「この下品な薬、買ったときに私、返品しろって言いましたよね」
概要
漫画『葬送のフリーレン』の第4話「魔法使いの隠し事」にフェルンの回想で出て来たのが初出。フリーレンがよくわからない巨大な生物の頭蓋骨を衝動買いして「買っちゃった」とご満悦だった後の回想で「この薬は服だけ溶かすんだよ」と大真面目に用途を説明していた場面で登場。フェルンはすかさず師匠に対して「返品して来なさい」とツッコミを入れたのだが、フリーレンはそれに従わず手元に残していた。
その後、原作26話において「シュタルクの誕生日に何をプレゼントすれば良いか」と言う話題になった時にフリーレンが自信満々に隠し持っていた薬を「男ってのはね、こういうの渡しておけば喜ぶんだよ。って師匠が言ってた。むふー」とドヤ顔で取り出したが、イラッと来たフェルンはフリーレンの手から薬をひったくると、その場で頭からぶっかけて寝間着をボロボロに溶かしてしまった。
フリーレンは「この薬は高かったのに…」と言っており、「そういう用途」における需要と供給が成立した上で流通しているのかもしれない。実際、その度に衣服を使い捨てるプレイというのは相応の金銭的余裕が無いと敬遠されがちだろう。そのため、主に貴族や資産家の間で取引される高級品であるとも考えられる。
備考
一見するとラッキースケベにしか使い道が無いように思えるアイテムだが、使い方によっては一刻一秒を争う負傷者の厚着を溶かし、傷口を迅速に治療するような人命救助に利用可能かも知れないといった意見もある。一概に「スケベな魔法使いが無駄に熱意を燃やして作った破廉恥な代物」と馬鹿にできたものでもないだろう。何事も知恵と工夫次第というわけだ。まあ、癒やしの魔法がある世界で外科医療がそこまで発達しているのかどうかは疑問だが……。
また、戦闘において相手の鎧等の防具を無力化することもできるかもしれない。
後の一級魔法使い試験編の回想では、極めて高い防御能力を持つ「不動の外套」を纏う魔法使いが登場。ファンの間では両者がぶつかるとどうなるのかというほこ×たてが話題になる事も。
ちなみに現実的な話をすると、皮膚や筋肉などのたんぱく質を溶かさずにより耐久性の高い金属や布(植物セルロース)のみを溶かすという選択性を持たせるのが非常に難しいという事情から実現の困難な液体である。より分解されやすいものを害さない必要があるため、実現にはナノマシンのようなスマートマテリアルを用いる必要があると思われる。しかも動物系素材、とりわけ皮膚と同じ成分からなる羊毛(ケラチン)なんかが衣服の材料に使われていた日にはそれこそただでさえ高い難易度が爆発的に跳ね上がる事は容易に想像がつくだろう。まさしく「魔法」である。
関連イラスト・漫画
その他の使用方法
関連タグ
- スライム責め:バリエーションの一種として、服だけ溶かすスライムによる辱めがある。
他作品
- 薬膳楠莉:『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』のキャラ。同クール(2023年秋アニメ)で本編中に似たような薬を登場させた。
- よゆうのえみ:『SPY×FAMILY』の登場人物、アーニャ・フォージャーの持ちネタ。アニメ版におけるフリーレンが隠し持っていたシーンのフリーレンのドヤ顔が、明らかにこれを意識している表情にされていた。
- ジルコニス:『FAIRYTAIL』の登場人物。人間の服だけを消す魔法が使える。服を消す理由は人間を食べる際に服が不味いからという(ドラゴン視点から見ればまともな)理由がある。
- 魔のものたちは企てる:ほぼ同一の効果を持つ「服だけを溶かすスライム」を作ろうとして苦戦するエピソードが存在する。難航していた理由も備考項で考察されている内容とほぼ同じ。こちらでの結論は「防御力は高いがスライムに反応して溶ける新素材を流通させる」という逆転の発想だった。