渓嚢
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けいのう
『捜神記』に記載される山の精だといわれる妖怪。
桓山の山中に棲む童子のような姿の妖怪で、人の腕を引いてくる。
もし先に引かれてしまうと、その者は死んでしまうが、反対に先に引けば渓嚢が死んでしまう。
『捜神記』によると、諸葛亮の甥である丹陽太守・諸葛恪が山中で奇妙な童子に出会った。
こちらに手を伸ばしてきたので、恪は素早く腕を伸ばして引っ張るとその童子はたちまち死んだ。
恪はこの妖怪のことが記述された『白澤図』を読んでおり、渓嚢は山と山の間に棲み、そこから動くと死んでしまうことを知っていたのである。
人々は知っていたとはいえ、怪異に対しての豪胆な行動に感心したが、傲慢でもあったと評される恪のその後の運命は歴史のとおりである。
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