概要
演:松山ケンイチ(ドラマ版)
長野県松本市出身。左目に生まれつき醜い傷がある。(ドラマ版では父親の暴力によりできた傷になっている。)
もともとは短身痩躯だったが、三枝子を殺害してから少し肥満している。八重歯がある。
口癖は「〜ズラ」。
酒と女に溺れる父と、病弱な母のもとで育てられ、貧しい幼少期を送る。醜い風采ゆえに周囲からバケモノ呼ばわりされ、容姿や家庭の事情を蔑まれた思い出しかなかった。
それでも自分に優しく接してくれていた母が、病気の治療費が払えずに死んだ事で「銭が無いから母は死んだ」「世の中銭が力、全てである」と信じ始め、「銭のためなら何でもやる」=銭ゲバとして行動を始める。
母の死後盗みに走った風太郎を止めようとした青年を殺害してしまい故郷を離れ上京することとなる。
その後大昭物産の社長の車にわざとぶつかり、運転手だった新星を殺害して住み込みの運転手として潜り込む。
そして次女の正美と結婚をした夜に社長を殺害して三枝子をレイプ、2人もろとも屋敷に火を放ち大昭物産の社長の座を手にする。
その後は正美を自殺に追い込み、数々の殺人を繰り返す。やがては代議士である神清行に薦められたこともあり、県知事選挙に出馬、当選した。
しかしその後新聞社から「人間の幸福について」という特集で執筆を依頼された際は、当然ながら普段の「銭さえあれば幸福」という内容で筆を取ろうとしたものの、無意識に頭の中では「銭では買えない」ごく平凡の幸福な家庭を夢想していた(その妄想の中で三枝子と結婚して子供を育てていた)。
一番気付いてはいけない事に気付いてしまった風太郎は発作的に机の引き出しに隠していた拳銃で自殺を図り、机に倒れた風太郎と作者の痛烈なメッセージで物語は幕を下ろす。
ちなみにドラマ版では「自分の考えが間違っていなかったこと」を理由に自分が幼少期過ごした海辺の小屋でダイナマイトに火を点けて上記の幸せな妄想をして自殺している。「この腐った世界で平気なツラしてへらへら生きているやつらの方がよっぽど狂ってる。この世界に生きているやつらはみんな銭ゲバだ。」「そいでよきゃ、どうぞお幸せに。ただ、俺は死んでも俺みたいなやつは、次々に生まれてくるズラ。そこらじゅう、歩いてるんだぜ。銭ゲバは。」という言葉を残して…。
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