概要
ある日の夜、某大学に通う学生Aは、バイトからの帰り道を歩いていた。
その日は晴れていたため、空には無数の星が光り輝いていた。
「今日は星が綺麗だなぁ」と独り言をつぶやきながら歩いていると、とあるマンションの一室の窓から空を眺めている女性の姿を発見。
その時のAは特に気にすることなく、マンションを通り過ぎていった。
次の日、やはりバイトが遅くなって夜遅くに帰る途中、昨日の女性が同じように、窓から空を眺めている。
「こんな時間にも星を眺めているのか。 もしかして、同じ大学の学生なのかな?」
その日から、Aはバイト帰りにマンションのそばによって、星を見る女性の姿を見るのが日課になっていた。
だがある日の夜、おかしなことに気付いた。空は曇っていて星は見えないはずなのに、女性は変わらず窓から空を眺めていたのである。
「いったい、彼女は何を見ているんだ?」
さすがに変だと思ったAはマンションに向かい、女性の住んでいる部屋を訪ねてドアをノックするが女性は出てこず、ドアも鍵がかかっていたため開かない。そこで、管理人にお願いして合鍵を借り、女性の部屋に入ると、衝撃の光景を目にする。
なんと、女性は星を眺めていたのではなく、首を吊って死んでいた。
首を吊った姿が、星を眺めているように見えたのだった。
余談
実際に首吊り自殺をすると、重力で首は下を向くため、星を眺めている姿にはならない。なので、星を眺めている姿ではなく、道を通る人を見ている姿として語られることもある。
また、死体は時間がたつにつれて腐敗していくため、生きていたときと同じ状態を保つことは決して無い。そのため、Aが女性の存在に気付いたときには既に葬儀が終わっていて、Aが見たのは幽霊だったというオチも存在する。
