『わたしは……お前と合体したい!!』
『荘厳様……いや、荘厳! あなたは間違っている!!』
概要
プロフィール
世界的IT企業ネスタのCEO剣嵜荘厳の意向を受け、同社で特殊任務に従事する少女。
第1話で総のベクター零号機と創声合体した状態のベクター弐号機を操縦して荘厳の生み出したM.J.B.K(モジバケ)とともに登場し、それを撃退しようとするDEAVA(ディーバ)のメンバーの前に立ちはだかるが、そこに突如現れた灰吹陽が操縦するベクター壹号機と強制的に創声合体させられ、かつてない快感を味わわされた上でM.J.B.Kを撃退してしまう。
その後はDEAVAに捕らえられ一度はそこから脱出を試みようとするも、陽をはじめとしたDEAVAのスタッフたちとのふれあいを通じて自らが信じて疑わなかった荘厳の掲げる思想への疑問が生まれたこと、かつ彼によってDEAVAにとどまり陽を監視せよと命じられたことからなし崩し的にDEAVAの一員となる。
当初は「陽の監視のため」という大義名分に基づき、荘厳の部下というアイデンティティを棄てていなかったが、創声部との助け合いや、なおも増え続けるM.J.B.Kに苦しめられる人々の姿に次第に揺らいで行き、9話で影のM.J.B.Kに飲み込まれた際に荘厳が自分を見ていないと知り決別。
創声部の仲間と共に立ち向かう決意を固め、目的を「荘厳の真意を問いただす事」へと変えた。
ちなみに、2話での清掃スタッフとのふれあいからシロバコ弁当に格別の思い入れがあるようで、海水浴の弁当がシロバコ弁当だった際には一番喜んでいた上に不満を漏らした花嵐を大人げなく恫喝していた(その事は花嵐の印象にも残っていたらしく、影に飲まれた舞亜に呼びかける際にシロバコ弁当の話を持ち出している)。
前述の通り、DEAVAに所属してからも荘厳(と総)との繋がりは切れていなかったが、徐々に荘厳たちとの繋がりよりもDEAVA、特に陽との繋がりを重視するようになっていく。
12話では総ではなく陽と「共に行く」ことを決め、13話では荘厳に「あなたは間違っている」と決別の言葉を突きつけて完全にDEAVAの一員となった。
だが、だからといって荘厳や総と共にいた時間を無かったことにできるわけではない。
13話にて荘厳と総がM.J.B.Kの残骸の中に消えていったときには激しく動揺し、また全ての戦いが終わったかと思われた14話においても、ネスタタワーの傍で呆然としていた。
剣嵜親子の存在は舞亜にとってあまりに大きく、離別してしまったことをそう簡単に割り切れはしない。しかし、15話で死のM.J.B.Kの影響で現れた荘厳の亡霊にきちんと別れを告げたことで、一応心の整理をつけたようだ。
だが、その直後から陽の姿がぼやけ、揺らぐという謎の現象が起こりはじめる。
陽と深く想い合う関係になっていた舞亜はこれに強い恐怖を感じるが、それに追い討ちをかけるように、影のM.J.B.K空間で姿を見せた謎の女性が「陽はもうすぐ死ぬ。それはあなたのせい」とささやきかけてくる。
陽を失いたくない一心で舞亜は独自の調査を進め、ついに思い余ってネスタタワーに侵入。総を人質にして時間を稼ぎ資料を収集しようとするが、社長室で待ち構えていた総と謎の女性に衝撃の事実(後述)を告げられる。
何とかその場を逃れ、仲間の下に戻ることはできたものの、陽を死に至らしめる現象は止まらず、謎の女性の呼び出した謎のアクエリオンが現実世界を蹂躙していく。
意を決した舞亜は、陽との合体を解除。ある想いを胸に秘め、総の下へと向かう――。
その正体(ネタバレ注意!)
