「部活終わるまで待っててくれないかな」
概要
乙女どもよ。におけるもう一人の主人公。
三浦加恋の高校からのクラスメイトの男子生徒。
特徴
家が寺になっているというこれまた他のキャラクターとは一線を画した異例の男。
姉の子ども二人の男の子・彰と女の子・柑奈の面倒を押し付けられがちな苦労人でもある。
野球を好んでいる青年で、野球部に所属している。
小学生の頃から野球を嗜んできたというのもあってか腕前はかなりのものであり、相当な実力者でもある。
事実恵の友人の大川陽人は、「俺があのまま書道を続けてたら今ごろ書道部に入ってただろうし、おまえは俺という優秀なキャッチャーを失っていたんだぞ」と称しており、恵のカリスマに見入ってしまった人たちもかなり多いことがわかるだろう。
中学の頃、とある人物との書きおきの中で「Chiko With HoneyWorks」の綴りを間違えていることから、英語は不得意な模様(しかしこれが大きな伏線となる)
また女子からもモテているのだが、この部分が後述の悲劇を生み出すことになる。
乙女どもよ。
仲間男子との「誰が加恋に声をかけるか」という(割とどうでもいい)勝負に負け、加恋に「三浦さんってカノジョいるの?」と問いかける。
しかし加恋からは「そういうのキモい…」とあっさり一蹴されてしまった(長きにわたるHoneyWorksシリーズの中で明確に「キモい」と言われたのは後にも先にも彼のみだろう)。
その後、どうやら以前から加恋のことが気になっていたようで、彼女に告白するも、かつてのトラウマから目立つことを恐れていた加恋に「誰とも付き合う予定はないし、迷惑です」とはっきりと返答されてしまった(ちなみにこの際、彼は野球部の帽子を深く被り直しているのだが、どういった意味なのかは不明)。
告白を断られてからも「おはよう」と自分から挨拶をしていたが、次々と心の闇を大きくしていた加恋にその言葉は届かなかった。
そんな時に転機が訪れる。
加恋がかつての自分の若さゆえの過ちとも言える友人の言葉を思い出したことで、以前彼女がしていたポニーテールと赤リボンの姿でやってきた。
普段通りにおはようと声をかける恵だったが、その瞬間、彼女の笑顔での「おはよう…」に思わず赤面状態となってしまうのだった。
しかし、それは同時に恵と加恋の仲の良さに対する他の女子たちの嫉妬を招いてしまう。
がしかし、その女子たちはとある人物によって食い止められ、制裁を受けることになるのだが、それはまた別のお話。
その後は自身の所属する野球部の試合にて、加恋に上記の言葉をかけ、自身もそれに参加する。
試合が終わってから「少しかっこよかったかも」と言う加恋に自身の野球帽子を被せ、「見られてたから頑張った」と赤面しながらも返答する。
すると…
この先はネタバレを含みます。
「チコウィズハニーワークスって書けるようになった?」
「え、俺だって知ってたの!?」
そう、実は中学の頃に書きおきの会話をしていた人物こそ(恵本人は気づいていなかったが)中学生の加恋だったのである。
ちなみに、その時の回想として、中学生の頃の二人の出会いのきっかけとなった回想シーンが挿入され、二つのペンを持ちながらご満悦な様子の加恋と、それを遠くから見ていた恵、そしてお互いに通りすぎるシーンが新撮カットで描写されている。
これは恐らく『ハートの主張』におけるアリサと加恋が親友になるきっかけのシーンのオマージュではないかと思われるが、原典では加恋はこの時のシーンのように筆談で話していたわけではなく、加恋の髪型も下ろしておらずハートの主張でも付けていた黄色のリボンを付けている。
このため、「実はこのシーンはハートの主張よりも以前の出来事ではないか?」という説や「ハートの主張とは若干違った世界線の加恋なのでは?」という説も挙げられている(なお、この一連の描写から、わざわざ新撮映像を用意したのは、メタ的にはハートの主張公開当時はまだ隅田恵というキャラクターが存在していないという事情もあるためと思われる。実際はいじめが原因で人間不信となっていた加恋が唯一打ち込めたものと解釈できなくもないが)。
もちろん自分の事を知っていた加恋に対して恵が非常に驚いたのは言うまでもない。
醜い生き物
その後どうやら交際するようになったようであり、劇中では野球部の練習が終わってから教室に残っていた加恋と共に手を繋ぎながら帰るシーンがある。
その裏で謎の人物と加恋の愛憎に狂いまくった一騒動が行われていたことを知らずに…
決戦スピリット
PV内にて彼らしき人物が登場し、バットを思いっきり振っていた。
ちなみに、PVでは同じくボールの部活に入っている榎本虎太朗が登場しており、(間接的に)共演しているのだが、虎太朗の登場シーンが大嫌いなはずだった。のシーンの流用であるのに対し、恵の場合は前述した通り新撮カットでの登場という相違点がある。
ハートの誓い
加恋主役のこの回でも当然のごとく登場。
ここでの描写から、過去の加恋の事情が初めて恵に明かされたと考えられる。
辛く苦しかった過去を話す加恋の姿は、恵の目にどう写っていたのだろうか…。
そして、本作ではあの柴崎健との共演も実現している。
リベンジゲーム
2022年11月7日、ついに主役として登場する。
まだ恵が二年生として試合に出ていた(少なくとも描写的に乙女どもよ。からそこまで経っていないとは思われる)頃のこと。
1対0というあと少しで勝てる状況だったところ、相手の逆転を許すという大失態をやらかしてしまう。
それに対して悔しさのあまり涙を流すも、とある先輩からは「気にするな、胸張れ」と悔しさを力に変えるよう諭された。
しかし、このことが相当なトラウマとなって根付いてしまったのか、*/勝手に変化球を投げて仲間たちから叱責されたり、ついには加恋からもボールを投げる際に怖い顔になるのはわざとかと聞かれたりなど、最悪すぎる局面に立たされる羽目になってしまう。
そんな中で先輩から「お前逃げてねぇか」「お前の武器は馬鹿みたいに球威のあるストレートだ」「馬鹿は馬鹿正直にそれだけ磨け!」と渇を入れられる。
そして遂に迎えた決勝戦。
恵は仲間たちと共に次々と猛攻を浴びせていくが、そんななかで恵はスライディングをした際に足に猛烈なダメージを負うという最悪の事態に襲われる。
そして、試合はあの日と同じ1対0という状況となった。
恵は足への激痛に襲われながらもそれを気合いで押し殺しながら、かつての敗北を乗り越えて二回のウルトラフォークを放ち、ストライク三振による勝利を掴んだ!
