概要
マ・ドンソク主演による、韓国を中心に繰り広げられる犯罪アクション映画シリーズ。
第1作が2017年に公開されて興行が好調だった事により、以降はマ・ドンソク主演兼企画によるシリーズ作品として製作され、既に第8作までの製作が予定されている。
シリーズ毎に実際に起きた犯罪事件から着想を得たストーリー構成になっているのが特徴。
登場人物
- マ・ソクト
主人公。小さな犯罪も巨悪な犯罪にも一切の妥協を許さない刑事で、ギャング同士の仲裁に割って入るなど黒社会にも顔が利く。屈強な体躯と拳、そして犯罪を強く憎む執念であらゆる悪党どもを薙ぎ落す。
- チャン・イス
中国・延辺出身の朝鮮族(中国の少数民族の1つ。国籍は中国だが文化的には韓国・朝鮮系。近代以前から中国・朝鮮の国境付近に住んでいた朝鮮系の人々や、第2次世界大戦が終った際に中国国内に取り残された朝鮮系の人々の子孫)。
元々はヤクザの組長だったが、その後(一応は)堅気になる……のだが、登場する度にマ・ソクト刑事に厄介事を押し付けられて酷い目に遭う羽目になる。
シリーズ作品
日本公開においては連番通しではなく何らかのサブタイトルを付けた形となっている。
犯罪都市
2017年に公開され、シリーズの根幹となった1作目。
2004年に実際に起きた「黒社派」(黒社会)事件をもとにして、ソウル特別市九老区の加里峰(カリボン)洞を仕切る地元の暴力団と中国の延辺から来た朝鮮族チャイニーズマフィアとの間で縄張り争いが勃発し、警察が出動して地域の平和を目指すことになる。
監督はカン・ユンソン。ヴィランとしてユン・ゲサンが出演。
犯罪都市 ROUNDUP
2作目。2022年公開。
犯罪者引き渡しの為にベトナムに入るが、そこで起きたシリアルキラーによる誘拐事件の真相を追う事に。ヴィランとしてソン・ソックが出演。
犯罪都市 NO WAY OUT
3作目。2023年公開。
日本が大きく関わりを持ち、ヴィランとして青木崇高、ヤクザの組長として國村隼が出演。蔓延する麻薬事件の主犯を追う。
犯罪都市 PUNISHMENT
4作目。2024年公開。オンラインカジノのステージやサーバーが置かれたフィリピンも舞台となる。
オンライン不法賭博サイトで暴利を貪るIT企業CEOと残虐非道な外人傭兵部隊出身の行動隊長が悪党として立ちはだかり、サイバー捜査チームと手を組み全容を追う。
なお、主演のマ・ドンソクと今回のメイン・ヴィランであるペク・チャンギを演じたキム・ムヨルは、2019年の映画「悪人伝」でも共演しているが、この際は、マ・ドンドクがヤクザの組長で、キム・ムヨルが刑事を演じるという「犯罪都市 PUNISHMENT」とは逆の配役となっている。
用語解説
- 弁護士のスタンさん
第一作に登場。
「弁護士を呼ばないと何も話さないぞ」という容疑者の要求に対して、出現した弁護士。
人間じゃないどころか、生物ですらないが、マ・ソクト刑事は弁護士だと主張している。
この弁護士の御蔭で容疑者の口が軽くなった。
なお、世間一般ではスタンガンと呼ばれている。
※刑事司法関係者による被疑者・参考人への拷問は日本・韓国を含めた大概の国において違法行為です。良い子は絶対に真似してはいけません。念の為。
- 真実の部屋
防犯カメラの手入れをしたり、防犯カメラの向きが何故か短時間変ってる間に、どう云う訳か容疑者がとっても素直になる不思議な部屋。
特定の部屋の事ではなく、どんな部屋でも一時的に「真実の部屋」に変化してしまう事は十分に有り得る。
悲鳴とか何かを殴り付ける轟音(場合によっては工事現場や建物の解体現場並)が響いたり、甚しい場合には、「同じ建物内だが、かなり離れてる場所や別の階で謎の振動が起きる」「コップの水の表面に波紋が浮かぶ」などのジュラシックパークシリーズあたりで見覚えが有る描写・演出が行なわれる事も有るが(本シリーズに限らずマ・ドンソク主演の作品ではよく有る事なので)気にしてはいけない。
なお、本シリーズは、あくまで「刑事もの」「犯罪もの」の映画であり、主人公が刑事としての就業規則その他の観点からマズい真似を色々とやってるのに何故か懲戒免職にならない事と、主人公の身体能力が人間として有り得る範囲内かについてはグレーゾーンな事以外は、基本的に既知の科学知識で説明出来ない事は何1つ起きませんので、SCPオブジェクトや心霊現象などではありません、念の為。
- 背広にスニーカー
第一作で、たまたま犯罪組織のボスとマ・ソクト刑事が同じ居酒屋の別の席で飲んでいた時に、犯罪組織のボスが「あ、この大男、刑事だ」と気付いてしまい、大立ち回りが起きる事になった切っ掛け。
刑事たる者、非番の時も服装には気を付けなければならない、という教訓と言える。
本シリーズでは大概の場合、「(犯罪)組織内での立場・地位はメイン・ヴィランより上だが途中でメイン・ヴィランに殺されてしまう悪役」の事。
「自分にとってのボスさえも平気で殺す」ような犯罪者としても常軌を逸してるラスボスが、刑事として常軌を逸してるマ・ソクト刑事に最終的にブチのめされるというのが本シリーズの各作品の大体の粗筋である。
人間の姿をしているだけで、実質的には「メイン・ヴィランは、こんなに無茶苦茶な奴だが、それをブチのめすマ・ソクト刑事は、もっと無茶苦茶」という事を描写する為にラスボス/メイン・ヴィランによって叩き割られる試し割り用の瓦と思って、概ね間違いない。
- 暴力わらしべ長者
映画ライターの加藤よしきが考案した、本シリーズの作劇を説明する為の造語。
マ・ソクト刑事がショボい悪人をブン殴る→更なる情報を持ってる悪人の名前や居場所を聞き出す→次の悪人をブン殴る→更なる情報を持ってる悪人の名前や居場所を以下同文、という風に、小物の悪人をブン殴る事から始まって、最終的にラスボスに辿り着いてブチのめす、という民話の「わらしべ長者」を思わせる展開が、本シリーズの各作品の基本的な粗筋になる。
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