概要
漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』のストーリーの中心として描かれるガールズバンド。
下北沢にあるライブハウス「STARRY」を拠点に活動している、女子高校生の4ピースバンド。エモエモなエモロックバンド──になる予定。
- ハイエンド機材を買ってはローンを残して売却し野草食って暮らすベーシスト
- バンドの広報用アカウントを私物化して美容情報を発信しまくるボーカル
- 車校でアクセルとブレーキをペダルに見立てて暴走するドラム
- 武者震いの振動を利用して高速フルピッキングをするリードギター
……と個性派ぞろいの集団である。
結成したばかりのバンドだが、同バンドのリーダーである伊地知虹夏の”夢”もあってプロを志向しており、放課後は練習用スタジオで日々練習に励んでいる。ライブでは基本的にオリジナル曲を演奏している。
主に作曲はベースの山田リョウが、作詞はリードギターの後藤ひとりが担当しているが、作詞担当のひとりが青春キラキラリリックにアレルギーを持っているため、バンドの歌詞はどれも暗めなものになっている。
なお、虹夏とリョウは下北沢高校に、ひとりとボーカル担当の喜多郁代は秀華高校にそれぞれ通っている。
まだ無名のためライブの資金繰りには苦労しており、メンバー全員が拠点である「STARRY」でアルバイトしてノルマに充てている。また、物販では単なる配線用の“結束バンド”を「リストバンド」と表記し、色違いも含めてぼったくりまがいの価格で販売している。
バンド名はひとりの加入以前に何かのノリで決まったものらしく、気に入っている様子のリョウに対して虹夏が「絶対変える」と訴えていたことから、なんとなく経緯を察せられる。
結成当初はバンド名に反して結束力はなかったものの、
ロックフェス「未確認ライオット」に参加したあたりから各々が切磋琢磨し、より結束を強めていく。
来歴
発足~デビュー
元々は「ざ・はむきたす」というバンドに所属していたリョウが、メンバーとの考え方の相違から脱退後、虹夏に誘われて結成した。
そののち、リョウの追っかけをしていた郁代をギターとして迎え、5月のステージ出演を目指していたものの、とある事情からステージ直前になって郁代が逃亡。
彼女の代わりを探していた虹夏が、ギターを背負ってうろついていたひとりを発見して半ば押し切る形で代理出演を依頼し、そのままメンバーとして迎え入れる。
のちにギターボーカル増員のため、経緯を知らないままにひとりが郁代を勧誘。
バンドへの不義理をはたらいた後ろめたさを口にする郁代が、ギター担当として努力していたことを察したひとりの説得もあって改めて加入し、最終的には4人体制に落ち着いた。
「STARRY」の店長である伊地知星歌に課されたオーディションをオリジナル曲を引っ提げて通過したのち、3ヶ月の練習期間を経て、台風の直撃した8月にバンドとしてのデビューを飾る(アニメ版ではチケットに8月14日の日付が入っている)。
「未確認ライオット」への挑戦
「STARRY」の常連を相手にしたライブ活動にも馴れてきた結束バンドであったが、ある日そこにフリーライターのぽいずん♡やみが訪れる。
ひとりがギターヒーローであることに気付き絶賛するぽいずん♡やみ。しかし同時に、結束バンドに対しては「ガチじゃない」「本気でプロを目指してるバンドに見えない」と辛辣な評価を下し去っていく。
その言葉を受けた結束バンドは10代アーティスト限定のロックフェス「未確認ライオット」への出場を決意。
今までとは違うより多くの観客を相手にし、さらにほかのバンドたちと争うなかで新たな壁にぶつかることになる結束バンドの面々であったが、それでも壁をひとつひとつ乗り越え大きく成長していく。
デモ審査、ウェブ投票を勝ち抜き東京会場でのライブ審査に出場。「SIDEROS」と「ケモノリア」という有力バンドが会場を圧倒するなかでもくじけず、大きな存在感を発揮するも、善戦むなしく敗退する。
ただし、ライブ審査を受けたことによってレーベル「ストレイビート」のスカウトを受けて所属するという成果を得た。
メンバー
けつばんちゃん
リョウが生み出した結束バンドのマスコットキャラクター(画像左)。
首を結束バンドで絞められた餓死寸前の謎生物で、投げ銭が一万円貯まるごとに餌が与えられて元気になっていくという阿漕(あこぎ)な設定。
のちに虹夏によってステッカーが作られたが、当のリョウはその存在を忘れており「そんなよくわからないキャラ貼りたくない」と言って虹夏を怒らせている。
楽曲
2022年10月から放映されたTVアニメシリーズでは、音楽ディレクターの岡村弦、メインの編曲担当を務めた三井律郎らを中心として、現役バンドのメンバーらが書き下ろした楽曲を4ピースのバンドサウンドに統一していくという手法が取られている。
