概要
捜神記 とは、中国の怪談である。
4世紀、中国では「志怪」(怪をしるすで「志怪」。中国ではこう書く)と呼ばれる怪談話が出てきており、そういう環境で出てきた、らしい。
干宝 という人が、書いたということになっている。ただ、作者については怪しいとする説がある。
元来は「30巻本」とされ、そのくらいあったらしい。後の南宋の頃、一回消滅し、明朝の万暦年間(1573年~1620年)に、「8巻本」と「20巻本」が出てくる。平凡社刊行の『捜神記』によれば、これらの内20巻本の方がそこそこ原典に近いらしい。ただ、この方にも65番『三つの予言』で宋代の人名が出てくる、等の、あとで作られつけられたと思われる話がいくつか入っている。
構成は、本来は初めに「なんとか篇」というタイトルがあって、序文があって、本文だったらしい。それに基づくと、102、300番の「五行による説明」が序文であった可能性がある(102と103はセットならしいのね)。
蚕の起源の話や、「怪物に二度驚かされた話」など、日本の遠野物語や再度の怪他の怪談のような話がある他、夢枕獏や諸星大二郎等の話のネタ元になっている(『諸怪志異』の他に、『孔子暗黒伝』で、孔丘さんが賁羊という「土の妖怪」について言ってるのはこの本が元ネタ)。
構成
各話は以下のようにまとめられている。
1 神仙の話。
2 方士の話
3 占いとか、医師の話
4 神の関係 前漢の武帝が「七尺の乳房を持つ女」にあった話とか。
5 土地の神とか祠の関係
6、7 占い、何かの予兆の話
8 天子がどういう命を受けるかの話
9 予兆
10 どういう夢をみたかの話。
11 孝子、列女とか(「神秘の術を修める太守が、賊軍を討伐に行って首を斬られ、そのままキャンプへ帰って」とかの話)
12 妖怪とか、式神(「犬蠱」という呼称が出てくる)について。
13 人間と妖怪の交渉に関する話、生き物の話など。
14 兄妹相姦や羽衣伝承みたいな話、「おっさんがなんかにレイプされて孕んだ」話、異人、嫦娥の話とか、動物に育てられた人の話など。
15 再生した話 「15、6歳くらいの女中が死んで十年くらい後、他の人を埋葬するため開けた墓の中にそのままで生きてた」話など
16、17 スピリチュアルな関係(幽霊の話など)
18、19 妖怪とか動物とか(少女が大蛇をやっつける話や、木を斬った人がそこから出た精を食べた話など)
20 恩返しとか復讐とか。