演：紺野彩夏
概要
大津馬中学校3年の女子生徒。主人公・野咲春花の同級生で、彼女をいじめるグループのメンバー。セミロングヘア（映画版ではツインテール）の髪型で、おっとりした雰囲気のたれ目の少女。
親友である三島ゆりとセットで行動していることが多く、彼女同様に橘吉絵の子分のような存在である。
吉絵とは対照的に、両親から甘やかされているお嬢様育ちの娘（小説版ではいじめグループの女子のアジトとして自室を提供しており、佐山流美の髪を切ったのも彼女の部屋）。
しかしそのような家庭環境のせいか、見た目とは裏腹に、春花や流美をいじめ抜く邪悪な裏の顔を持つに至っている（両親はこのことを知らなかったようだが、吉絵の父親から「自分達の子どもがいじめの加害者になる側」と指摘されても否定はしなかった）。ただし、事件後の状態を見る限り、本質的には臆病で両親（母）への依存心が強い性格である模様。
また、いじめにこそ加担していたものの、ゆり同様にいじめっ子の中では、まだ良識を持ち合わせている（実際に春花の家の放火ではゆりと共に怯えて傍観していただけに過ぎず、他のいじめっ子達より先に現場から逃げ出した後、外出していた春花と相場とすれ違った）。
そのため、放火事件後は罪の意識に怯え、家族（特に母）に殺人の嫌疑が知られることをひどく恐れるようになった（しかし、ゆり同様、春花の家族を殺した現場に居合わせたことや流美の計画へ参加した罪悪感よりも自己保身を優先させている）
特にゆりと違い、事件後は情緒不安定な状態に陥ってしまう。
ここからはネタバレになります
吉絵が春花に自殺を強要した際には、裏山にある不法投棄場所になっていた穴において、その手伝いをさせられる。
吉絵を恐るあまり、協力するが、復讐鬼と化した春花に襲われる。恐怖のあまり逃げることも出来ず（この際に久賀が春花の母に火をつけたことを口走っている）、母の助けを求める声を上げながら鉄パイプで撲殺されるという悲惨な最期を遂げた。
春花の復讐劇の第三の犠牲者。死後、遺体は春花によって隠蔽される。
余談だが、理佐子の「ママ」という悲鳴は助けを呼ぶには至らなかったが、吉絵がその声で両親に対する本心に気づくという皮肉な結果をもたらしていた。
両親は娘の行方を探し、終盤で担任教師の南京子を揃って糾弾している。両親は傷害を受けずに済んでいるが、あれだけ家族に殺人の嫌疑が知られることを恐れていたにもかかわらず、小説版の最後では知られてしまうこと（もっと言えば、だんまりを決め込まなければ殺されることはなかった）、また彼女の両親も溺愛していた娘の本性を知ることになってしまったこともまた皮肉と言える。
ゆりのようにそれなりに常識を持ち合わせていたこと、流美のようないじめられっ子ではなく、また吉絵のように家族に恵まれなかったわけではないため、いじめにさえ加担したければ、死ぬことはなかったと考えると、哀れな面もある。
