私の男
1
わたしのおとこ
桜庭一樹による小説である
北海道に住む花は、9歳の時に奥尻島を襲った地震(北海道南西沖地震)による津波で家族と家を一遍に失ってしまう。孤児になってしまった花は、母方の親戚と名乗る腐野淳吾に引き取られ、紋別で慎ましくも楽しい生活を始める。しかしその裏で花は淳吾から性的虐待を受けていたが、互いにとっては同意の上の行為だった。
やがて奇妙でどこか歪んだ二人の父娘関係は、周りの人達を巻き込んで思いもがけない事件に発展してしまう──・・・
- 腐野花(くさりの はな)
本作の主人公。旧姓は「竹中」。津波で全てを失って孤児となり、話を聞いて駆けつけた淳吾に引き取られ「腐野」に変わる。少女時代から大人びた雰囲気を醸し出している。
映画版では分厚いメガネをかけている。
- 腐野淳吾(くさりの じゅんご)
本作のもう一人の主人公。花の養父。若い頃は美形でそれなりにモテていた為に女の出入りが激しく、不良じみた連中ともつきあってケンカになったこともあり、一時期花の両親のもとへ居候していた事がある。花を引き取った時は紋別で海上保安官主計士をしており、彼女を残して数日家を空けることもあった。
- 大塩小町(おおしお こまち)
腐野父娘が紋別に住んでいた頃の淳吾の後輩で元恋人。若い頃は銀行員として働く美人だった。
花を「得体の知れない娘」として気味悪がっている。
- 大塩さん(おおしおさん)
北のほうで地元民に慕われていた老人。「親父さん」と呼ばれている。小町の祖父。
仕事とはいえ幼い花を残して家を空けがちな淳吾を心配する。
- 田岡(たおか)
紋別警察署の刑事。頬に大きな黒子がある。昔大塩の世話になっていた一人。ある事件を境に、腐野父娘を追っている。
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