楽曲のなかには超高校級のテクニックも見え隠れするが、これは若手のバンドマンを取り巻く環境の変化を踏まえて、編曲の際にあえて残された部分もあるとのこと。
LIVEシーンではバンドの状況に合わせた劇中仕様の演奏も用意されており、特に顕著な例を挙げると、『星座になれたら』などはひとりが文化祭で弾いた劇中のアドリブ版と、アルバムに収録されている本来の譜面どおりのギターソロの2パターンが存在する。
11月6日にはフルアルバム『結束バンド』を発売がアナウンスされ、12月28日に発売(後述)。
TVアニメシリーズの放映終了から5ヶ月、2023年5月21日に Zepp Haneda にてLIVEイベント「結束バンドLIVE-恒星-」を開催(バンドメンバー)。作者からも現地の様子が報告されている。同イベントではニューシングルとして『光の中へ / 青い春と西の空』も披露され、『光の中へ』のリリックビデオも公開された。
2024年には「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!」が前後編で公開され、前編「 Re: 」の主題歌として書き下ろされた『月並みに輝け』『今、僕、アンダーグラウンドから』のうち前者のリリックビデオが、公開日(6/7)直後の“ロックの日”に投稿された。
関連動画
【LIVE映像】
「ギターと孤独と蒼い惑星」LIVE at STARRY
「あのバンド」LIVE at STARRY
「忘れてやらない」LIVE at 秀華祭
「星座になれたら」LIVE at 秀華祭
ぼっち・ざ・ろっく!-SPECIAL STUDIO LIVE-
Vo: 長谷川育美 / Guitar: 音羽-otoha-
Guitar: 三井律郎 / Drums: 比田井修 / Bass: 高間有一
「フラッシュバッカー」
ぼっち・ざ・ろっく!-SPECIAL STUDIO LIVE-
Vo: 長谷川育美 / Guitar: 音羽-otoha-
Guitar: 三井律郎 / Drums: 比田井修 / Bass: 高間有一
from『結束バンドLIVE-恒星-』
「あのバンド」
from『結束バンドLIVE-恒星-』
【OP・ED・PV映像】
Distortion!!
なにが悪い
フラッシュバッカー
【Lyric Video】
忘れてやらない
光の中へ
月並みに輝け
ドッペルゲンガー
以下、作中に名前のみ出てきた楽曲
グルーミーグッドバイ
1977
評価・反響
アニメ終了後の12月28日に、楽曲をまとめたアルバム『結束バンド』が発売になった。
売れ行きは好調で、なんと初週73,244枚を売り上げ、Billboard JAPAN週間アルバム・セールス・チャートで首位を獲得。さらにダウンロード数でも15,190DLで1位を記録し、2冠を達成した。日本だけでなく海外でも評価が高く、iTunes全世界デイリーアルバムチャートでは10位に食い込んでいる。
これにより、作中ではあくまで「デビューを目指す無名の学生バンド」であるはずの結束バンドが、外の世界でいきなりトップを獲得するというとんでもない事態になってしまった。
作者もこれには驚かされたらしく、「後藤ひとりもう余裕で中退できるじゃん」とツイートしている。
- 『ぼっち・ざ・ろっく!』通して届けるギターロックの煌めき - Real Sound(2022年12月20日)
- 超一流かつ新鮮な邦楽ロックの傑作 劇中バンドのファーストアルバム - Mikiki(評者による追記)(2022年12月28日)
- 三井律郎と岡村弦が語る、結束バンドの音楽 - Rolling Stone Japan(2023年5月20日)
- 「光の中へ」アーティストコメント:藤森元生(2023年5月21日)
- SAKANAMON「光の中へfeat.田辺由明(マカロニえんぴつ)」MV(2023年7月25日)
企業案件
2023年7月には日本コカ・コーラ社のミネラルウォーター「い・ろ・は・す」との企業コラボが舞い込み、コラボグッズの抽選企画などTwitterでのキャンペーンを展開。
「い・ろ・は・す」公式アカウントからは「大人気ガールズバンド」と紹介され、ボイスメッセージも収録されている他、アニメ本編の素材に「い・ろ・は・す」関連の新規カットを交えたコラボ動画も公開されている。テーマソングは「忘れてやらない」。
(スタッフ一覧)
「閃光ライオット」出演
「未確認ライオット」のモデルとなっているティーンネイジロックフェス「閃光ライオット」2023年のファイナルステージ、Zepp DiverCityでのオープニングアクトに出演。お馴染みの三井、高間、比田井に加えて、「ギターヒーローへの道」で目覚ましい成長を見せたひとり役・青山がギターボーカルとして参加している。
関連イラスト
関連タグ
ASIAN KUNG-FU GENERATION:メンバーの名前と担当楽器の由来。