「ラッピングは世界で一番 可愛い嘘ですから」
プロフィール
概要
大学編1年目で矢口八虎たち1年生を担当した藝大油画唯一の女性教授。
見た目こそ小柄でかわいいが、自分の作品に対する情熱には並々ならぬものがあり、時に闇深く「怖い」一面を垣間見せることもある。
八虎に対しては論理的で優しい先生だったが、高橋世田介に対しては攻撃的だった。
猫耳のフォルムを模したカチューシャがトレードマークの小柄で女性で、見た目は幼い少女のようだが、教授なので年齢的に40は……。
基本的には陽気で親切だが、アートにかける執念は並外れており、自分の作品を見てもらうためなら全てを投げ打つタイプの女傑。
助手の夢崎さんでさえ「1年の担当教授で間違いなく一番えげつない」とひいていた。
ちなみに独身。
作家として認知度も高く、女子生徒らの憧れの存在だが、教授としての仕事などをはじめとした苦労が絶えない。
同僚は奇人変人ばかりで、セクハラ発言を連発するオッサンもいたり、上司(副学長)の犬飼教授は怖かったりと、いつも気を遣ってばかり。また生徒も中々にクセが強く、中々犬飼教授の期待通りの成果をあげることができず板挟み状態。加えて、作家としての活動も非常に多忙。その多忙さを知る助手の夢崎さんは「この人みたいには絶対なれない」と発言していた。
ちなみに、よく様々な会社の社長と会食に行っているのでいつも豪勢なものばかり食べている印象があるが、会食がなければ食事は家でカップ麺と非常に質素。
とにかく仕事に全てを投げ打っている印象。
油画の教授だが、その代表作はラッピングシリーズ。
絵ではなく、建物などをラッピングで綺麗に飾り立てる大規模作品を得意としている。
勿論、巨大な建物を猫屋敷先生が自らラッピングしていくわけではなく、実際に作業するのは建築業者などの職人。
猫屋敷先生の仕事はラッピングのプランニング。
その作風には賛否あるが、SNS上で若者には人気が高くメディアからも注目されている。
「ラッピングは世界で一番 可愛い嘘ですから」
基本的にラッピングは展示が終わればビリビリに破かれて壊されてしまう。後に残らないタイプの作品な上、とんでもなくコストがかかるので、その製作には彼女に協力してくれるパトロン(この場合、宣伝目的で利用してくれる経営者)が不可欠。
そのため猫屋敷先生は常に周囲の人間に気配りし、尽くし続けている。
真面目に製作に取り組む生徒たちの姿に頬を緩める姿も描かれており、生徒に対する思いやりも感じられる。
一方で、彼氏の束縛が強くて作品に集中できないという女生徒に対しては突き放すような厳しい発言をしたことも。なりふり構わず全力で取り組む人間に対しては優しいが、そうでない人間に対しては厳しい。
「むかつくなーもってるもの全部使って戦わない人間は」
そのため猫屋敷先生は、内に閉じこもったような作品ばかりを描く高橋世田介に対しては、当初からキツイ態度をとっていた。世田介は頭が良く天才的な絵の技術を持つ一方で、人に見てもらいたいという熱意がなく、猫屋敷先生とは正反対の作風。そのため猫屋敷先生は当初からあまり世田介のことを好んでおらず、積極的に関わろうとはしていなかった。しかし上司である犬飼教授に世田介を指導するよう促されたことで、1年次の後半からは積極的に世田介に関わるようになるが、相性の悪さが影響したかその態度はかなり辛辣。
「頭良いんでしょ君?良い頭は使わなきゃ」
「上手いのはわかったから頭使ってよ頭」
「君にこういうの求めてないから」
技術はいいから、もっと頭を使ったコンセプトのある作品を作れと、世田介がセンター合格であることを示唆するような発言までしていた(藝大にはセンター試験が1番良かった人間は2次試験の絵に関わらず取るという噂がある)。
世田介はそういうのが大嫌いで、
「あなたと話してるとイライラするので帰ってください」
と教授相手に直接的な暴言を吐いて反発したこともあり、ブチ切れた猫屋敷先生が物に当たっているシーンもあった。その後世田介は色々あって一度は折れ、猫屋敷先生の指導に従いそうになったが、最終的に自分のこだわりを捨てないことを選択。1年次の進級製作の講評では、猫屋敷先生とかなり激しい言葉でやり合うことになる。
「つまんな!君さあ、ホントの自分みたいなもの信じてるの?」
「そのままじゃ君何者にもなれないよ!?」
「何者かになる権利はあっても義務はない……と思います」
結局、猫屋敷先生は世田介と決裂したまま、大学編2年目は大型プロジェクトに取り組むということで担当から外れ、物語から退場することになった。