概要
1960年2月17日に結成された陸上自衛隊で唯一の鉄道部隊。旧陸軍の鉄道連隊と異なり、外地での活動は含まれておらず、主な目的は災害などで被害を受けた鉄道の復旧や自衛隊の補給任務であり、国鉄のストライキ時の輸送の確保、日本領土内が戦場となった際の国民への食料輸送であった。
終戦に伴い廃止された鉄道連隊が使用していた演習線のひとつである習志野線の一部を取得して運用していた。
災害派遣において国鉄線の復旧などで大活躍したが、1966年に解隊された。
というのも機関車の主力が9600形蒸気機関車で維持費が高く、モータリゼーションに伴って道路事情がどんどん好転していったことにより、陸上幕僚監部が本隊の意義を予算当局に対し説得出来なかっためと言われている。
なお蒸気機関車を主力機としていたのは戦闘の際に地上設備を破壊されたら動けなくなってしまう電気機関車や、原料である原油の大半を輸入でまかなうディーゼル機関車では万一の際に活動できなくなってしまうためである。蒸気機関車であれば最悪焚き木でも動かせるし。
解隊後この9600形を朝霞駐屯地で保存する計画もあったが、輸送費が250万円(当時)と高価だったため叶わず解体されてしまった。
代わりに同じく同部隊で運用していた協三工業製15t級B形タンク機関車を保存したが、老朽化に伴い1992年に廃棄処分。その後スクラップ置き場に10年以上放置されていたが、那珂川清流鉄道保存会が引き取り現在も保存されている。
ちなみに現在朝霞駐屯地で保存されている一〇〇式鉄道牽引車は解隊後の1967年に国鉄東京鉄道管理局から無償譲渡されたものであり、同部隊では運用されていない。
自衛隊専用軌道
自衛隊の専用鉄道としては他に江田島の海上自衛隊呉弾薬整備補給所に弾薬運搬用の専用軌道が存在した。
2010年頃に廃止されたが現在でも廃線跡が残されている。
長らく加藤製作所製のディーゼル機関車が運用されていたが1992年に堀川工機製の7t級B形ディーゼル機関車に置き換えられた。
廃止後はこのディーゼル機関車も解体されるはずだったが、自衛隊の保有する最後の鉄道車両だったことから静態保存が決定。2017年に呉造修補給所に移設されて展示されている。