概要
桜庭一樹が2007年に出版した小説で、翌年直木賞を受賞。
父娘の近親相姦を主題にした、暗くも切なく悲しい物語である。
2014年に映画化されたが、主人公の容姿や結末がかなり異なる。
あらすじ
北海道に住む花は、9歳の時に奥尻島を襲った地震(北海道南西沖地震)による津波で家族と家を一遍に失ってしまう。孤児になってしまった花は、母方の親戚と名乗る腐野淳吾に引き取られ、紋別で慎ましくも楽しい生活を始める。しかしその裏で花は淳吾から性的虐待を受けていたが、互いにとっては同意の上の行為だった。
やがて奇妙でどこか歪んだ二人の父娘関係は、周りの人達を巻き込んで思いもがけない事件に発展してしまう──・・・
登場人物紹介
- 腐野花(くさりの はな)
本作の主人公。旧姓は「竹中」。津波で全てを失って孤児となり、話を聞いて駆けつけた淳吾に引き取られ「腐野」に変わる。少女時代から大人びた雰囲気を醸し出している。
映画版では分厚いメガネをかけている。
- 腐野淳吾(くさりの じゅんご)
- 大塩小町(おおしお こまち)
花を「得体の知れない娘」として気味悪がっている。
- 大塩さん(おおしおさん)
仕事とはいえ幼い花を残して家を空けがちな淳吾を心配する。
- 田岡(たおか)
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