実は彼女は人間ではなく、アクエリオンロゴスの搭乗者となるべく後述のネスタから作られた複製品(彼女曰く「人形」)だった。
そして、彼女を創り出したのは総だった。
舞亜には過去の記憶がほとんどなく「いつの間か荘厳の下にいた」「ある月夜の晩に総に救ってもらった」といった断片的な記憶しか持っていなかった。
だが社長室での総・ネスタとの対峙(20話)によって本当の過去の一部が、そして荘厳による記憶操作の解除(23話)によってそのすべてが明らかになった。
荘厳はアクエリオンロゴスの力を得るため、ネスタのパートナー・キリュウの生まれ変わりである総と共にアクエリオンロゴスを操ることのできる"ネスタの分身"を求めていた。
父親に見捨てられる恐れから本来の才能を発揮した総は、ロゴスワールドへのアクセスを成功させ、荘厳の思惑通りネスタの魂から舞亜(当時は名前がない)を創造したのだった。
(ここまでが20話で明かされた内容)
総の記憶を引き継ぎ、10歳相当の知能を持つ少女として誕生した舞亜だったが、創造者である総をなぜか嫌っており、むしろ父親のように接してくれる荘厳の部下2人に懐いていた。
(「月銀舞亜」の名前も、元はと言えばこの2人がつけてくれたもの)
だが2人が、荘厳が現代文明を終わらせることを企んでいること、そして舞亜の誕生(=ネスタの魂がロゴスワールドから欠けたこと)によって既にその終わりは始まっていることを知ってしまったことで、事態は急転する。
荘厳による粛清を逃れた親代わりのうち1人は舞亜と共に逃亡するが、それは「ネスタの魂をロゴスワールドに戻し、世界の終わりを回避するために舞亜を殺す」ためであった。
親のように慕っていた人間に「お前のせいで世界が終わる」という呪いのような言葉を吐かれた舞亜は、強い虚無感に襲われるようになる。
そこに、月夜の晩の少年が現れる。
だがその正体は総ではなく、当時荘厳の研究施設にて総のスペアとして養われていた陽だった。荘厳が計画のために、舞亜の記憶を改竄していたのだ。
「私のせいで世界が終わる」「私は生きていちゃいけない」と嘆く舞亜に、陽は「君のせいで世界が終わるなら、俺が救う」と誓いを立てる。その誓いによって生きることを赦された舞亜は、陽に強い慕情を抱くようになる。
荘厳により記憶が改竄され、2人の関係が引き裂かれても、記憶自体はずっと2人の心の中に残っていた。
舞亜と陽の恋愛関係は、非常に運命的なものだったといえるだろう。
ネスタ(ネタバレ注意!)
CV:清水理沙
本作の黒幕的存在。舞亜に似た髪型を持つ大人びた雰囲気の女性で、荘厳や総が計画を進める裏で暗躍している。
本編での描写から推察するに創声の書に取り憑いているようで、荘厳や総に文字の力を操る術を教えたのも彼女のようだ。
その正体は1万2千年前のアクエリオンロゴスの操縦者で、パートナーのキリュウと共に餓号機や文字を信奉する者たちと戦っていた。現代においても文字文明を憎み、それを壊滅すべく荘厳や総に手を貸している。
どこか人間としての温情が残る荘厳や総と違い、計画のためにどれほどの血が流れようとも意に介さない本当に冷酷非道な性格のようである。
自分の分身である舞亜のことは「お人形さん」と呼んで見下している。キリュウの転生者である総のことは一応愛しているようだが、舞亜に対して非情になりきれないところを見抜いて嘲笑するなど、本気で愛しているかどうかは疑わしい。
荘厳や総の計画においてはあくまで助言を与える立場にいるが、自らもある程度の異能の力を行使できる。
殺戮の天使と呼ばれるアクエリオンに似た機体を現実世界に解き放って暴れさせたり、舞亜の身体を乗っ取ってアクエリオンを操縦したりしているが、舞亜もネスタを利用すれば似たようなことができてしまうらしく、身体を取り返されたり、殺戮の天使を破壊させられたりしている。
