概要
本名はメフィスト=フェレス・ファースト。魔界の貴族メフィストフェレス家の嫡男にして魔王家アスモデウス家の因子(母がアスモデウス家の出身)を色濃く受け継ぐ悪魔少年。
通称は「フェス」。アスモデウス血統の証である魔術「赤き雷」の使い手。貴腐人の姉と無邪気過ぎて危うすぎる弟を持つ、気苦労の多い中間子。ぶっちゃけ苦労人。
「笛烈一郎」の名は「せっかく日本に滞在するなら、それに合わせた名を名乗りなさい」と母のアンナローゼに無理矢理名乗らされた名前。
魔界捜査官(デモンズ・サーチャー。言うなれば魔界の警察官)である当代メフィスト男爵の息子であり、当代魔王アスモデウスの甥っ子。父に与えられた任務(人間界に逃れた魔罪宝ペナジュエルの捕獲)のせいで(と、いうか母親のアンナローゼが父メフィストの単身赴任を嫌がったため)一家揃って人間界に滞在するハメになった。
順当に行けばメフィストフェレス家の三代目となるべき人物であり、それゆえに(弟とセットで)メフィスト三世とも称される事がある。
(父の旧知である近江真吾は、フェスの父であるメフィスト男爵を「メフィスト二世」と呼んでいる)
登場作品
- HAUNTEDじゃんくしょん
- まほろば見聞録 花咲く旅路
- UNDER HEAVENS ふぁみりぃ
- 円陣とらぶる!
HAUNTEDじゃんくしょん
(一応商業上における)初出作品。時系列的には「円陣とらぶる!」本編の後、同寄宿舎編の前。
近江真吾の契約悪魔12使徒のひとりで筆頭第1席を持つ第1使徒(弟と共有)。
……というか本来の近江真吾の12使途の第1席はフェスの父であるのだが「もう魔界で立場(男爵位と家庭と警察官としての仕事)を持ってしまって、そちらが忙しい(あと、もう友と大冒険を繰り広げられるほど若くない)ため(かつて初代メフィストが自分にそうしたように)席を息子に譲りたい」「フェスには人間界で悪魔くん(近江真吾)と活動する事で人間に対する理解と世界への見聞を広めてほしい」との意向のもと、立場を押し付けられてしまった。
ただしフェス本人は自身の契約の裏にそんな事情がある事は知らされていない。
そんな経緯で真吾と(ほぼ不本意に)契約を結ばされたため、反抗期もあいまって不満たらたら。しかし反抗すれば真吾の持つソロモンの笛でエラい目に遭わされるため仕方なく契約に従っている。弟は弟で、そんな兄を反面教師に見つつ素直に契約を遂行しているため、ますますフラストレーションが貯まる事に。
とはいえフェス自身も基本的に素直なノリの良いお人好しであるため、なんだかんだと言いつつ無理をする真吾やその友人であるS東聖徒会を心配して世話を焼いたりしている。要は早い話ツンデレ。
あと真吾の頼みでS東聖徒会と魔王アスモデウスとの交渉の仲立ちをする羽目になってしまった(まがりなりにも魔王相手の交渉であるため些細なことでも命懸けである)。
まほろば見聞録
「HAUNTEDじゃんくしょん」の後日談にあたるシリーズ。当時ら・むうんが行っていた地方交流イベントである「UNDER HEAVENS Party」が叩き台になっている。
毎度のごとく真吾にアチコチ引っ張り回されていたが、ふとした偶然の出会いにより南京町で迷子となった水神の使いである「金兄(金ちゃん)」を保護して彼の拠地である新潟に送り届けた。
のちに金兄が小競り合いの戦にとられ佐渡島に罪人として縛られた事を予知夢で知り、彼を助けるため真吾とS東聖徒会、さらにはディアール・オークの力まで借りて、佐渡に乗り込んだ。
目的である金兄を連れ出したは良いが、島から脱出するために女装を披露するハメになっている。
この作品は、フェスの生来の「面倒見の良さ」が遺憾無く発揮された回となっている。
UNDER HEAVENS ふぁみりぃ
最初の時系列にあたる作品で、主人公として登場。
自身と姉のエネアのせいで罪宝が人間界にバラ撒かれるきっかけのひとつを作ってしまった(全部が全部、二人のせいではないが)。
父が魔界捜査官の任を拝命した事で行きたくもなかった人間界に行く羽目になり「HAUNTEDじゃんくしょん」の時以上に不満たらたら。
事ある毎に罪宝と同調して呼び出してしまう「人間」という種の欲深さと罪深さに、ほとほとドン引いており、人間の事は心から軽蔑している。
しかし父の捜査官としての仕事に巻き込まれる事で人間の持つ哀しき業や、それでもなお尽きぬ優しさも知り、その矛盾に戸惑いながらも人間への軽蔑を思い直すことを考える時もある。
円陣とらぶる!
本作の主人公。時系列としては「UNDER HEAVENS ふぁみりぃ」の直後で「HAUNTEDじゃんくしょん」の前。
騒動に首を突っ込みたくないのに、突っ込まざるを得ない状況に追い込まれる苦労人。
戸隠まどかと出会った事で最終的には魔界を揺るがす大騒動&魔界の危機に立ち向かう羽目になった。
実は子ども向けのヒーローものが大好きという小学生らしい一面もあったりする。
親の仕事の関係から人間には非常に辛辣だが、まどかの優しさに触れてイロイロと思い直す。のち、まどかとは(一応は健全な)固い友情で結ばれるようになる。
「寄宿舎編」ではシュバルツレイカー学園に在籍している。シュバルツレイカー学園に入学したのは、まどかから離れようと思ったからだが、まどかがシュバルツレイカー学園にやって来ると知り困惑する。