概要
ディズニーの長編アニメーション映画としては、初の原作が存在しない作品である。
ディズニー公式映像作品には、シリーズに続編及びスピンオフ作品として、『ライオン・キングのティモンとプンバァ』(1995年)、『ライオン・キング2 シンバズ・プライド』(1998年)、『ライオン・キング3:ハクナ・マタタ』(2004年)、『ライオン・ガード』(2015年)、超実写版(2019年)、『ライオンキング:ムファサ』(2024年)等があり、『ティモンとプンバァ』と『ライオン・ガード』はTVアニメシリーズである。その他、絵本では、ディズニーが監修した、広義の意味での公式の作品もある(例:アメリカ、イギリス、ドイツなどで発売された、コパが登場する短編小説やオーディオブックなどの『The lion king Six new Adventures』)。
世界線
後づけ設定も多いなど矛盾する点も点在しており、厳密に言えば同じ世界線上の続編及びスピンオフ作品は存在せず、複数の世界線を持つマルチバースである。公式では、アニメ世界は同一世界線上とされており、別世界線上の作品は上記の絵本版と超実写版である。その為、大きく分けると、アニメ世界、絵本世界、超実写世界の3つの世界線に分けられる。少なくとも、この3つの世界線は互いに交わる事のない、それぞれが独立した、完全に異なる世界線である。
- 『ティモンとプンバァ』も、厳密にはその他のアニメ世界とは別世界線である。
- 『ライオン・キング3:ハクナ・マタタ』に関しては、『ティモンとプンバァ』とは別世界線だが、その他のアニメ作品と同じ世界線かと言われると、メタ的な要素も多数あるため不明瞭な部分が大きい。
- 原作のアニメ映画に関しても、「撮影の裏話」的なショートアニメーションがエンドクレジットなどで提供されており、やはり「役者の動物たちが演じているミュージカル」というメタ的な演出も存在する。
- 超実写版と『ライオンキング:ムファサ』に関してもストーリー上の矛盾が存在した別個の世界線の話となっている。
このため、公式作品の世界線としては、アニメ版、絵本版、超実写版、ティモプン版、ムファサ版の5つの世界線が存在する。なお、ミュージカル版は含まれない。
時系列的には、『ライオン・キング』と『ライオン・キング3 ハクナ・マタタ』、『ライオン・キング2 シンバズ・プライド』と『ライオン・ガード』がそれぞれほぼ並列の時間軸の物語である。
YouTube等で度々「ライオン・キング4」と言う表記を見かけることがあるが、公式では「3」までしか存在していない。
年表
年月日 | 出来事 |
---|---|
1988年 | ジェフリー・カッツェンバーグ、ロイ・E・ディズニー、ピーター・シュナイダーらによってアフリカを舞台にした物語が発案される |
1988年11月 | トーマス・ディッシュが「キング・オブ・ザ・カラハリ(King of the Kalahari)」というプロットを執筆。その後、リンダ・ウールヴァートンが一年かけて草稿を仕上げ、タイトルは「キング・オブ・ザ・ビースト(King of the Beasts)」、「キング・オブ・ザ・ジャングル(King of the Jungle)」と変更された。 |
1989年2月9日 | 手塚治虫死去 |
1989年3月2日 | ジェニー・トリップにより「キング・オブ・ザ・ジャングル」最初期(1989年版)脚本出版 |
1989年10月12日 | 1989年版の『ジャングル大帝』放送開始 |
1990年夏~秋頃 | 「キング・オブ・ザ・ジャングル(仮名)」制作開始 |
1990年10月11日 | 『ジャングル大帝(1989年版)』放送終了 |
1991年 | リンダ・ウールヴァートンにより「キング・オブ・ザ・ジャングル(仮名)」初期脚本(1991年版)執筆、ライオン・キングの原型が出来上がる |
1991年10月 | アフリカでロケハンを行う |
1992年4月 | タイトルが「キング・オブ・ザ・ジャングル」から『ライオン・キング(THE LION KING)』へと変更される |
1994年6月24日 | 『ライオン・キング』公開 |
1994年7月23日 | 『ライオン・キング』日本公開 |
1995年9月8日 | 『ライオン・キングのティモンとプンバァ』放送開始 |
1997年8月1日 | 『ジャングル大帝(1997年版)』公開 |
1997年11月13日 | 『ライオン・キング(ブロードウェイミュージカル版)』初演、ロングラン公演開始 |
1998年10月27日 | 『ライオン・キング2 シンバズ・プライド』公開(ビデオ発売) |
1998年12月20日 | 『ライオン・キング(劇団四季ミュージカル版)』初演、ロングラン公演開始 |
1999年8月26日 | 『ライオン・キング2 シンバズ・プライド』日本公開(ビデオ発売) |
1999年10月24日 | 『ライオン・キングのティモンとプンバァ』放送終了 |
2004年2月10日 | 『ライオン・キング3 ハクナ・マタタ』公開(ビデオ発売) |
