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本当に怖いのは、人間。


概要編集

一般的な怪談が、幽霊や未知の怪物、怪奇現象等、いわゆる科学で説明できないとされる"オカルト"をテーマにしているのに対して、人怖怪談は現実の社会に存在する(とされる)人間が引き起こす恐怖のエピソードが語られるのが特徴である。


分類編集

登場人物やストーリーのテーマから、ざっくり以下のパターンに分けられる。ただし、これらはあくまで本記事編集者の個人的な主観に基づいた分類であり、怪談の専門家や愛好家らの間で共有・合意を得たものではない。当然、以下のパターンに当てはまらない話や、逆に複数のパターンを併せ持つ話も多く存在するため、その点について留意した上で参考にして頂きたい。


奇妙な人編集

様々な理由により、一般人には理解できない奇妙な言動をとる人々のエピソードが語られる。「変な人」が起こした不気味だが他愛のない出来事から、警察が出動するレベルの背筋が凍るような惨劇まで、その内容も多様である。


ヤンデレストーカー編集

読んで字のごとく、特定の相手への重すぎる恋愛感情をこじらせ、狂気へ堕ちていく、あるいは既に狂気に呑まれた、人物のエピソードが語られる。


モンスター編集

モンスターペアレントモンスタークレーマー等々、世間一般の常識や道徳を一切無視し、自身の身勝手な感情や欲望の赴くままに独善的な論理を振りかざし、他者を徹底的に攻撃し追い詰め続ける危険人物にまつわる話が語られる。


カルト集団編集

自分たちの所属する集団に相手を引き入れるべく最初は友好的に接しながらも、勧誘を拒否したり考えを否定されたりすると、一転して陰湿な嫌がらせや危険な攻撃を始め、相手を無理やり引き込むか徹底的に排除するまで、それらが繰り返される恐怖が語られる。カルト教団と評される悪質な宗教団体や、奇怪な因習が残る閉鎖された村社会、果ては一見どこにでもあるような友人グループの裏の活動といったパターンも該当する。


サイコパス編集

表向きは優等生やエリート社会人として才能を発揮し周囲から尊敬されているが、その実態は自身の目的のために巧みに計略を張り巡らせ、悪意をもって(または無自覚に)他者を追い詰めていく、といった危険人物が語られる。一部の人間(主に主人公や語り手)はその異常性に気付いていくものの、普段の行いの良さや人望、集団内のヒエラルキーの高さ等から大多数はその人物の行動を支持する(あるいは逆らえない)ため、悪辣さはどんどんエスカレートしていく。最終的には些細なほころびからそれまでの行いが露見して失脚する等、何らかの理由で姿を消すケースが多い。


反社会的勢力編集

暴力団テロリスト、及びそれに類する犯罪者グループの間でまかり通る常軌を逸したルールや、それを破った者への凄惨な制裁・粛清行為、または彼らが引き起こした事件の内幕が語られる。


復讐編集

過去に受けた仕打ち(いじめ虐待等)に対する恨みを晴らすべく、合法・非合法を含む様々な手口を使って、加害者を破滅へと追い込んでいく過程が語られる。昨今SNSで人気を集めている某コンテンツも、一部の作品は見方を変えるとこのパターンに当てはまる…かもしれない。


裏の顔編集

特定の個人(主に主人公や語り手)に対して、優しかったり親身に接していた人物が、実は恐るべき思惑や感情を隠し持っていたことが、物語終盤での第三者の証言、残された記録(日記等)や品々により、明らかになる。


告白編集

主に語り手自身が過去に犯した行為(大概は幼少期の思い出)を打ち明ける形で語られる。軽い遊びや冗談、発作的な行動等により、相手が受けた被害(死亡事故や行方不明等、洒落にならないレベルのものもある)に対して大なり小なり責任があるにもかかわらず、「悪いのは自分ではない」「不幸な事故」「むしろ向こうに非がある」等と反省の色を見せずに自己弁護に終始する、胸糞な展開になるケースが多い。


社会編集

同級生やご近所、SNSやマスメディアまで、何らかの集団が特定の相手を標的とする攻撃の恐ろしさ、醜悪さが語られる。様々なパターンがあるが、これをテーマにしたものが多い。


注意点編集

一般的な怪談には、読者や視聴者の恐怖をあおるために「実話」「体験談」であることを強調する作品も多いが、特に人怖怪談は非現実的なオカルトを(基本的に)含まないため、その説得力が増しやすい。事実、実際に起こった事件を対象に、そのあらましと関係者らの証言、及び第三者機関(警察、マスコミ等)による調査をまとめた、いわゆる「ドキュメンタリー」の内容を、怪談として再編集した作品も散見される。


一方で人怖怪談の中には、精神疾患認知症知的障害を抱えた人物が引き起こした「事件」に関する話も少なからずあり、これらの話を鵜呑みにすると、現実における同様の境遇にある人々に対する差別偏見につながりかねないという弊害がある。


読者・視聴者は、上記のように明確な根拠となる資料がない限り、あくまで「作り話」であることを前提として、人怖怪談を鑑賞するべきであろう。「嘘か本当かわからない話にのめりこむあまり、創作と現実の区別がつかなくなった挙句、奇行に走るようになった人」。もはや人怖怪談の登場人物の仲間入りである。くれぐれもご注意を。


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