演:大友一生
概要
大津馬中学3年生の男子生徒。主人公・野咲春花の同級生で、彼女をいじめるグループのメンバー。外見は人相の悪い少年。
仲間内では橘吉絵に続き、非常にサディスティックで残虐非道、狡猾な性格の持ち主。愛用のボーガンで小動物を殺すのが趣味。
池川努とつるんでおり、彼の家の敷地内にあるプレハブ小屋を秘密基地にし、多数の武器を隠し持っている(なお、彼のボーガンも元は池川が購入したもの)。
春花へのいじめには、閉鎖的な田舎で暮らす日常の鬱憤晴らし感覚で参加し、彼女の机に動物の死骸を入れるといった悪質な嫌がらせをしていた。
グループの中でも倫理観が著しく破綻しており、春花の家族殺害に関しても、単なるゲームの延長線としか思っておらず、春花の母を脅していた久賀に(同じく非情な彼ですらその気はなかったにもかかわらず)「人が焼死するところを見たいから」と火をつけるように煽っていたほど。
同じいじめっ子でも家庭環境に問題があり人格が歪んでしまった吉絵、排他的ではあったが仲間想いな面を見せていた久賀と比べても、そうしたバックボーンが描写されていない分、非道さが強調されたキャラクターである。
ここからはネタバレになります
久賀が行方不明になったことで、春花の復讐を察知し、池川と共に闇討ちを計画した(この際に佐山流美に電話で自身の計画と共にそのことを伝えており、彼らが音信不通になったことが、彼女が裏山を捜索していじめっ子の女子を発見するきっかけになった)。
そして祥子の見舞いに行く春花の後をつけ、病院近くの林道で池川が祥子を強姦しようとしたと煽った上で、池川に彼女を襲わせ、その隙にボーガンで射殺しようとする。
しかし池川を間違って撃ってしまい、発狂した彼に襲いかかられる(この際にあっさりと池川を見捨てており、彼の薄情さと、池川が彼にとって表面上の友人に過ぎなかったことが窺える)。
そして隙をつかれ、春花に包丁で刺されたことで気が動転し、待つように言いながら逃亡。逃げた先が凍った池だったため、氷が割れ、自身のボウガンで撃たれた挙句に、池に落ちて溺死した(映画版では春花の凶刃で止めを刺された)。
春花の復讐における5人目の犠牲者。問答無用で春花の両親を殺害しておきながら、自分勝手な命乞いをし、更に愛用していた武器で侮っていた春花に容赦なく殺されるという惨めな最期を遂げた。
その後は行方不明扱いだったが、物語の最後では遺体が回収された(両親がどのような人物かは描写されていないが、息子が行方不明になった際に、担任の京子に何度も事情を聞く電話をかけているため、それなりに愛情はあった模様)。
さらにネタバレ(結末に関わります)
なお、この林道は春花の復讐劇の最後の現場にもなっている。
この時、致命傷を負わされた春花が最後にすがった凶器が現場に放置されていた彼のボーガンであり、彼の闇討ちの計画は春花に復讐を遂げさせるという皮肉な結果を招いた。