2004年3月19日 | 『ライオン・キング3 ハクナ・マタタ』日本公開(ビデオ発売) |
2011年9月16日 | 『ライオン・キング(3D版)』公開 |
2011年10月8日 | 『ライオン・キング(3D版)』日本公開 |
2015年11月22日 | 『ライオン・ガード ゆうしゃのでんせつ』公開(初放送) |
2016年1月15日 | 『ライオン・ガード』放送開始 |
2016年4月16日 | 『ライオン・ガード ゆうしゃのでんせつ』日本公開(初放送) |
2016年5月15日 | 『ライオン・ガード』日本放送開始 |
2019年7月19日 | 『ライオン・キング(超実写版)』公開 |
2019年8月9日 | 『ライオン・キング(超実写版)』日本公開 |
2019年11月3日 | 『ライオン・ガード』放送終了 |
2020年11月7日 | 『ライオン・ガード』日本放送終了 |
2024年7月12日 | 『ライオン・キング(アニメ版)』30周年記念リバイバル上映 |
2024年9月20日~9月26日 | 『ライオン・キング(アニメ版)』30周年記念日本リバイバル上映 |
2024年12月20日 | 『ライオン・キング ムファサ』日米同時公開 |
ゲーム
ライオン・キング
スーパーファミコン版とメガドライブ版が存在し、後者は日本ではゲームギア、スーパーファミコンで発売された。
プレイヤーはシンバを操作してアフリカの大草原を舞台に様々なアクションを駆使して切り抜けていく。
話の流れは原作に沿っており、音楽も原作に沿って各シーンのステージで、原作の音楽を当時のゲーム音声に置き換えた物が使用されている。
ステージは、ステージ1プライド・ランド、ステージ2おおさまになるのがまちきれない、ステージ3ゾウのはか、ステージ4ヌーのぼうそう、ステージ5シンバのとうぼう、ステージ6ハクナ・マタタ、ステージ7シンバのさだめ、ステージ8じゅんびをしておけ、ステージ9シンバのふっき、ステージ10プライド・ロックの全10ステージある。前半の6ステージはヤングシンバ、後半の4ステージは大人シンバを操作する。
走る、ジャンプするなどの基本動作以外に吠えるもある。基本攻撃は踏みつけ。大人になると引っ掻く、両手で引っ掻くと言った攻撃も追加される。大人になると、吠えるの力も強くなる。
キングダムハーツ
『キングダムハーツ』と『チェインオブメモリーズ』では、シンバが召喚獣としてゲスト登場し、『キングダムハーツⅡ』ではステージとしてプライドランドが存在する。このステージではソラ達も動物の姿となる。
- エリアは峡谷、象の墓場、サバンナ、プライド・ロック、岩穴、王の間、頂上、ヌーの谷、荒地、ジャングル、オアシスの11エリアある。
話の流れは原作を踏まえており、ヌーの大暴走のシーンも、シンバの回想シーンとして描かれている。
- 原作は野村ディレクターがディズニー作品の中でも特に好きな作品ということもあり、『キングダムハーツⅠ』の時点で登場ワールドの候補に挙がっていたが、当時は専用モーションの製作が技術的・スケジュール的にもネックとなり、ボツとなってしまっていた。
『キングダムハーツⅡ』の非常に凝った作りには満を持しての企画実現によるディレクターを初めとしたスタッフの情熱が溢れ出ていると言える。
3D版
3D版はアニメ版を3D映像に置き換えた物であり、2011年9月16日にアメリカで、10月8日に日本で公開された。興行収入は1億ドルを超えている。
30周年記念リバイバル上映
日本での2024年のリバイバル上映版は、1994年劇場公開版を再編集したもので、主に音響の面で変更が加えられている。具体的には、主要キャラクター、その他の動物達の足音や喉鳴り音など様々な効果音が追加されており、洞窟などでの反響音などの変更が加えられている箇所もある。
その他にも、挿入歌の前奏部分が1994年版よりも前の部分から追加されており、BGM的位置付けの挿入歌も1994年版では使用されておらず、サウンドトラックのみに収録されていた部分を使用していたりする。また、映像の面でも一部変更が加えられており、一部の作画ミスなどが修正されていた。
なお、このリバイバル上映版は、主に映像で修正されている部分が観た人により、意見が異なる箇所がある為、上映されている映画館によって微妙に版が異なる可能性がある。リバイバル上映版は、本編開始前に30周年記念動画と『ライオンキング:ムファサ』日本語吹き替え版長編予告編が流れる。当時、この予告編は、映画館でのみ公開されていた。
二次創作における扱い
ディズニー映画の中でも『ロビン・フッド』や『ズートピア』などと並んで特にケモナーからの人気が高い。特に海外のケモナー(「furry」)にとってはバイブルのような作品となっており、海外のケモノ系サイトやケモノ系グループでも二次創作や本シリーズの世界観を元にしたオリジナルキャラクターなどのイラストが多く見られ、この世界観を元にした二次創作物専用のSNSサイトなどが複数存在する。
日本国内でも、ピクシブは勿論、各種SNSでも本シリーズを対象にした二次創作物等が多く見られる。