概要
「盾の勇者の成り上がり」および「槍の勇者のやり直し」に登場する北村元康×岩谷尚文のBLカップリングの略称。
ただしその組み合わせは多岐に渡る。
キャラクターの多様性
本編である「盾の勇者の成り上がり」、および過去にループする外伝「槍の勇者のやり直し」において、北村元康と岩谷尚文はそれぞれ一括りに出来ない性格の多様性を見せる。そのため、槍盾というCPにおいても様々な組み合わせが存在する。(例:初期槍×初期盾、愛の狩人×シルト盾、など)
以下に各キャラクターの概略を示す。
*キャラクターの呼称は一例であり、ファンによって異なる。
北村元康
- 初期槍:WEB小説2話~165話に登場。女の子好きの正義漢。
- 愛の狩人:WEB小説165話~、外伝に登場。尚文を「お義父さん」と呼び慕う。
- 盾康:公式設定資料集に収録された「もしも尚文が槍で元康が盾の勇者だったら」に登場する、盾の勇者・元康。
岩谷尚文
ワイルド盾:やさぐれた尚文の総称。目付きが鋭く、元康を「元康」と呼び捨てにする。
- 初期盾:WEB小説~409話(本編、番外編)に登場。最初の世界のお義父さん。
- 真・チュート盾:WEB小説836話~858話(真・チュートリアル編)に登場。元康は「俺の狂犬」。
- 伝承盾:WEB小説936話~975話(伝承のフィロリアル編)に登場。元康は「攻略本」。
マイルド盾:主に外伝における、やさぐれていない尚文の総称。柔和な雰囲気で、自身を助けてくれた元康を「元康くん」と呼び信頼している。
- チュート盾:WEB小説410話~414話(チュートリアル編)に登場。儚い存在。
- シルト盾:WEB小説414話~454話(シルトヴェルト編)、858話~934話(シルドフリーデン編)に登場。聖母。
- メルロ盾:WEB小説455話~574話(メルロマルク編)に登場。聖人。
- フォブレ盾:WEB小説575話~754話(フォーブレイ編、ゼルトブル編前編)、975話~(四聖勇者編)に登場。主夫。
- ゼルト盾:WEB小説755話~823話(ゼルトブル編後編)に登場。保父。
その他
- お調子者文:WEB小説1話~6話に登場。冤罪でやさぐれる前の尚文。
- 煩悩文:WEB小説179話~183話に登場(書籍にはない)。感情と記憶の一部が失われ、煩悩の塊となった尚文。
- ワシ文:WEB小説278話~287話に登場(書籍にはない)。真・七つの大罪により現れた、一人称が「ワシ」の人格。
- 槍文:公式設定資料集に収録された「もしも尚文が槍で元康が盾の勇者だったら」に登場する、槍の勇者・尚文。
- 兎文:WEB小説824話に登場。冤罪後、ウサギ亜人がパートナーとなった尚文。乙女のような目。
- 鰐文:WEB小説825話に登場。冤罪後、リザードマンがパートナーとなった尚文。ホモに目覚めそうな雰囲気。
- 槍過ぎ文:WEB小説826話に登場。冤罪後、行く先々で石を投げられるなどされ追い詰められすぎた尚文。可哀想。
- 足長文:WEB小説827話に登場。決闘の場面でラフタリアが裏切り元康へ鞍替えした、と勘違いした尚文。地獄。
- 鯱文:WEB小説828話~831話に登場。冤罪後、サディナがパートナーとなった尚文。やったのですかな?
