伊地知虹夏
いじちにじか
「でも私確信したの! ぼっちちゃんがいれば夢をかなえられるって!」
『ぼっち・ざ・ろっく!』の登場人物。結束バンドのリーダー兼ドラム(と自他共にスベることに定評があるMC)担当。好きな音楽はメロコアやジャパニーズパンク。
下北沢高校に通う2年生(初登場時)で、バンド内では山田リョウと並んで年上組だが、身長は4人のなかで一番低い。
金髪でサイドテールに結っている。かなりの長髪で、アニメを見る限り後藤ひとりよりも長い模様(ひとりは床屋に行けないから長いと理由付けがされているが、虹夏側に関しては特に理由付けはされていない)。また、体のどこかしらにいつも水玉模様の赤いリボンを着けている。
頭頂部の三角定規のようなアホ毛はしばしば頭を離れて浮遊している(ように見える)。このアホ毛はネット上でドリトスと呼ばれるようになり、MAD動画やゲームまで作られ、そのうちに原作者やアニメスタッフにまでドリトス呼ばわりされるようになって半ば公式化した。
作中で芳文大学に合格し、下北沢高校卒業後は芳文大学に通う事となる。
明るく元気なムードメーカーで、ほかのメンバーのツッコミやフォローに回る常識人。「結束バンド」という冗談みたいなバンド名には否定的だが、最も“バンドの結束”を大切に思っている節がある。
中学時代からバンドの経験はあり(ドラムに触り始めたのは小学生のころから)、親友のリョウが所属していたバンドを脱退した際に、音楽との向き合い方について思い悩んでいた彼女を勧誘して「結束バンド」を立ち上げた。
後に加入したギター担当の喜多郁代が初ライブ直前に音信不通になってしまい、臨時のギタリストを探すべく下北沢を東奔西走していたところ、公園で悲嘆に暮れていた野生のギター少女・後藤ひとりを発見し、出演交渉を拒否しないことを「同意」と見なして拠点であるライブハウス「STARRY」へと連れ帰る。
また、ひとりを通じて戻ってきた郁代を改めて迎え入れ、自身の夢であったバンド「結束バンド」を本格始動させる。
バンドの在り方を巡ってメンバーと仲違いした経験を持つリョウに“バンドの楽しさ”を思い出させたり、「もう学校行きたくない」とネットの世界に引きこもろうとしていたひとりを引っ張り込んで“変わるきっかけ”を作ったり、結束バンドから一度逃げ出した郁代を責めるどころか心配しながら、自責の念と自己嫌悪に苛まれながら戻ってきた彼女を温かく迎え入れたり……と、ほかのメンバーをドン底の精神状態から救い出しており、結果的に「『結束バンド』の結束の要」のような立ち位置を占める人物である。
アニメでは、ひとりの重度の陰キャっぷりを否定・拒絶せず、ちょっとした精神的成長を褒めて伸ばしたり、細やかなフォローを欠かさなかったりと、鈴代氏の好演もあって優しく温かい……ともすれば母性的とも取れる人柄や、朝早くに起きて手際良くお弁当を作るシーンが描かれており、読者・視聴者からは「天使」との呼び声が高い(※1)。
原作でも、姉・伊地知星歌の元同僚である楽器店の店員から「御茶ノ水の魔王」と呼ばれた姉との対比として、「下北沢の大天使」と名づけられている。
一部ファンからは「ママ」とも呼ばれているようなのだが、作者も「単行本3巻からはそういうキャラになっている」と発言しているので、ある意味公式である。
一方ではドライな側面もあり、幼馴染のリョウに対しては容赦なくツッコミを入れ、繰り返されるひとりの奇行にもすぐに順応してさらりとスルーしてみせる(リョウや星歌への態度を見るに、好感度が辛辣度に比例しているのかもしれない)。
アパートに風呂が無いためシャワーを借りに来る廣井きくりには姉ともども塩対応している。特にベーシストという生き物を信用していない様子。
