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都市ガス

としがす

ガス事業者から道路の下のガス導管を通じて供給される天然ガス。主に都市部で使用される。
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概要編集

大型のガスホルダー(ガスタンク)からガス導管を通じて主に都市部の需要者に供給される天然ガス。地域独占供給を行うガス事業者と契約した家庭施設に供給される。いわゆるライフラインの一つであり、都市ガスの価格は「公共料金」と位置づけられるため、比較的安価で安定している。


ガス管を敷設する必要があることから人口密度の低い田舎では普及しておらず、主にガスボンベから供給されるLPガス(いわゆるプロパンガス)が用いられている。ただし、日本の場合、冬期の寒さが厳しく降雪量の多い地域では、戦後の早期に都市ガスが敷設された地方都市もある。


都市ガスの原料編集

都市ガスと一口に言うものの、供給されるガスには複数の原料がある。当初、鉄工所や発電所などの石炭排ガスから可燃成分を分離したもの、同様に石油精製施設で出た余剰ガスなどを原料として始まり、後にはじめからそれを目的として石炭を燻炭して出たガスを使用したもの、プロパンガスを熱量調整設備で薄めたもの、そして現在主流の天然ガスがある。

近年は、サトウキビや下水処理場の活性汚泥などを利用して、気密性の高い発酵槽(タンク)で生成する「バイオガス」も注目されている。


都市ガスの種類編集

上記の通りガス事業者ごとに原料が違ったため、都市ガスには種類があり、世界規模でほぼ統一されているプロパンガスと異なり、引っ越しなどで都市ガス地区から都市ガス地区に移っても、ガス種が異なり、所有しているガス器具は熱量変更改造を受けなければ使えなくなるという場合もあった。


都市ガスの種類は、旧計量法の立方メートルあたりの熱量(カロリー)を元にした熱量数字と、燃焼速度を表すA,B,Cのアルファベット記号を組み合わせて表示された。

熱量数字は3~6と12,13がある。

燃焼速度はAが最も早く、アセチレン系やナフサなどの軽質油ガス、Bがブタン・プロパンなどの中質油ガス、Cが石炭ガスや重質油ガス、の順に遅くなる。

熱量の方は低い数字の機器に高い数字のものが供給されると過熱事故の危険性が高くなる。燃焼速度は、Aの機器に低速ガスを入れるとバーナーから火があふれるリフティング燃焼となり危険であるが、逆の場合は更に危険でバーナーの内部に炎が入り込み爆発する可能性が高い。


なお、現在の日本では供給力や後述の毒性の問題もあり、主に天然ガス由来のメタンを原料とした13Aが主流であり、それよりわずかに熱量の低い12Aが供給されている地区があるのみで、燃焼機器本体についてはほぼ統一されている。


ただし、12A・13Aが全て天然ガス由来の主成分というわけではない(無毒性であることはJISで定められているため統一されている)。要注意なのはプロパンガスを熱量調整した簡易都市ガス(L13A)を供給されている地区で、この地域では付帯設備がプロパンガス仕様である必要がある(ガスホースはオレンジのプロパンガス仕様、ガス警報器はガスの比重は通常の13Aは空気より軽いため高い位置に取り付けるが、L13A地区では空気より重いので床面近くに取り付ける必要がある)。


ちなみに通常のプロパンガスを都市ガス風に記号付すると21Bとなり※、都市ガス機器にボンベ仕様のプロパンガスを供給すると非常に愉快なことになるのでダメ。ゼッタイ。


※熱量数字の時点で㎥当たりの熱量が1.6~1.75倍はある。なので、同一系列のLPG仕様は都市ガス仕様の器具よりガスの吐出量を6割方に絞って発熱量を揃えている。


関連タグ編集

東京ガス 大阪ガス 北海道ガス

プロパンガス

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