歌唱印税
かしょういんぜい
「アーティスト印税」とも呼ばれる。音源を制作し販売した際に、歌や演奏を担当した者に支払われる印税。
どのくらいもらえるかは契約によって大きく異なり、CDだと売り上げの1%という事例も多いといいう。サブスプリクションなどの配信だともっと少額になる。
「歌唱」とはついているものの必ずしもメインヴォーカル担当のみがもらえるものではなく、バンドだと楽器担当者も貰える場合もある。
基本的に一生入る作詞作曲の著作権印税と異なり、グループを解散したり引退・事務所を離籍した後にいつまでもらえるかは契約によってかなりの差がある。
事務所を退所したりクビになった後全くもらえないこともあれば、解散して10年以上経っても貰えるケースもある。
歌唱印税は作詞作曲者に比べて低い割合になることが多いため大ヒット曲である「残酷な天使のテーゼ」を歌った高橋洋子が度々「そんなに入っていない」という発言をしている。
また、大所帯のアイドルグループだとメンバー人数の頭割で1人当たりの金額がかなり少額になることも度々で、一世を風靡したおニャン子クラブでさえ元メンバーが「(大ヒット曲の)歌唱印税が年数千円はいる」という暴露話をしている。
また、レコーディングのみのサポートメンバーなどは印税の契約ではなく一回きりのギャラの契約になることも多々ある。
近年では流石にメインヴォーカルが印税契約をしない事例はあまりないが、昭和時代には「およげ!たいやきくん」を歌った子門真人が買取契約にしてしまったため大ヒットにもかかわらず5万円しかもらえなかった逸話は有名である(後にレコード会社から100万円のボーナスが追加された)。
このような状態なので、トップクラスの売れっ子ならともかく微妙な売れ行き〜全く売れていないクラスだと歌唱印税は雀の涙となってしまう。
ロックバンドで作詞作曲をしていないメンバーや、マイナー地下アイドルだと歌唱印税では全く生活できない。
そのためライブのギャラや物販の売上などに頼ることになり、特にライブアイドル系ではチェキ会営業への依存が強くなりがちである。