また結束バンドのメンバーでバーベキューを行ったときは、ほかのメンバーの焼き方や投入する具材の「なってない」ところを見て「お前ら全員箸止めろ!!」「闇BBQじゃねえんだぞ!!」と吠えるなど、興奮するとかなり言葉遣いが汚くなる。
さらにリョウに対しては殴る、プロレス技をかける、ドラムスティックを頭に突き刺し流血させるというロックなツッコミも見せるなど姉の影響をしっかり受けており、ただの「天使」「ママ」ではない側面を見せている。
アニメ一期の範囲にはこうした要素が殆ど無い(リョウへのツッコミも冷静なものに落ち着いている)ため、もし二期が制作・放送された際はアニメから入ったファンに引かれないか原作読者から心配されている。
こうしたしっかり者としての要素が前面に出ているものの、実は本質的には寂しがり屋で甘えん坊なところがあり、特に姉に対しては少しシスコン気味。精神的に限界が来ると「お姉ちゃんに会いたい」とつぶやきつつ顔面崩壊する。
STARRYの入っているマンションの3階の一室で姉と同居しており、家事全般を仕切っている。
自室は入り浸っているリョウの私物で埋め尽くされており、彼女のパーソナルスペースは実質的にベッドの上しかない。ただ、常に動き回っている暮らしぶりゆえ、自室はほとんど寝室としてしか使われていない可能性もある。
アニメでは7話で一度「今日のぼっちタイム、CMまたぐくらい長いねー」とサラッとメタ発言をしたことがある。
※1:「ひとりに対する細やかなフォロー」や「朝早くに起きて手際良くお弁当を作る」といったシーンはアニメオリジナルの描写。原作者からの要望で、虹夏というキャラクターを深掘りする目的で加えられたそうである。
マルチタスク
根っからの陰キャであるひとり、筋金入りの変人であるリョウ、リョウのこととなると頭のネジが緩んだり外れたりする郁代……と、変わり者ぞろいのメンバーに囲まれながら、もっとも常識的でバランスの取れた思考の持ち主。
周囲からは結束バンドのリーダー格として認識されている。一方ほかのメンバーのように作詞・作曲・編曲には参加していないため、一部の人々から「暇なのでは?」と侮(あなど)られているのを気にしている。
ひとりやリョウがそろいもそろって女子力が低いなかで、家政をこなし料理上手で何かと器用。結束バンドのロゴ作成や、動画の編集なども手がけるなどデザインセンスにも明るく、バンドTシャツをはじめとするグッズのデザイン・開発もほぼ彼女が手がけている。ライブへの参加申し込みや資金管理といった事務作業も担当しており、文字通りバンドの中核を担う人物。
進学校に通っているにもかかわらず、家事に加えてバンドの練習やSTARRYでのバイトに時間を割くことに教師陣が文句を言えないほど成績優秀。
ドライな校風にあって学外での活動にかまけていながら学業でも結果を出す優等生という“少し浮いた”存在であるらしく、教師たちからはあまりよく思われていない様子。
ただ、本人はあまりそのことを気にしていない。
将来のために進学を考えたり、バンド活動のために率先して自動車教習所に通ったりと、ほかのメンバーとは一線を画すマルチタスクを行なっており、何かと入れ込みすぎてピーキーな性格のメンバーのフォローに事欠かない。
これほど活動的な彼女自身もどちらかと言えばオタク気質なインドア派であり、ひとりほどではないにしろ、極端なパリピや陽キャオーラは苦手としており、観光などにもあまり興味がない。
ギターヒーロー
動画投稿サイトで活動する“ブラック・ビューティー”使いの女子高生ギタリスト「ギターヒーロー」をリスペクトしており、
ひとりもカバー曲を投稿していることを知った際には、話の流れで「一緒に演奏してみたい」と憧れを口にしていた。
後に結束バンドの初ライブでひとりが見せた超高校級の演奏を目の当たりにし、彼女こそ「ギターヒーロー」その人だと確信。信頼と期待を託すように、自身が結束バンドにかける思いを打ち明けている。
