。
製品版ではエンディングテーマも追加。楽曲はchouchouholicによるフリー音源の『another dawn』が使用されている。
プレイヤーは能面を付けた徘徊者から隠れつつ、どこまでも続く暗い回廊を探索しながら元の世界に帰るための道があるゴールを目指すことが目標となる。
英名は『Shadow Corridor』。
後に製品版【Ver2.05】にて日本語版タイトルも『Shadow Corridor』に変更される。これにはちゃんとした理由があり、原作者曰く「『Kageroh』の名称が、とある企業の登録商標と呼称が同一であるという連絡を受けたため」。
また、変更はされたものの、「愛着があるタイトルなので、変に名前を改名したりせず『通称』のように使って頂けたらと思います」との事。
あらすじ
ある夏の夕暮れ時
私はある路地の入口でふと足を止めた
夕立の後の蒸し暑い湿気の中
奥から冷たい風が吹き抜けてくる
ふと幼いころの夏の日を思い出し
心の奥にしまっていた冒険心をくすぐられた私は
さびれた路地へと足を踏み入れた…
登場人物
【主人公】
本作の主人公。男性だが、本名は不明。興味本位で路地へと足を踏み入れ、恐ろしい体験をすることとなる。
【猫】
作中で度々出てくる謎の黒猫。主人公の手助けをするが…?
【K】
「骸流しの渓谷」で登場する人物。徘徊者が付けている面を被っている。話を聞くために徘徊者に追われていた主人公を助けるが…
【徘徊者】
本作における敵。複数体存在しており、全員が能面を付けている。それぞれ、異なった能力を有しており、主人公を追跡してくる。倒すことは不可能で、逃げる以外に振りまく手段はない。
【謎の少女】
回廊の奥にいる、目隠しをした謎の少女。その過去には忌まわしくも悲しい物語が。
徘徊者
【ver1.00】
- 神楽鈴の徘徊者:神楽鈴を鳴らしながら移動する徘徊者。視力と聴覚に優れており、走っている音がした場所を調べに来る。
- 走り廻る徘徊者:複数の腕を持つ黒い徘徊者。通路を走り回っている。襖や扉を一瞬で破壊する。
- 泣き声の主:すすり泣いている徘徊者。部屋の中にいることが多く、聴覚に優れている。懐中電灯の光にも敏感に反応する。
【ver1.06】
- 歩き回る徘徊者:『どこ?どこにいるの?』と言いながら歩き回る徘徊者。泣き声の主の徘徊ver。
- 忍び寄る徘徊者:蜘蛛のような体格を持つ徘徊者。神楽鈴の徘徊者同様、聴覚と視力に優れている。平常時に音を一切立てないのが特徴で、接近に気付くには光源の点滅や心音に頼るしかない。
グレードアップした【ver2.00】
原作者の手によってグレードアップ。Steam版およびコンシューマー版はこちらがベースになっている。
使用可能なアイテムが増え、パッシブアイテムと呼ばれるシステムも導入されている。モード変更や難易度の変更機能も導入され、やり込み要素が盛り込まれたのも特徴。
本作から体力ゲージとスタミナゲージの二つの表示が追加された。
徘徊者が増えたほかに【脅威】が追加され、ステージも回廊と深淵だけではなく複数のステージが用意されている。
また、シナリオも大幅に追加&変更され、旧バージョンでは明かされなかった「影の回廊」の真実に迫る壮大な物語が展開される。
※ステージは以下の通り
追加された徘徊者
※脅威は●でマーク
- 大食らい:第四章のみ登場する巨大な顔をした徘徊者。叫び声を上げながら襲い掛かってくる。
- 警鐘の徘徊者:第五章に登場する、提灯を持った徘徊者。従来の徘徊者と異なり、警鐘を鳴らして他の徘徊者を呼び寄せる能力を持っているのが特徴。影のようになっての移動と徘徊者と同じく歩行による移動の二種類を使い分けて移動する。
- 憎悪を振りまく影:第二章、第五章に登場する女性型の徘徊者。悍ましい声を上げて襲い掛かってくる。見続けていると身の毛がよだつほどの殺意により体力を削られる。
- 千里眼の徘徊者:第七章に登場する肥大化した頭が特徴的な徘徊者。不気味な歌を歌いながらこちらへ近づいてくる。歌が聞こえる範囲内にいると、たとえロッカーや行李に隠れても見つかってしまう。
- ●彷徨う魂:第五章に登場する、ステージ内を浮遊している巨大な顔。触れるとダメージを受け、コンパスが一定時間機能しなくなる。
- ●蟲:回廊には至る所に奇妙な虫がおり、攻撃されるとダメージを受ける。爆竹で追い払う事ができる。
- ●大蜘蛛:箪笥の中にいる大きな蜘蛛。引き出しの中に複数おり、開けた途端に現れる。爆竹で追い払う事ができる。
- ●肥大化した憎悪:第六章に登場する憎悪の集合体。小型の金魚をミサイルのように飛ばしてくる他に、相手を睨みつけることで殺気を飛ばして体力を奪う。
アイテム
※ver2.00から導入されたアイテムは★でマーク
- ライター:祖父の形見のジッポライター。何度も使用することが可能で燭台に火を灯すことができる。
- 懐中電灯:電池残量があり続ける限り進行方向を照らす懐中電灯。新しく発見した懐中電灯を入手すれば電池が回復する。
- 爆竹:大きな音を立てる爆竹。連続で使用することが可能で、徘徊者をおびき寄せることができる。一度使うとなくなる。工夫次第で突破口を開くこともできる。
- 金色の鍵:どんな扉でも適合する不思議な鍵。しかし、一度使用すると消滅する。
