演:遠藤健慎
概要
大津馬中学3年の生徒。主人公・野咲春花の同級生であり、彼女をいじめるグループのメンバー。
ピアスをつけ、髪を金髪(映画版では茶髪)に染めたチャラ男風の男子。グループのリーダー格・小黒妙子に好意を抱いており、髪のブリーチは彼女に染めてもらった。
クラスの仲間内には人懐っこく陽気に振る舞っているが、それ以外の人間には排他的かつ残忍な性質を見せている。いじめの抗議に来た春花の父を面白半分で画鋲を仕込んだ上履きで蹴り、負傷させたこともあるほど。
加えて他の生徒同様に担任の南のことを軽視しており、授業態度も悪いため、彼女からは「問題児」扱いされている。
以前から妙子の本来の姿を知っていたらしく、春花の転校後に妙子が陰険になったことを「春花の所為」だと勝手に決め付け、春花のことを憎んでいた(本人曰く「普通に馴れ合っていたのに、春花が転校して来たことでクラスのバランスを崩れた」とのこと。しかし、妙子の流美へのいじめは問題視していないあたり、彼の身勝手さが窺える)。その感情がいじめグループに加わる動機となっている。
春花の家族殺害後も、自分が彼女の母に(最初から焼死させるつもりはなかったが、脅しで灯油をかけた際に火のついたマッチを手が滑って落としてしまったことにより)火をつけておきながら、全く罪悪感を抱いておらず、いじめっ子達が行方不明になっても事態を楽観視していたが・・・・・
以下、ネタバレあります
加藤理佐子の証言から、彼が母を殺害したと知った春花により、一人で下校していたところを襲撃される。
彼女に包丁で腹部を刺された上に口を切り裂かれ、逃げ惑うものの、人気のない古井戸に落ちてしまう(映画版では崖に転落したあげく足を骨折し身動きが取れなくなる)。
最初はすぐに助かると事態を甘く見ていたが、携帯電話をなくしたこと、口の負傷が原因で助けを呼ぶことが出来なかったことが原因で、激痛に悶え苦しみながら死亡した。
最期まで春花に責任転嫁しつつ、かつて妙子と過ごしていた楽しい時間を思い浮かべ、涙を流していた。
春花の復讐における四人目の犠牲者になる。遺体は場所柄、終盤になってようやく発見された。
自分が襲われても危機感のない楽天的な言動を取っていたことや、自分のした悪事の反省もせず、春花の所為にしたままの死に様などは、彼自身の浅慮さや排外的な気質を象徴していると言える。
ちなみに彼の父は、いじめグループの保護者の中では妙子の母や流美の母に続き、比較的穏健な性格をした常識人である。
しかし、母・正絵は所詮かかあ天下の振る舞いをするモンスターペアレントで、息子の性格の非道さに全く気付いておらず、彼の素行も咎めずにいた。
久賀が行方不明になった際には、担任の南京子に事情を聞きにいくが、南から息子を問題児扱いされ激昂、「とても良い子」と反論し、彼女に手を上げていた(前述の彼の性格から、家族などの近親者には猫を被っていたことが示唆されている)。
その際に夫婦は冷たく南に追い返されるものの、小黒妙子の遺体が発見された後には、行方不明になった生徒達の保護者一同と共に抗議に行っている。
正絵はその際に、南の言動から彼女を殺人犯呼ばわりするが、橘の父親の発言により暴走した南に両目を潰された(実写映画版ではほぼ落ち着いた態度をとっていたため、苛烈な言動は比較的減っていることもあり、南からの暴行を受けずに済んでいる)。