ひとりにとっても“バンド結成”という悲願を叶えてくれた結束バンドは譲れない場所となっており、虹夏に“バンドでやりたいこと”を問われた際には、「ギタリストとして最高のバンドにする」という決意(と、あわよくば成功して学校中退)を返している。
9歳のときに母親を交通事故で失い、父親も家庭をあまり顧みずほぼ不在だったため、姉の星歌を唯一の家族として育った。
母親の存命時から、当時は売れっ子のバンドマンとして鳴らしていた星歌が家になかなか帰らなかったこともあり、大好きな姉を取られたような気分で、バンドが嫌いだったらしい。
そして、母親が交通事故で亡くなると、星歌は現実逃避するようにさらにバンド活動にのめり込むようになり、家に帰ることもほぼ無くなった。そのこともあって、一時は母親の死のショックと孤独から不登校になるまで精神的に追い詰められていたが、立ち直るきっかけになればと、星歌に連れられてライブハウスを訪れ、そこで歌う姉の姿を見てバンドに憧れるようになる。
星歌もそのような虹夏の姿を見ていたために、
バンドを辞めてライブハウス「STARRY」を始めた。
「お姉ちゃんが私の為に作ってくれた場所」に強い思い入れを抱く虹夏は、姉の分まで人気のあるバンドになり「STARRY」をもっと有名にすることが自分の夢だと語っている。
なお、星歌と同じギターではなくドラムを選んだのは
「音がでけードラムが気に入った」から、とのこと。
『ぼっち・ざ・ろっく!』参戦イベント「ぼっち・ざ・路上ライブツアー」にて、配布キャラ(★4・そうりょ(水属性))として実装された。
忍・千夜同様に「味方1人の狙われ率アップ」効果を持つクラススキルの持ち主。
とっておきは「味方全体を中回復+味方全体の「こりつ(交代ができなくなる。サポートキャラとも交代できない)回復+味方全体のスキルのリキャストを少し減らす」という、★4でも破格の物である。
専用ぶきにしか狙われ率アップ効果を持つスキルがなく、自分のクラススキルで「こりつ」状態になるナイトや、自分のクラススキル・とっておきで自分のスキルのリキャストを増やすアルケミストといった一癖ある仲間たちをフォローできる、頼れる存在と言えよう。
そんなスペックのクリエメイトを配布キャラとして出してくることから想像はついただろうが、『きららファンタジア』は「ぼっち・ざ・路上ライブツアー」開催約1か月後の11月4日、翌年2月28日にサービス終了する事を発表した。
すなわち「きららファンタジア」最後の配布キャラということとなる。
サービス終了発表に伴い、11月7日のアップデートでトレードショップで交換できるようになった。
作者によると初期設定では「明るく元気でおバカな賑やかし役」を想定していたらしい。
ところが連載がスタートすると、山田リョウがボケ役とバカ役を率先して引き受けてしまい、結果として真面目で常識人役をやらざるを得なくなり、現在の虹夏ができあがったそうである。
『ぼっち・ざ・らじお!』第17回の作者コメントによると、『虹夏は原作では分かりやすい属性が無いので、私自身かなり悩んでいたキャラクターでした』とのこと。ところが、鈴代氏の声が付いたことで、その悩みが吹っ飛び、より生き生きと描写できるようになったと語っている。
また、虹夏に対するファンの『ママ』『天使』という声は作者にも届いており、アニメ化によってキャラクター性がより鮮明になったキャラと言えるのではないだろうか。
制服姿
制服&パーカー姿
ライブTシャツ姿
メイド服(秀華高校文化祭)
ぼっち・ざ・ろっく! ぼっち・ざ・ろっく!(アニメ) まんがタイムきららMAX
伊地知潔:名前の元ネタである人物。
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