実写版ライオンキング
ちょうじっしゃばんらいおんきんぐ
- ピクシブ上の公式企画→超実写ライオンキングFAイラコン
ディズニーによる『ライオンキング』シリーズの「超実写版」作品。監督は『ジャングル・ブック』等を担当したジョン・ファヴロー。
公開日は全米は2019年7月19日、日本は8月9日。同じディズニー系列の作品である『アラジン』や『トイ・ストーリー4』のすぐ後に公開された。
登場する動物は全てCGで描かれており、実質的には3DCGアニメであるが、CGのクオリティーが高く実写に近いレベルに仕上がっており、「実写を超える程にリアル」と言われた(故に「超実写版」)。風景も『サークル・オブ・ライフ』の冒頭の日の出のワンカットを除き、全編がフルCGで描かれている。逆に言えば日の出のワンカットは実際にアフリカで撮影されたものである。
アニメ版と超実写版は完全なる別世界線上の物語である。
大まかなストーリーは、アニメ版とほぼ同じだが、細かい部分やセリフ等はかなり異なっている。アニメ版とは異なった設定や、追加されたシーン等も多くあり、本編の長さはアニメ版が88分間なのに対し、超実写版は119分間である。ミュージカル版同様、アニメ版と聞き比べるのも面白いだろう。内容的にはアニメ版よりも掘り下げられており、より暗く、重たいものになっている。また、ミュージカル部分は『王様になるのが待ちきれない』や『ハクナマタタ』、『ライオンは寝ている』、『愛を感じて』など全体的にアニメ版よりも質が向上しており、『スピリット』など新規に追加された曲もある。
逆に原作からはカットされたシーンも多く、人気の高いシーンもあったが、リアルさを求めた為と一部設定を変更した為にカットされ、この決定には批判の声も上がった。また、リアルさを求めた為に、キャラクター等はドキュメンタリー映像と見間違う程の為、表現等のアニメの良さが激減し、批判の声も多く寄せられた。ディズニーの実写化作品には何かと批判が付き物であるが、本作に対しても決して少なくなかった。
しかし、興行収入は16億5千6百万ドルと結果として大ヒットを記録し、同年の全ての映画の中で第9位であった。また、『ライオンキング』シリーズで最も売れた作品にもなっている。一方で、2024年9月に興行収入が『インサイド・ヘッド2』に抜かれ、同年のアニメ映画としては第2位の興行成績となった。
本作のサウンドトラックは、原語版には19曲、日本語版には『サークル・オブ・ライフ』のRIRI版を加えた計20曲が収録されている(参照)。
本作オリジナルの『Never Too Late(ネバー・トゥー・レイト)』。エルトン・ジョンの新曲でエンドクレジットで使用されている。
実はシンバの即位シーンの直後をよく見ると、プライドロックに集結する動物たちの中に1頭だけこの場面しか登場しない動物が存在する。一見なんも変哲のないサイにしか見えないのだが、実は映画に登場しているサイはほとんどが口元が尖ったヒガシクロサイだが、このシーンに登場しているのはキタシロサイである。
Disney+で配信された監督の音声解説によると、こちらは製作当時最後のオスが死に絶えたキタシロサイであり、製作時にその一報が入った監督らは「種の記憶だけでも残しておきたかった」という一心でキタシロサイのカメオ出演を決意したそうだ。
- このようなメッセージ性を残すことができるのもCGで動物をモデリング、製作された超実写版ならではの利点と言える。
また監督は音声解説にて、以下のように述べている。
- 「この映画が自然と私たちをつなぐ架け橋になれば、と心から願っています。」
- 「本作は子供から大人まで楽しみやすいし、動物を好きになるきっかけになる人も多いでしょう。」
- 「そんな子供たちが(図鑑やネットなどで)彼らに何が起こっているかを知り、動いてくれればと思います。」
- 「命の環と同じで、僕らもしっかりとその役割を次世代に伝えなければなりません。」
- アニメ版を観た前提のネタや設定等もあり、例えば『ハクナマタタ』は、アニメ版では、プンバァが放屁の話をしかけた時にティモンが「おいやめろ。子供の前だぞ。」と言って止めていたが、超実写版では、ティモンは止め飽きた為に止めておらず、プンバァに「ティモン止めないのかい。」とツッコまれていたり、ティモンとプンバァが「生命は輪ではなく線だ」などと発言していたりする。そしてアニメ版にいたオオアリクイ(本来は南アメリカ産の動物)が未出演になるも、本作ではポジションであるツチブタの他、シママングースやハネジネズミやディクディク、そしてブッシュベイビーと言ったマイナーなアフリカ系の動物達が追加されている。
- 批評にもかかわらず高レベルの興行収入を叩き出した訳には、劇場公開されたのが初代以来ということがある。それまでのシリーズの関連作品はビデオ版のみやTVシリーズであったため、超実写版は初代が成功して以来初めての劇場公開であることと、既にこれまでのシリーズ作品による下地や知名度の高さがあり、大々的な宣伝と共に公開されたことで、これだけの興行収入を叩き出した。
- 本作は殆どが実際に撮影した実写映像ではなくCG映像の為、アニメ作品に分類されることもある。アニメに分類された場合には興行収入第1位となる。