アクエリオンとの世界をかけた最終決戦で総のM.J.B.Kと共にアクエリオン語霊ジェネシスのユニバースブレイドを食らい倒される時精神世界にてキリュウと会合。12000年前生前受け取ったキリュウ手紙に書かれたの文字を読めず牢獄の見張り番をしてた文字を信仰する者達からお前なんかと合わなければ良かったと恨み節を書かれたと言われた事で現代で文字文明を破壊しようとする剣崎親子に手を貸してたが実際は恨み節ではなく処刑されるがネスタに会えて嬉しかったという感謝を告げたものであった。
余談
隔絶された特殊な環境で育ったため、一般的な常識がなかったりすることが多々ある。そのため、言動にポンコツさが目立つ。
- DEAVAに潜入してから脱出しようとした際は、規律の取れた清掃スタッフのおばちゃんたちを見て「この基地最後の砦」と勘違い。あまつさえ一緒に掃除をさせられる。
- 通信のための端末「アクエリフォン」を与えられた際に、「このアクエリフォンはどのような殺傷能力を秘めているのですか?」と訊ね周囲を唖然とさせる。
- 「SHIROBACO」のウェイトレスとして住み込みで働くようになるが、教えられたとおりの接客ができていない。
- 陽を尾行するため街に飛び出した際、その奇行から「残念な美人発見」とSNSに写真付きで投稿されてしまう(しかもそのせいで総に居場所の見当を付けられる)のみならず、道に迷い店に戻れなくなる。挙句の果てには尾行していたはずの彼から迎えに来られる。
- 他の人を観察する事で電車の乗り方を学ぶものの、ICカードと紙の切符の区別がついていなかったせいで改札に引っかかる。
- 海水浴に出かけた際は砂浜でいきなりすっぽんぽんになり水着に着替えようとし、それを隠そうとして全身をジタバタさせる綺声神心音を見て敵が現れたと勘違いする。
- 再び陽を尾行した際は、子供たちと遊んでいるゆるキャラ(当然着ぐるみ)を「この世界の生態系から外れている」と評し殲滅しようと攻撃して騒ぎを起こし結局陽に見つかる。彼の家に案内され抹茶を振る舞われるがあまりの苦さに毒を盛られたと勘違いする。
しかしこれらはあくまで一般常識を学べない環境で過ごしたせいで起こった失敗であり、教えられれば素直に従ったうえで同じ失敗は基本的にはしない(ただし接客に関しては一部の客に評判が良かったため、訂正されないまま続けている)。
乗機
ベクター貳号機:ダークブルーの双胴型戦闘機。パワーを重視した機体。
アクエリオン煌:ベクター壹号機が上半身、ベクター貳号機が下半身を構成する合体形態で、現在最も安定した形態である。初合体の感覚は本人曰く「総のときとはぜんぜん違う……気持ちいい……!」とのこと。
アクエリオン飛天:アクエリオン煌の胸部に参号機が合体した3機合体形態。合体時は煌の頭部がモノアイに変形し、大きく印象が変化する。
アクエリオン罪:ベクター貳号機が上半身、ベクター壹号機が下半身を構成する合体形態。
両手に装備する扇祇(オウギ)は、あらゆる厄災や困難を打ち消す力を持つ。
アクエリオン燦:ベクター餓号機が上半身、ベクター貳号機が下半身を構成する合体形態。
いわば「煌」のパワーアップ形態である。詳細については陽の記事かアクエリオンの記事を参照のこと。
アクエリオン罰:ベクター零号機が上半身、ベクター貳号機が下半身を構成する合体形態。M.J.B.Kの護衛を務める関係上対アクエリオンも想定した形態となっている。
アクエリオン裂傷:ベクター零号機が上半身、強攻型ベクタードローンαが下半身、ベクター貳号機がバックパックを構成する合体形態。
罰のパワーアップ形態とも呼べる形態だが、どちらかというとアクエリオン傷の面影が強い。
合体をした舞亜曰く「違うのに、気持ちいい……!」。登場したエピソードのタイトル通り「背徳の合体」と呼ぶのにふさわしい機体である。
アクエリオンロゴス:アクエリオン裂傷のさらに上位に存在する詳細不明の形態。
荘厳はこの力を求め続けていた。