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概要編集

 本編より27年前に行われた秘祭で『神の花嫁(=堕辰子の生贄)』として捧げられた少女。村の権力者である神代家の娘で、家族構成は両親と姉の佐矢子の四人。本編の美耶子と同姓同名だが別人であり、彼女から見ると叔母に当たる。

※ここでは本編の、すなわち当代の美耶子と差別化するため“先代美耶子”と呼称する。


 何故本編の美耶子が先代と同じ名前を付けられたのか、ゲーム内で語られることは無いが、漫画版では神への生贄となる神代家の次女に代々受け継がれる名とされている。


 本編では既に異界に囚われ、生ける屍(故人ではない。詳細は後述)としてしか確認できない彼女だが、肉体が朽ちて尚、心の声を周囲に送り続け、本編で活躍する人々の行動に重要な影響を与えることになる。

 まだ元気だった頃の彼女の様子は公式サイトに連載されていた外伝小説『羽生蛇村異聞』第二話、第四話にて知ることができる。



人物編集

 本編の美耶子とは違い盲目ではなく、主体性の無い大人しい性格。家族からも隔離されて成長したため両親や姉との関係は希薄。神代家の女中・澄子が母代わりとなって彼女を育て、澄子に絶大な信頼を寄せている。

 座敷牢に幽閉されて碌に世間を知らないまま過ごしたため、姪同様初対面の志村晃一に尊大な口を利く。しかし晃一の懊悩を慰めようと抱きしめるなど、彼女なりに思いやりのある面も見せる。


作中での動向編集

 生贄の運命を憐れんだ澄子によって牢から解き放たれ、一人で村の外へ出るように諭される。しかし彼女に頼りきりで暮らしてきた先代美耶子は、澄子と離れる不安を訴える。連れが先に居るからと澄子は強い口調で促し、意を決した先代美耶子は神代家の地下通路を通じ、村の教会へ抜け出した。


 そこには儀式に必要な御神体である堕辰子の首を盗み出し、儀式をやめさせようとした志村晃一(志村晃の一人息子)の姿もあった。澄子の言う連れだと思った先代美耶子は辿々しく晃一に話しかける。その連れに当たらない晃一は訳が分からないながらも先代美耶子を放っておけず、彼女を連れ、異界に飲まれる村からの脱出を図る。


 彼らが辿り着いたのは村の診療所である宮田医院の地下室だったが、逃避行の中で晃一は赤い雨を強かに浴びてしまい屍人化。人間であり続けたい晃一の願いを聞き入れ、彼を手にかけた先代美耶子。しかし晃一がいなくなり、結局一人になってしまう。途方に暮れる彼女の前に澄子が現れ、漸く安堵する先代美耶子だが……。










⚠️以下、物語の重要ネタバレあり









「美耶子様、澄子は間違っていました……」





 澄子は脱出前とは打って変わって妙に悠然としており、訝しむ先代美耶子にある物を持たせると、そのまま椅子に彼女を拘束し、目隠し猿轡までして身動きを取れなくしてしまう。


 実は澄子の正体は、永遠を生きる怪物にして怪異の元凶であり、厄介なことに、長い時を生きる間に自分の過去や記憶を忘れ、様々な別人格を作り出してはその時代毎を生きる習性があった。「澄子」も当時を生きるための一人格に過ぎず、無くした記憶を取り戻すため、澄子は予め村の各所にヒントをばら撒いたり、核心である神代家に近い所で活動したりすることで、完全に忘れ去ることを防いでいた。

 後から合流するつもりでいた澄子だが、先代美耶子を追う過程で忘れていた本来の人格が覚醒。本来の人格とはつまり、儀式遂行のためなら如何なる手段も選ばない残忍な性格であり、御神体を取り戻したことで儀式再開の目処が立った澄子は、動けぬ先代美耶子を放置したままその場を去ってしまう。

 儀式には花嫁も欠かせない筈だが、何故美耶子をどうこうするでもなくこのような処置をしたのかは不明。後に生まれるに期待したのか、姪は確かに先代より特殊だったが、事前に予知でもしていたのだろうか…。


 そして、先代美耶子に流れる神代家の血には、不完全な不死の力が宿っており、肉体が死のうとも魂は現世に縛られ、永遠に常世へ渡ることも冥府に逝くことも叶わない呪いとなって、代々神代家の人々に地獄の責め苦を味わわせている。そんな血を持つ先代美耶子が、飲まず食わずで暗闇を過ごせば、将来、精神的にも肉体的にも壮絶な苦しみが待っていることは想像に難くない。


 残された先代美耶子は信じていた澄子に裏切られたショックと、これから誰の助けも期待できない恐怖で雁字搦めになりながら、独り異界の病院の闇の中、実に27年という長い歳月、全てを終わらせる者達に自身の意思を送り続けるのだった…。



関連イラスト編集

【※微グロ】先代美耶子×八尾

無題


関連タグ編集

SIREN 神代美耶子

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