巫女服、静寂、ふたりきり。
少女たちの青春がはじまる——。
概要
『電撃大王』(KADOKAWA)にて2020年2月号から連載されていたあらた伊里による漫画作品。2022年4月号で完結、全3巻。
ヤングコミック(少年画報社)にて連載されていた『とどのつまりの有頂天』(全2巻)のリニューアル版であり、作者曰く「前作は全体的にコミカルなのに対し、今作はしっとりした感じ」とのこと。
ストーリー
方言がコンプレックスな山田美古都と、仏頂面で周囲から恐れられている猫崎蓮。
人付き合いが苦手なふたりにとって、お互いだけが特別な友達で——。
登場人物
主要な人物
- 山田美古都(やまだ みこと)
京都の山奥から有頂天高校へやって来た少女。
自身の訛りへの気恥ずかしさから友達づくりに失敗し、さらに放課後は一人で学校の隅にある有頂天神社に足を運んでは実家の神社から持ってきた巫女装束を着てお茶を飲んで過ごすなど、入学から2ヶ月が経った今でも友達と呼べる人がいない。唯一の知り合いである猫崎の協力などもあり、新設された有頂天部の部長になったり、部員たちと少しずつ友好を深めたりしている。
元々は眼鏡っ娘(高校からコンタクトレンズデビュー)で、今でも自室ではたまに眼鏡をかけている。
- 猫崎蓮(ねこざき れん)
生徒会書記の少女。成績優秀。
美古都以外の前では、ツンとした表情や言動のせいで皆から少し距離を置かれ気味。美古都の巫女部設立には協力的で、放課後になると何かと理由を付けては美古都がいる有頂天神社を訪れていた。有頂天部設立後は、部長の美古都から大々的に(半ば告白に近い形で)顧問に指名される。
獅子丸からは「にゃんにゃん」と呼ばれている。
有頂天部
部活として成立させるため、「巫女部」「TOKYOファッション部」「ひきこもり部」「昭和歌謡レコード部」の4つが統合した部活。
部長は美古都、顧問は猫崎。
- 熊倉タクヤ(くまくら たくや)
TOKYOファッション部の少女。夜空とは同室で中学の頃から親友。
中学時代は入院していた時期があったりなど体は強いほうではないが、行動力やモチベーションは人一倍強い。
夜空からは「たっくん」と呼ばれている。
- 兎田夜空(うさぎだ よぞら)
ひきこもり部の万年寝袋少女。タクヤとは同室で中学の頃から親友。
優柔不断な性格で人見知りなためタクヤといることが多く、語尾は「〜」と伸びがち。基本的に、寝袋に包まれている。
- 辺銀律(ぺんぎん りつ)
昭和歌謡レコード部の青メッシュ少女。左利き。
見た目はボーイッシュで、誰に対しても敬語で話す。その読み方の通り「ペンギン」を連想してしまうため、名字で呼ばれることはあまり好きではないらしい。獅子丸とはよくいがみ合っているが決して仲が悪いわけではなく、一緒にレコードを見に行ったりなど仲は良い。
美古都からは「ぺんちゃん」と呼ばれている。
- 獅子丸愛梨(ししまる あいり)
辺銀と同じく昭和歌謡レコード部の少女。右利き。
辺銀のことを「クソ雑魚青メッシュ」と呼んだりと少々口は悪いが、美古都のサプライズ誕生日パーティーに協力したりなど友好的。ただし、美古都を利用して猫崎の弱みを握ろうとしたりなど、少し黒い部分も…。
美古都からは「まるちゃん」と呼ばれている。
生徒会役員
- 小林椿(こばやし つばき)
猫崎と同室で、同じ生徒会役員の少女。