「まあ、どこに行こうが、何をしようが、お前がどんだけ腹黒かろうが、俺が見捨てずについててやるからよ。心配すんなや」
概要
北領風巻郷出身の平民。「空棺の烏」から登場。
山内衆を目指して入峰した勁草院で雪哉と市柳と同室となり、親しくなる。明留、千早とも同窓。
非常に大柄だが、温和な顔立ちの青年で熊から獰猛な部分を全て抜き取ったような雰囲気と形容されている。
包容力のある人格者で、雪哉が呼び始めた「茂さん」という愛称が浸透して、皆のまとめ役的存在となる。
腕っ節自体も強く、卒業時は第三席の成績を収めた。
人物
懐が広く、立場や身分に囚われずに人を思いやれる心優しい性格。
弟妹を抱えた大家族の長男として暮らしていたが、故郷の佐座木が猿に襲われ、外れの一家が喰い殺された現場を目撃。将来的に故郷を守っていくため、勁草院の入峰を決意した。
同じく故郷を大切に思う雪哉とは、目的の一致から早々に意気投合しており、勁草院での生活を通して自他共に認める親友となった。
朴訥とした喋り方ながら聡明で、誰に対しても目線を合わせて対話するため、先輩にあたる市柳や周りから敬遠されていた明留、社交性に欠けていた千早等とも打ち解け、皆の橋渡し役を果たしている。
雪哉の事情を把握していないながらも、彼が重荷を背負っていることは察しており、冷血漢に徹しようとする雪哉を諌めたり、箍が外れがちな部分を「お前のためにならない」と指摘して抑えている。
周りからの制止をのらりくらりと躱していた雪哉の方も、茂丸の忠言に対しては素直に聞き入れるほどの親密な関係を築いていた。