「あんたは、俺に何してくれる?」
「教えてくれよ!!お前らはどうしてそんな簡単に大事な人間を裏切れるんだ?どうしてそんなに身勝手になれるんだ?」
演:滝沢秀明
概要
その手で患部に触れただけですべてのけがと病気を治すことができる神の手を持つ青年。年齢28歳。
18歳の頃に3人の少年を殺害した容疑で、死刑囚として関東中央拘置所に収監されている。
人物
能力とは対照的に冷酷で、心の内を誰にも見せない性格。病気と闘う人を見下す/人を試すような言動が多く、能力を自分に見合った条件下でしか使用としないといった少々気分屋気質なところがある。上記のセリフのように、私情に流されず中立的な考えを持っているようで相手に選択権や決定権を託す発言も目立つ。
自分とは対照的に触れただけで人を殺す、悪魔の手を持った碧井涼介の存在を知りその力を利用して、拘置所の所長を殺害させて脱獄。幾度となく涼介の前に現れて
力と向き合うように促すが…
その過去は謎が多く、神の手の力をどう利用し何が目的なのかすべてが不明である。
明かされた過去
某県にかつて存在した龍谷村の出身で、幼い頃に母は自殺し父親は彼を置いて村から逃げ出していた。その後龍谷村は廃村となり、跡地に龍谷ダムが建設されることに。
村の警察官であった二宮健に誘拐され、金儲けのために自分の能力を利用しようとした彼の命令を拒んだことにより見捨てられる。
その二宮と再会した際に彼が刺した3人の人間を治すように強要されたが、無視して殺人を犯したことになっていたのである。
その後
(以下、最終回のネタバレを含むので注意)
幾度となく涼介の前に現れて固執し続けていたが、彼とは血を分けた兄弟であることが判明。
竜崎と涼介が同じお守りを持っていたのもその為であり
龍谷村には数百年に一度、「神の手を持つ子供が生まれた時、次に鬼の手(悪魔の手)を持つ子供が生まれる。」
という言い伝えがあったのだ。
その結末は…
「神の手の力はやがて村を滅ぼす。その時
鬼の手は神の手を消し去る。」
鬼の手をもつ涼介をいかしておくわけにはいかないと考えた村の人々は、ひそかに涼介を葬るように父親に命じた。
だがしかし…弟に兄を殺させたくない両親は、父が竜崎を母が涼介を連れて離れ離れになっていた。
それから時が経過し…
龍谷ダムで竜崎は、国民に向けて映像メッセージを発信。
「みなさん。私は今後、この力を使うのをやめようと思います。その前に希望する人全員を治したいと思います。」
「ただ一つだけ条件があります。あなたは私に何をしてくれますか?
その答えを見つけて、ここに来てください。」
もちろんそれは誰でもない、たった1人の弟である
涼介に向けたメッセージだったのである。
龍谷ダムにて竜崎と涼介は再会する。
竜崎は、涼介に対して2つの選択肢を示す。
この場で自分を殺すか、鬼の手の力を世界に知らしめて
2人で神になるか…
神というのは幸せをもたらすだけではない。ときに残酷な罰を与えると…
生と死が2つ揃ってこその神の手、世界を変えることができるのだった。
神となって世界を変えるためには
心を捨てて非情にならなければならない。ここから始まるのか、ここで終わるのか2つに1つだと…
涼介は、人としての感情や親子/兄弟の絆を捨てることを竜崎が望むのならお前を殺すと答える。
涼介も、竜崎が自分の兄であるということを知っていたのだった。
すべてを自分のために…特別な力を持ってしまったもう1人の人間、ただ1人の兄が力と向き合わせることにより
人に利用されずに生きていくすべを教えるために…
逃げるわけにはいかない涼介は、自分の手で竜崎を殺すことを決意。
だがしかし…繊細な心を持つ涼介には、たった1人の兄を殺すことなどできない。
それを見かねた竜崎は
自分の孤独と望みを理解してくれたなら安心して死ねる、ころして普通の人間に戻してくれと涼介に言う。
それでも殺せない涼介は、竜崎を射殺しようとする警察から竜崎をかばって撃たれる。
竜崎は神の手で涼介を治そうとするが、治さなくていいと言われる。
だが、2度目の銃弾で竜崎自身も腹部を撃たれて致命傷をおう。涼介に心配されるが、竜崎は力を使おうとはしなかった…やっと分かり合えたために。
小さい頃の自分の孤独を救ってくれたのは、母親と弟である涼介の笑顔だけだった。あの頃に帰りたいと…
お前の力で楽になりたい、もう終わりにしたい…
そう言って涼介にもう一度自分を殺すように頼む。
撃たれて腕が上がらない涼介…
「まったく…世話のやける弟だ」
涼介の腕を治す竜崎。そして彼の首に手をかける涼介は
涙ながらに「兄貴…」
意識を失いダムに落ちそうになる竜崎。
竜崎の手を必死でつかむ涼介…竜崎は離せとせがむが
やっと分かり合えて、2人で生きていけることを確信した涼介は竜崎の手を掴み続ける。
それに応えて竜崎も握り返すが、涼介は足を滑らせて竜崎とともにダムに落下する。
やはり竜崎は、言い伝えのとおり涼介の力で死にたい…
そう伝え、涼介は竜崎に鬼の手の力を使う。
竜崎は死亡した…
それから1年後、涼介は再び学校の先生に。
どうやら、竜崎の遺体は見つからなかったようで…
あの言い伝えは、兄を殺すのではなく
兄の力を消し去るということではないのかという涼介。
鬼の手も力ももうない、涼介はそのような気がしており
子供たちの背中を押してあげられるよう日々を生きていた。
学校からの帰りに河川敷の道を歩く涼介。
捨て犬に声をかけるが、拾ってあげられないことを謝る。
そして、捨て犬とはぐれてまた歩き出す…
すれ違うように、見覚えのある人が捨て犬のところに
向かって歩いてくる…
竜崎は生きていたのだ!
犬を抱える竜崎。手を見るとケガをしている…竜崎は手を当てるが…
神の手の力は消え、「うちくるか、手当してあげるぞ。」
そう言って捨て犬を連れて帰る…彼も優しく純粋な人間になったのだった。