概要
東方Projectに登場する稗田阿求の髪型の描き方にまつわるタグの一つで、阿求の髪が長い様子を描いた作品に用いられるタグ。
阿求は「幺樂団の歴史」での初登場の際(ZUNによるデザイン)はその髪は肩ほどまでの長さであり、『東方求聞史紀』及び『東方香霖堂』挿絵(唖采弦二によるデザイン。カバー折り返し裏)では横髪は胸元ほどまで、後ろ髪も同等程度までの長さである様子が描かれている。『東方鈴奈庵』(春河もえによるデザイン)では肩付近までの長さである。
その質感もなめらかなストレートが強かったりやわらかなウェーブが強かったりとデザインごとに個性がある。
前髪については『求聞史紀』では自然に流れているが『鈴奈庵』では瞳の上付近で真横に切りそろえられている。「幺樂団の歴史」では切りそろえられて(例えば「幺樂団の歴史4」)いたり自然な流れ(例えば「幺樂団の歴史2」)であったりと、様々。
ただし、いずれのデザインでも髪の自然な流れの状態では耳が隠れる長さである事が共通している。
なお「幺樂団の歴史」では髪色は紫を基調とした色合いであるが、『求聞史紀』では黒髪で描かれている。『鈴奈庵』ではより紫色の系統ながら青系統の色彩配合がより強い。
二次創作では
二次創作では阿求の様々なロングヘア姿が想像されており、毛先に至る髪の質感も様々である。原作を基調とする場合でも上記のように様々なデザインモデルがあり、その質感を考案する場合も含めそのアプローチは多様である。
また阿求は比較的幼い容姿で描かれる事があり、そこから阿求本人が「大人化」した様子を描くという作風もある。この際に「大人化」を象徴するものとしての「長髪阿求」が描かれる事もある。
「御阿礼の子」と髪型
二次創作における「長髪の阿求」に特徴的なストーリーとして、阿求がこれまで重ねてきた「御阿礼の子」としての歴史とその髪型を重ねるというものがある。
阿求は「阿求」に至るまで御阿礼の子として転生を重ねてきており、それぞれの人物像があったキャラクターである。一方で2015年9月現在では阿求を除く歴代の御阿礼の子の姿は原作では描かれておらず、そのため二次創作では各御阿礼の子たちも様々に想像されている。
そのデザインには阿求への連続性の観点から容姿などに共通点をみるものもあり、一方でそれぞれの個性を表現するものとして髪型の違いを見出すというアプローチがある。それは同時に髪型のイメージとキャラクター造形が一体となる事もあるなど「長髪」をはじめとした髪型がそれぞれの創作における「御阿礼の子」を端的に表現する要素ともなり得る。
そのアプローチのあり方は阿求自身にもフィードバックされるものであり、例えば阿求が「髪を伸ばす」ということが他の御阿礼の子の歴史を知るものの思い出を喚起させるものとなったり、あるいは阿求自身にとって髪を伸ばすということが特定の御阿礼の子に近づく意味を持つものであったりと、御阿礼の子の歴史とともにある阿求ならではの髪型との関わり方を見出す在り方もある。
「長髪阿求」は、そのデザイン性に加えストーリー性にも関わる事のある多角的な創作アプローチでもあるのである。