「あたしはずっと恭也の傍にいるよ」
「全部消して。この村も、あいつらも、全部」
概要
神代美耶子とは、SCEJ開発のホラーゲーム「SIREN」のヒロイン。
演者:岡本奈月
人物
羽生蛇村の旧家・神代家の末娘。
性格は所謂ツンデレ。14歳。
村で数十年に一度行われる儀式の生贄である「神の花嫁」として育てられる。そのため役所や警察など公的機関の干渉を一切受けず、戸籍すら持たない。
いずれ死ぬ身分故か家族との接触も碌に無く、特に家の事情を全く知らされず我儘に育った姉・亜矢子との仲はすこぶる悪い。作中で再会した時は凄まじい舌戦を繰り広げ、亜矢子が負けていた。
凄まじい村の様相とは裏腹な色白の美人で、姉と比べると器量の良さは顕著。
生まれた時から離れに軟禁され、世話係以外との接触を絶たれた環境で育ったせいかかなりの世間知らずで、初対面の須田恭也を「お前」と呼ぶなど誰に対してもぞんざいな口調で話す。生まれつき盲目であるためか、神代家の中でも強い幻視の力を持っている。
生まれついての盲目というハンデを負いつつも気は強く、人身御供の運命を拒み一人行動を起こす(漫画版では家人の目を盗んで密かに牢を破り、屋外を出歩いていた模様)。
一方で人への思いやりも持ち合わせており、『あんな気持ちの悪い奴らと一緒にはさせない』と彼女なりに須田を励ましたり、秘密の散歩中に知り合った少女・四方田春海の孤独を知ると、自分が姉代わりになると優しく接したりしていた。
儀式に必要な堕辰子の首を壊したため村に異変が起こる原因となった。盲導犬・ケルブの存在により、視力のハンデを感じさせないフットワークをみせるも、屍人の攻撃から美耶子を庇いケルブは命を落とす。
その後、偶然よそ者である須田に出会い行動を共にする内で、彼の温かい人柄に触れて次第に心を開いていった。物語序盤で石田に負わされた銃創から、赤い水が入った事で屍人化が進行する須田を救うため、ある決心をする。
ネタバレ注意!
「これは、私の血の盃。罪の赦しとなる、永遠の契約の血。…ごめんね。こうするしか出来ない。せっかく、綺麗だったのに」
実は彼女の家系はかつて堕辰子という常世の生き物を食らった女を祖に持ち、彼女の血には(不完全ではあるが)不死の力が秘められていた。
神代一族の血には堕辰子(あるいはその上位種)からの呪詛が掛かっていて、通常の人間の屍人化が“神の祝福を受け、神と同じ常世の存在となるため”の過程なのに対し、神代の血を受けることは“原罪によって神と同一になるのを拒まれる”ことでもあり、これによって血を受けた者は神代の女たち同様、屍人になることは無く、人間性を維持したまま不完全(肉体のみの老朽化)ながら不死の命を得ることとなる。
脱出の過程で重傷を負った須田の屍人化を食い止めるため、自らの血を分け与えた(これにより、須田は不死身となる)。
この時須田は眠っていたため、美耶子は須田の意思確認をしないまま重大な行動に踏み切っている。プレイヤーから見れば『何てことを』と感じる人も居るかもしれないが、須田が置かれた状況は『これまでの人生を失い醜い異形として消えゆくか』或いは『永劫終わらぬ人生であっても「須田恭也」として生き続けるか』の二者択一であり、美耶子は一番須田にとってマシと考えられる方を取ったに過ぎない。しかもこの時大量に赤い水を取り込んでいた須田は屍人化待った無しの状態であり、美耶子から見れば最早一刻の猶予も無かったのである(現に淳も須田の状態を見て「あっち側に行くのも時間の問題」と鼻で笑っていた)。
とはいえ美耶子自身、自らの行いが須田に地獄の運命を背負わせることになるのは理解しており、堕辰子の血肉が混じる自らの血を“穢れ”と感じているため、「せっかく綺麗(まともな人間)だったのに」と彼に詫びたのである。
美耶子はその後『理尾や丹』を目撃し、儀式に必要な御神体が戻って来たことを悟る。絶望する彼女を屈託無く励ます須田に心を動かされ、美耶子は須田に礼を言い、初めて笑顔を見せた。自身を狙っていた義兄の神代淳によって須田と引き離され、さらに八尾に捕まり儀式の生贄に捧げられてしまう。
しかし肉体は滅びても彼女の魂は現世に留まり続け、復活した堕辰子との決戦に挑む須田を霊体となって導いた。戦いの後も異界を彷徨う須田の傍らで今も寄り添い続けている。