概要
フルタイトルは『裏切られた自由:フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症』。
上・下巻があり、英題は「Freedom Betrayed: Herbert Hoover's Secret History of the Second World War and Its Aftermath」。
アメリカ合衆国の第31代大統領であるハーバート・フーバーによる、第二次世界大戦における自身の体験を20年かけて検証して記した回顧録であり、900ページ以上に及ぶ大著である。編集は、フーバー研究の第一人者として知られるジョージ・H・ナッシュ歴史学博士が行っている。
大統領が母校であるスタンフォード大学に創設した、公共政策シンクタンク「フーヴァー戦争・革命・平和研究所(フーバー研究所)」によって2011年に刊行された。
そこには第二次大戦において、隠されていた歴史の真実が非常に詳しく書かれており、大統領が母校であるスタンフォード大学に創設した、公共政策シンクタンク「フーヴァー戦争・革命・平和研究所(フーバー研究所)」によって2011年に刊行され、そうされるやいなやその衝撃的な内容が世界中に渡って大きな話題を呼び、『第一級史料』に指定された。
日本においてもそれから6年後の2017年にようやく日本語翻訳版が刊行され、日本人のそれまでの歴史観に大きな衝撃を与える内容から日本でも話題となっており、著名人の間では「第二次大戦について論ずる全ての人の必読の書」とまで呼ばれている。
詳細
フーバー大統領は、本書の中において次のような主張を極めて実証的に展開している。その内容は驚くべきことに、戦後日本に蔓延した東京裁判(極東国際軍事裁判)の判決を鵜呑みにした東京裁判史観、更には戦後世界で蔓延した「『正義の連合国』対『邪悪な全体主義国』」という従来の構図を真っ向から否定したものであり、当時さまざまな情報にアクセスすることができたアメリカの最高権力者の一人が著者であることもあり、信憑性が非常に高いものでもある。
大統領のおおまかな主張
- 日米戦争は、時のアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトが、日本に向けて仕掛けたものであり、日本の侵略が原因ではない。
- 1941(昭和16)年の日米交渉では、ルーズベルトは日本側の妥協を受け入れる意図は、初めから全くなかった。日本側の誠実な和平への努力は実らなかった。
- アメリカは1945(昭和20)年に、原爆を投下せずに日本を降伏させることが出来た。原爆投下の罪は、重くアメリカ国民の上にのしかかっている。
関連書籍
- ルーズベルトの開戦責任(著:ハミルトン:フィッシュ 出:草思社・文庫)
- 日米戦争を起こしたのは誰か:ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず(著:藤井厳喜・稲村公望・茂木弘道 出:勉誠出版)
- 誰が第二次世界大戦を起こしたのか:フーバー大統領『裏切られた自由』を読み解く(著:渡辺惣樹 出:草思社)