- ひかり石:青白い光を放つ小さな石。目印として使用できる。一度使用しても回収することが可能。
- コンパス:方位磁石。何度でも使用可能で、ゴールの方向を指してくれる。暗がりでも目立つように一部が発光する。
- 手鏡:使用すると、プレイヤーを何処かへ瞬間移動させる。一度使うとなくなる。最大1つしか持つことができない。
- 水晶玉:使用すると、一定時間徘徊者の動きを止める。一度使うとなくなる。手鏡同様、1つしか持つことができない。
- ★赤い液体の小瓶:小瓶に入った謎の赤い液体。飲むと量に応じて体力が回復する。
- ★古いカメラ:フラッシュバルブが装備された旧式のカメラ。撮影機能はなく回数制限があるが、徘徊者に向けて使用するとフラッシュにより一定時間だけ目暗ましをさせることができる。
- ★小さな鈴:謎の猫が着けていた鈴。使用すると青紫色の球体が現れ、ゴールへの道を案内してくれる。
★【パッシブアイテム】
- 神妙な女の面:所持していると、視界が狭くなる他にスタミナ回復速度が遅くなる。
- 緑色の葉っぱ:所持していると、スタミナ回復速度が上がる。
- 赤色の葉っぱ:所持していると、体力が少量であるが自動的に回復する。
- ねじり鉢巻き:所持していると、スタミナが切れても体力を消費することで走ることができるが、一定値になると使用できない。
- トカゲの尻尾:所持していると、徘徊者に見つかった時に体力を代価に何処かへ瞬間移動させる。効果が発動するとなくなる。※一定値以上体力がないと発動しない
- 厚手の長靴:ゴム製の長靴。水辺を移動する時、通常速度で移動できる。また足元にいる触手や大蜘蛛の攻撃から守ってくれる。
欠点は【いずれか一つのみ携行可能】のため、状況に応じて切り替えていくといいだろう。
◇【キーアイテム】
- 勾玉:緑色に発光する美しい勾玉。各ステージの部屋にランダムで配置されており、規定数(難易度によって異なる)を集め祭壇に填め込むと元の世界へ続く扉を開ける。
- 特別な勾玉:第一章~第五章のステージの何処かにある般若の面の部屋にて供えられている勾玉(※)。通常の勾玉と異なり、木目模様が入っており発光色は金色。挑戦者以上の難易度でノーコンティニュー状態(チェックポイントからのリトライ抜き)でなければこの勾玉が備えられている部屋に入ることができない。部屋に辿りつくためにはコンパスを強化しておくと辿りつきやすい。これを入手してクリアすると特別な勾玉は入手したことになるが、徘徊者に捕まると身代わりとなり、消滅してしまう。
- 記録:ステージのあちこちに散らばる書類。集める事で、回廊探索のヒント、この回廊や謎の少女について知る事ができる。
- こけし:ステージの様々な場所に置かれているこけし。集めるといい事があるかもしれない。
【ver2.05】
上述のように、タイトルが『Shadow Corridor』に変更される。
【ver2.06】
タイトルロゴがグレードアップ、言語パターンにロシア語が追加され、ゲームの細部の調整が施された。
【ver2.08】
Nintendo Switch版での発売が決定されたこともありSteam版もグレードアップが施された。
- 照明のレベルに調整を入れたことで、見えづらかった箇所が見えやすくなった
- 使用中のアイテムは点滅するようになり使用状況がわかりやすくなった
- 一部の章でのアイテムの配置場所を変更
【ver2.10】
※Steam版&Switch版
- 秘密の部屋に一つ部屋が増設された。秘密の部屋の各部屋にある勾玉を5個集め、祭壇に捧げた先には…
【ver1.2.6】
- 市松寿ゞ謡作「GO HOME」とのコラボレーションステージが追加。
難易度システム
- 初心者:初めて影廊をプレイするユーザー向けの難易度。徘徊者の移動スピード、必要な勾玉数が調整されている。
- 挑戦者:PC版でプレイしたユーザーや初心者モードで腕を慣らした人向けの難易度。ステージの何処かに特別な勾玉がある。
- 修羅:挑戦者モードで腕を慣らした人向けの難易度。一部のステージを除いた各ステージに登場する徘徊者が変更されている。
コンシューマー版
Nintendo Swichへ
2019年夏にNintendo Switchに進出し、8月8日に発売された。タイトルは『Shadow Corridor -影の回廊-』に変更されている。
初めて影廊をプレイする方々のために、初心者モードに「MAP表示」が追加。攻略に使用するアイテムの輪郭が光るので、見やすくなり徘徊者から逃亡中でもアイテムが探しやすくなっている。
またMAPの明暗の調整が施され見えやすくなったりしているのが嬉しい。画質もPC版と変わらないため、存分に楽しむことができる。
PS4へ
同年12月25日にPS4へ進出。Swich版と同様に初心者モードではミニMAPが表示される。
TV番組へ
NHK Eテレ「沼にハマって聴いてみた! ~ゲーム実況沼~」にて、映像が登場。
関連動画
【Ver2.00】トレイラームービー
Nintendo Switch版トレイラームービー
PS4版トレイラームービー
製品版主題歌『another dawn』
関連タグ
雨ノ四葩:続編となる第二部。
影牢:読みがなが同じで一つ目の漢字も同じである。ちなみにコーエーテクモが販売しているゲーム。検索する際は『影廊』ではなく『影牢』なので注意。