概要
梵:आत्म ग्राह ātma-grāha
仏教において、その克服が最も重要な課題となるものであり、自分自身に対する執着のこと。
具体的に言うと、意識ある生き物が、その意識の主体として、変わることのない自我(“人我”とも言う。ヒンドゥー教におけるアートマン〈ātman〉)が存在すると考え、それに執着することである。
仏教においては、この世に生きるものは全て縁起によって生かされているとして、「『我』は無い(諸法無我〈無我〉)」考えられているため、『我』に対する執着を克服することが、正覚(悟りの境地)に至るための最大の課題とされる。