概要
演:森林恵理奈(現:森林永理奈)
14歳の女子中学生で、県立亀石野中学校2年4組の生徒で、テニス部に所属している。
夜見島沖で座礁したブライトウィン号で目を覚まし、船内で出会った藤田茂に保護され、行動を共にすることになる。
※ネタバレ注意
彼女は本物の矢倉市子ではなく、堕慧児が彼女をまねて作り出した模倣体である。当初は不完全だったためか、模倣体としての自覚がないまま行動していたが、徐々に模倣体として覚醒。
藤田を殺害した後、マシンガンや刀を片手に持ち、闇人を次々に殺していきながら蜘蛛の糸の頂上を目指す。
途中、一樹守と木船郁子に遭遇し彼らを殺そうと追いかけるが、母胎の出現ににより転落する。最後は堕慧児に吸収された。
尚、市子本人は後述の経緯で既に死亡しており、ゲーム内ムービーでも彼女の絶命する瞬間が映されている。
名前の由来はドグラ・マグラの呉一郎である。
ブライトウィン号の怪
過去にSIREN2公式サイトに掲載されていたサウンドノベル形式のスピンオフweb小説『ブライトウィン号の怪』にて、生前の市子を知ることができる。本編の19年前に起こったフェリー『ブライトウィン号』遭難事件の全容を描き、彼女とその仲間たちの視点から惨劇の一部始終は語られていく。
市子がブライトウィン号に乗船していたのは、自身の所属する中学テニス部の遠征の帰り道だったからで、共に乗り合わせた仲間には親友のマネージャー・木船倫子(のりこ)、同級生男子の中島一郎や稲田和男、顧問の教師・渡辺などがいた。
その内容によると、明るく活発な素顔、気になる男子の前での茶目っ気、自分より大人びた性格の親友にはやや子供扱いされるなど、ごくありふれた思春期の少女らしい生活が描写されている。また堕慧児の作った偽物との差異か、模倣体より話し方に訛りがある。
普段は毅然とした倫子と比べると内気なところもあるようだったが、未曾有の怪異に怯えながらも、謎の女性(=二人目の分裂体、通称鳩B)の助けで、なんとか生き延びようともがく。その際不審な鳩Bに戸惑いながらも、共に逃げるよう声をかける優しさ、様々な惨事に見舞われ心が砕けかけた倫子を叱咤する強さを見せるが、最後の最後に一歩及ばず、荒れ狂う波間に転落して海の藻屑と消えることになる。
もし市子本人が死ぬ事なく本編に合流していたなら、藤田や永井とどんなドラマを繰り広げていたのか、返す返すも悔やまれてならない。