概要
原題は『Be Prepared』であり、「覚悟しろ」とも訳される。
スカーとハイエナ軍団が歌い手であり、スカーとシェンジ、バンザイの会話が入る。
スカーがハイエナたちにムファサとシンバの暗殺計画を歌いながら伝えるという内容であり、ダークな歌ではあるが、最後は盛り上がり、お祭り騒ぎとなる。
実写版
超実写版では、原作でのハイエナたちの後進がナチスを彷彿とさせるため、人気の高いシーンもあるがカットされている。
一応、原作のメロディーや歌詞などの面影が残ってはいるものの、オリジナル版からはかなり編曲されている。
また、アニメ版では3分超あり、1番から2番まで歌詞があるが、超実写版では約2分となっており、そのうち歌うのはアニメ版の2番の途中からの歌詞のみである。
リプライズ版
この楽曲は何らかの理由で英語版及び劇団四季版のサントラには収録されていない。
シーンとしては『ラフィキの哀悼』に続くものなのでそのまま使われてもおかしくはなかったのだが。
歌詞はボツ案の一部の再利用であり、日本語の歌詞は劇団四季版で使われている。
- It's time you were all introduced to
- 新しい仲間だ
- Your ruler's executive staff
- よろしく頼むぞ
- Perhaps not the kind you've been used to
- 俺様の時代が
- But certainly game for a laugh
- いよいよ、始まる!!
- Be prepared.
- 覚悟しろ…!
ちなみに、この「覚悟しろ」と歌う時のスカーの視線を目を凝らして見てみると、非常に細かいがなんとナラの方を向いている。
オールド・バージョン
本編ではカットされた未公開バージョンとなっているが、本来の『Be Prepared』は、スカーがナラに自分の妃となるように迫るシーンで歌うものであった。映画制作の中で必要になったのが、ナラがプライドランドを去る理由付けであり、そこで、スカーがナラに自分の妃になるように迫り、それを拒絶したが為に、スカーによって追放されたと言うストーリーになった。このシーンは約5分間あり、未公開シーンの中でも特に長いシーンである。
スカーとハイエナたちが歌い、スカー、ナラ、サラビの会話が入る。
スカーと(檻に収容されていない)ザズーが会話をしていると、ザズーがスカーに足りないものを幾つか上げて行ったが、その中の一つに、「王妃」があった。
それに反応したスカーは自らの伴侶を求め、子供も設け、自分の跡を継がせ、自らの支配と名声が永遠に続くようにしようと画策する。
そこへタイミング良くナラが現れ、スカーはナラに妃になるように迫り歌い始めた(この時ザズーはスカーに命令され、追い出せれていた)。ナラはスカーを拒絶して逃げ出すが、プライドロックの外で集まっていたプライドの雌ライオンたちに対して、スカーはナラを妃にすると宣言する。
しかし、ナラが拒否したためにスカーは彼女に追放を言い渡す。しかし、サラビを始めとする雌ライオン達は誰一人として従おうとせず、そこで静かにスカーが歌い始め、代わりに呼んだのはハイエナたちだった(このシーンでプライドランドにハイエナ達が正式にスカーの側近として来ると言う予定であった)。
そして、ハイエナたちが歌い始め、その後スカーも本格的に歌うと言うものであった。
あまりにも暗く、不気味過ぎる上に長いと言う理由でカットされており、完成版では『It's a Small World』と『I've Got a Bunch of Coconut』などが歌われ、ザズーとスカーが会話をしている所にシェンジたちがやってきて食料と水の不足を訴える場面になっているが、オールド・バージョンではナラが代わりに訴えに来ると言うものであった。
スカーの狂気
原題は『The Madness of King Scar』。
上述のオールド・バージョンから派生しており、異なる楽曲ではあるものの、使われるシーンとしては代わりになっている。
ミュージカル版ではこのシーンが使用されており、『スカー王の狂気』と言うアルバムになっている。
余談
- 実は、当初の『ライオンキング』は二部作となる予定で、一部目はこのシーンで終わる予定だった。後に本曲をその前のシーンでも使うことになり、これが完成版になり、オールド・バージョンはリプライズとなることになった。
- しかし、更にその後に「絶望感を与えたまま終わるのは、ディズニーとしてはどうか」という意見や「スカーにプライドランドを奪われたまま終わるのは胸糞が悪い」という意見や、「この終わり方は暗すぎる」などの意見が続出したため、最終的に二部作にするという案は却下され、オールド・バージョンそのものがカットされた。