関連イラスト
積み上げられた複雑な関係性
槍の勇者と盾の勇者、冤罪における立ち位置、矛盾の決闘など、原作小説本編において対極に位置する元康と尚文。
当初は犬猿の仲ともいえる間柄であったが、ある理由により憔悴した元康をフィーロが慰めたことからその関係は一変する(フィーロが元康を慰めるに至る詳細な経緯は媒体によって異なるが、WEB小説の真・槍直しにおける元康はフィーロを介して尚文が励ましてくれたと認識している/960話「真・勇者会議」)。そうしたことから元康は尚文に対し恩義を感じ、外伝のループする世界では「未来からあなたに恩を返しに来ました」と告げて尚文を冤罪や厄災から守ることに奔走する。
一方、槍直しのループで分岐した世界の尚文は始めから愛の狩人である元康しか知らず、冤罪や命の危機から助けられたことに恩を感じている。そのため、元康の奇抜な行動に戸惑いながらも可能な限りその言動を理解し支えようと努めているよう見受けられる。ループの終局で自身の存在自体が揺らごうとも、次の周回で元康がうまく立ち回れるよう助言や根回しをするなど。
つまり、「最初の世界の尚文」←「並行世界を股にかける元康」←「分岐した世界の尚文」という同一ながら同一でない人物を巡る感情の流れ、複雑な関係性が構築されている。
公式での出来事(ネタバレ注意)
WEB上・書籍で連載されている原作小説、および各種メディアミックス作品において、様々な名シーン、名台詞が多発しているため一部紹介させていただく。
WEB小説209話「色欲」・書籍「盾の勇者の成り上がり」11巻
ヤダ……凄いイケメン……ここまでの美形なら俺も掘られて良い……。(WEB小説より)
元康が発動したスキル・テンプテーションに対する尚文の反応が描かれた回。テンプテーションの正確な能力は不明だが、尚文は『強力な(魅了の)状態異常を発生させるフィールド』スキルと推測している。なお、このスキルを受けたアトラやフィーロは尚文に対して興奮している様子を見せる。
WEB小説451話「残り香」・書籍「槍の勇者の槍直し」2巻・漫画「槍の勇者の槍直し」5巻
「え、あ……ちょっと元康くんやめて匂いを嗅がないで! うわ! 今舐めた? お願いだから正気に戻って!」(WEB小説より)
ドラゴンに類する飛竜へと乗る必要に迫られた際、気を紛らわせるため元康が尚文の首筋の匂いを嗅いだり舐めたりした回。この時点の元康は精神集中のため脳内で「フィーロたん」を連呼している。
WEB小説911話「進路」
「女装はしておりませんが、可愛らしく見えますな」
「後一歩、強く出ればお義父さんは今夜、俺と一緒に寝てくれると思いますぞ」
元康が尚文を明確に性的対象として意識した回。とにかく読んでいただきたい。
なお、作者様の活動報告曰く「サクラがいなかったらルートに入れたでしょうね」とのこと。
WEB小説934話「魔が差した」
「お義父さんのバカー!」
ある理由で尚文に対し元康が大変なショックを受けた回。
一方で、尚文は元康の今後の周回におけるフォローを模索しており、後に元康から多大な感謝を寄せられる事となる。
また、この周回の尚文は遺跡で龍刻の長針と同じ様な物を手に入れようとするなどループにも挑戦している。作者様の活動報告曰く、「シルドフリーデン編の盾は何時までも槍の補佐をしたかったですが、世界の壁は越えれないのでメスリオンに任せるしかなかった」とのこと。
WEB小説940話「説得茶番」
「お義父さんお義父さんお義父さんお義父さんお義父さんお義父さんお義父さんお義父さんお義父さんフィーロたんお義父さんお義父さんお義父さんお義父さんお義父さんお義父さん」
精神回復のため、それまでフィーロの名前を脳内で連呼していた元康が尚文を連呼するようになった回。
シルドフリーデン編の尚文に対して「俺の為に(中略)その身を捧げてしまったお義父さん」と深く感謝しており、続く941話では「お義父さんをあの時、攻略しておけば」と悔やんでいる。
WEB小説954話「真・槍の勇者と仲間達」
「……元康、何の真似だ?」
「親愛の情ですぞ」
通称顎クイ事件。
仲間交換の相談において、元康が尚文に近づき顎に手を添えて「お義父さんの期待に応えられる様に懇切丁寧にお教えしますぞ」と伝えた回。
実際何が起きたのかはよく分からないが、元康を慕うホワイトスワンと尚文を慕うラフタリアは大変驚愕し揃って殺気を放ったようである。
WEB小説961話「優雅な暮らし」
「俺は……お義父さんには幸せになってほしいしさせたいのですぞ。その為に手段等選ばないと心に刻みましたからな」
元康を慕うフィロリアル・ユキちゃんに、尚文をどう思っているのか問われて思い浮かべた文言。元康の言う「親愛の情」がキスであることを仄めかしている回でもある。
