概要
1997年に公開された、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生』で製作される予定だった、完全新作部分の事。
庵野秀明が執筆したプロットも製作されていたが、当時の庵野が肉体的にも精神的にも厳しい状態だったらしく、角川に頭を下げて製作中止とし、テレビシリーズの総集編とTHEENDOFEVANGELION第25話「Air」の前半部分のみの製作とした。
内容としては『超時空要塞マクロス』の劇場版のようにテレビシリーズとは切り離してリライトした2時間程度で終わる新たな物語となる予定で、エヴァンゲリオンや使徒といった要素は残しつつもテレビシリーズとは無関係な別の世界線の物語となるはずだったという。
ストーリー
舞台は人類の大半が滅び去り、人間を捕食する使徒が闊歩する世界。生き残った人類はATフィールドに守られた一部地域に立てこもり、外の世界とは一本の橋でつながっていた。
使徒と戦うための汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオンのパイロットたちは、エントリープラグではなくエヴァの体内に直接埋め込まれて操縦し、降りる際にはその都度エヴァを帝王切開して摘出してもらわなければならない。
そしてもし一定時間以上エヴァの体内にいると肉体が使徒と化してしまう
補足
このプロットの存在は2014年10月27日、第27回東京国際映画祭特集上映「庵野秀明の世界」内のプログラム『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に』上映後のトークショーにて庵野秀明本人が明かした。
庵野いわく、特に人食いの描写には力を入れる予定だった。人間が最も恐ろしいと感じるのは他の生物に食われることだと思うからとのことで、今読み返すと『進撃の巨人』に似ているという。「初めて『進撃の巨人』を読んだときは『あ、そっくり!』と思いました」とのこと。