概要
2016年に公開された韓国の映画。
監督はヨン・サンホ。
原題は「부산행」(プサンヘン)。부산が釜山、행が行(き)を意味する。
韓国映画としては非常に珍しいゾンビ映画だが、国内外で評価・興行収入どちらでも成功をおさめ、後に同じ監督が務めたドラマ『地獄が読んでいる』や朝鮮時代にゾンビが跋扈するドラマ『キングダム』といったK-ゾンビの嚆矢となった作品にもなった。
- 公開当時、韓国ではゾンビを扱った映像作品は少なく、映画スタッフからも「韓国でゾンビ映画はヒットしない」と思われていたため作中でゾンビというフレーズが使われていない、なんて小ネタも。
前日譚としてソウル・ステーション/パンデミックというアニメ映画が公開されている。
また、2020年には続編の新感染半島ファイナル・ステージが公開された。
あらすじ
ソウルで働くソグは、娘スアンの誕生日祝いとして別居中の妻ナヨンが暮らす釜山に向かうことにする。
ソウル駅から朝一番のKTX(韓国高速鉄道)に乗り込むが、発車の直後、ホームで駅員が何者かに襲われており、列車の中にも異様な様子の女性が駆け込みで乗り込んできていた。
その女性は乗務員に噛みつき、襲われた乗務員もまた異様なゾンビと化して他の乗客を襲い始める。
時速300kmで疾走する鉄道の中で惨劇の幕が開く。
登場キャラクター
()内は演者。
- ソグ(コン・ユ)
ソウルでファンドマネージャーとして働く男性。
物語序盤では、かなりの高給取りらしいのに、昼食はファストフードで済ませ、娘の誕生日プレゼントに買ってきたのが子供の日にプレゼントしたのと同じ機種(それも、やや型落ち気味の)のゲーム機など「仕事以外の事には、とことん興味が無い人間」として描かれる。
仕事人間のため妻とは別居中で、娘とも上手く関係を築けずにいる。
要は物語開始時点では、結構なクソ野郎であり、周囲の影響などによって劇中で善良な人間に成長していくキャラとも言える。(逆に考えれば、ほんの少しのタイミングなどの違いで、本作の「怪物より恐しい人間」であるキャラと役割が逆転していた可能性もある訳だが)
だが、部下との会話から今回の事件の元凶かもしれないという疑惑もある。
- スアン(キム・スアン)
ソグの娘。まだ幼く、母親を恋しく思っている。
ソグと会う期間だったため、ソグの元を訪れるが・・・
- サンファ(マ・ドンソク)
体格が良く強面の男。
一見怖そうだが、妻を大切に思う愛情深い夫である。
- ソンギョン(チョン・ユミ)
サンファの妻。妊娠している。
- ヨングク(チェ・ウシク)
男子高校生。野球部の遠征のために他の部員と共に列車に乗っていた。
- インギル(イェ・スジョン)
妹と共にKTXに乗っていた老女。
主人公達を逃すために自ら犠牲になる。
- ジョンギル(パク・ミョンシン)
インギルの妹。姉と違って辛辣な性格。
姉が命を捨てて救った者達を感染者扱いしてゾンビ達が居る可能性がある車両に隔離した他の乗客達の醜悪な姿を見た結果……?
- ヨンソク(キム・ウィソン)
バス会社の重役。
ホラー映画ではお馴染の「自分だけ生き残ろうとする余り、どんどん死人を増やしていく」系のクズだが、最期のセリフから、あまりに外道な所業を行なった理由は誰の身にも起き得る事だった可能性が示唆された。