概要
故宮・故宫(Forbidden City)
(こきゅう)
〈紫禁城〉にあたる建物の現在の名称。
宣統帝退去後の1925年に中華民国は、清室善後委員会を設置し、紫禁城内の宝物を一般に公開できるようにして、故宮という博物館にした。満州事変を受けた民国政府は上海などに宝物を極秘裏に避難。その後宝物は1945年に北京に戻されたが、国共内戦に晒される事になった。1949年まで、中国共産党が国民党・民国政府を武力で掃討する最中に宝物の多くは民国政府とともに台湾へ移動した。その後共産党・新中国政府は1949年に残された旧紫禁城を〈故宫博物院〉として開館する。1965年に国民党・中華民国も台北に移動させた所蔵品を集めて〈国立故宮博物院〉を設立した。以後宝物は両方の〈故宮博物院〉に分かれて公開されたが、近年は内戦の沈静化に伴ってその一部が両国を行き来するようになった。