WEB小説989話「未来の魔導ゴーレム」
「元康さんの愛が超越した場合、尚文さんとの子供がこの世界ではできてしまいそうですね」
元康が「俺はフィーロたんとお義父さん一筋」と発言してからの会話の中での樹の台詞。
ちなみにこの周回の樹は「命中」の異能が言葉に強く表れており、同話でも元康がバイセクシャルであること・尚文が性別に関係なく周囲から好意を寄せられることを言い当てている。
WEB小説1005話「壁ドン」
「遠慮しなくていいんですぞ。今この時だけでも俺だけを見ていてほしいですぞ……お義父さん」
尚文の弱点を甘いトークや雰囲気だと考えた元康が実践として尚文を壁ドンした回。初めて会った時を思い返し、「この元康お兄さんがある程度、常識の範囲でお義父さんに色々とお教えしてあげますぞ」とWEB3話の台詞をなぞっている。
ガエリオンによると「なおふみ、守ってくれたり頼りになるタイプが好みだから槍の勇者もお兄さんポジションでアピールして分析してるなの」。
WEB小説1024話「水上バイク」
「お義父さんの水上ドライブモードですな! ブルンブルーン」
「元康くんのドライブモードとはちょっと違うと思うけど、というか俺の肩を掴んでバイクポーズにならないでくれない? 微妙に腰が当たるから」
水中に入った元康がウサウニー姿のために泳ぐことができず、それをペックル姿の尚文が救出して元康を背中に乗せて泳いでいるときの2人の台詞。
ちなみにペックルの元ネタであるペンギンの交尾は、雌の背中に雄が乗り、腰を押し付け生殖口をくっつけて行う。
WEB小説1032話「最悪な罠」
「もふうっとお義父さんの唇が俺の毛皮に埋まりましたぞ。」
ダンジョンでフィロリアルの姿をした幻影を倒した錬と樹に対し、怒りのあまり暴れようとしている元康を冷静にさせるため、樹が尚文を元康の方へ押し倒し顔を接近させ、錬が尚文の顔の位置を調整してキスをさせた回。
キスの直前にも、尚文が怒る元康を羽交い絞めにしたり、両腕を抑え込んで押し倒したり、抱きしめてなだめたりしており、2人とも伝承生物の姿になっているとはいえ、非常に濃い回となっている。
ちなみにキスの直後、フィロリアルを倒された怒りと(おそらく尚文にキスされた)混乱から元康はフリーズして意識が飛んでおり、気が付いた後には言いくるめられてそれらのことを夢だと思い込んでいる。
WEB小説1046話「未知の島」
お義父さんが登ってきて俺の視線で丁度お腹が見えますぞ。
フカフカのお義父さんのお腹ですぞ。もふもふですな!
もっふー! ですぞ
くんかくんかですぞ!
フェアリーモーフの解除の手掛かりのある海底に沈んだ島に行くために、カルミラ島のトーテムポールの横で伝承生物姿の四聖勇者たちが四連結肩車をした回。
一番上に乗るために、錬・樹・元康の顔面をよじ登ってきた尚文に対して、元康が興奮して足をばたつかせたり、尚文のお腹をもふったり匂いをかいだりしている。
この時、元康はペックル姿の尚文が蹲踞の体勢でよじ登ってきていることを「なんとなくお義父さんに迫られているみたいで興奮してきますな。」と考えている。
シルトヴェルト編でも元康が尚文の首筋の匂いをかいでいたが、その時はサクラの残り香と尚文の匂いが混ざってフィーロの匂いに似ていることに反応していたのに対して、今回は尚文自身に興奮して匂いをかいでいる。
元康が暴れたせいで体勢が崩れた後、樹に責められた元康は「お義父さんの魅惑のお腹が目の前にあったので堪能してただけですぞ。」と答えている。
この後、仲間たちの助けを借りて無事に四聖勇者たちは積み上げられるのだが、元康は自分の後頭部にあたる尚文のお腹について「お義父さんのモフモフが後頭部に一心に感じられますぞ。」「卵を温める部分ですな。ホカホカですぞ。」とまで考えており、尚文のお腹をじっくりと堪能していることがわかる。
漫画「槍の勇者の槍直し」5巻 書き下ろしSS
「ジュテーム……ですぞー」
「シルトヴェルトのすごろく」というタイトルでコミックスに収録された、ドラマCD用に書き下ろされた特別エピソード。なんやかんやあって元康が尚文にディープキスしようとする。
是非ともドラマCDで聴いていただきたい。
弥南せいら先生画集 書き下ろしSS
「俺の自信作ですぞお義父さん!」
「黙れ! 良いから処分だ!」
「勇者達の絵画大会」というタイトルで画集に収録された、書き下ろし特別エピソード。元康が描いた尚文の姿が……。詳細は画集にてご確認いただきたい。
弥南先生の美しいイラストは勿論、設定画も最高です。
盾の勇者の成り上がりRERISE
RERISEオリジナルストーリーでは別世界の裏尚文と裏元康の関係はどういう経緯でそうなったか不明だが、主従関係を築いている。