こうして恵は、過去のトラウマをも打ち破りながら、曲にもあるように『リベンジ』を果たすことができたのである。
元ネタ
『乙女どもよ。』の原点となる『ハートの主張』では、野球部に所属している男の子という設定のレギュラーキャラは出てこなかったため、発表の際にはファンの間で驚きの声が上がった。
上述の通り、加恋に片想いした事で、原典の『ハートの主張』で加恋を庇うもいじめられた人物に片想いした人物柴崎健を連想させる事になったのだが、「髪型を変えた人物が何かしらの形でいじめられる」という事実を省みると、実は恵こそが本当の意味でハートの主張での加恋の立ち位置を担っている人物と言っても過言ではなく、実際恵も加恋がいじめられるきっかけを作ってしまっていたりする。
原典との最大の違いは「失恋が原因で豹変した者」と「失恋が未経験の者」が同じ物語の舞台に立っているという点と、健の家庭環境が完全に崩壊(それも共に暮らている弟との仲すら危うい状態)している一方で、恵は家族関係が非常に良好な状態となっている点である。
そして、やはり真に柴崎健の立ち位置を担う者も『乙女どもよ。』の世界に存在していた。
余談
登場当初は名前が「隅田」しか明かされていなかったが小説にて判明した。
……のだが、『恵』という名前が覚えづらいのか、劇中の登場人物や視聴者たちからはもっぱら『隅田』としか呼ばれていないという謎の不遇な目にあってしまっている。なぜこんなことになってしまったんだ。
まあ、明確にフルネームがある分まだこの人とかこの人とかこの人よりはマシなのかもしれない。
そもそも名前の一部が明かされていないキャラクターというのは恵だけに限った話ではないため、それらを加味すれば恵はまだ優遇されている方である。
現時点では健との絡みは描写がされていなかったが、小説版「乙女どもよ。」では健と話す加恋の姿を恵が見かけるシーンがある。
そして、前述の通りハートの誓いではついに健との絡みも追加された。
またあまりにも共通点がありすぎるためか、一部の視聴者の中には、この先恵が大ピンチになった場合、健や後述の榎本虎太朗、山本幸大が助けに現れる展開を心待ちしているとの感想も少なくない。
中村千鶴の親父はどういうことなのか恵にそっくりである。ダリナンダアンタイッタイ。
実際、親父が登場した漫画版可愛くてごめん6話が公開された頃から早速ネタにされている。
関連タグ
柴崎健:恵の元ネタと思われる人物。実際、PVでは「初対面の際に首に手を置いている」「きつい言葉で拒絶される」「その後何度も話しかけるがあっさり懐柔される」「女子からモテる」などまるで健をリスペクトしているかのようなシーンが数多く存在している。そのため、現時点で一番共演を期待されている組み合わせでもある(ただし性格に関しては真逆であるため「そのうち対立するのでは?」とも言われているが)。また、健のあだ名「シバケン」をオマージュした「すみけい」というあだ名をつける者も(ただしシバケンと比べると若干語呂が悪い)。
榎本虎太朗:上述した健の友人。こちらも健や恵同様にとある女の子に片想いしているという共通点がある。また、恵が野球部であるのに対し虎太朗はサッカー部と、ボールを使った部活という共通点も。このため「恵やシバケンと共に新生おバカ三人組になれるかもしれない(幸大も含めれば四人組)」とネタにされている。ちなみに、恵は虎太朗と「決戦スピリット」にて間接的に共演している。
山本幸大:上記の虎太朗や健の友人。こちらもまた中学生の頃からとある人物に片想いしていたが、彼の場合は恵と違いそれが実ることなく終わってしまった。がしかし…
瀬戸口雛:上記の虎太朗の相方ポジションの人物。劇中では加恋の笑顔に赤面していた恵だが、彼女の笑顔を見たらあまりの可愛さに気絶するのでは?と一部でネタにされている。