CV:小野大輔
概要
『博多豚骨ラーメンズ』の登場人物。
苗字は初見だと「ばば」と読まれることが多いが、正確な読み方は「ばんば」。
博多で「馬場探偵事務所」を営む私立探偵。生まれも育ちも博多の九州男児。
豚骨ラーメンと明太子と野球が好き。いつも猫背で博多弁で喋る。
野球チームでの打順は三番で二塁手。
普段は温厚でおっとりしているが、野球と地元の事になると文句が増えたり口うるさくなる。
頭が切れよく物を考えて行動している。家事や片付けは苦手。
『百合の華には棘がある』の主人公である槙小百合はかつての恋人。
裏の顔
裏の顔は腕利きの殺し屋「にわか侍」。
仕事着として黒スーツに着替え、頭髪はオールバック、にわかの面で目元を覆い、日本刀で標的を次々に屠る様子から呼ばれている。なお、馬場は二代目であり、師匠にあたる先代から称号を引き継いだ。
異名は「殺し屋殺し」屋(ころしやごろしや)。これは、裏社会の人間の中でも同業者である殺し屋を主な標的としていたことに由来する。そのため、凄腕の殺し屋に狙われた人物から身辺警護を兼ねて雇われることもある。
ちなみに、依頼人と会話するときは意図的に標準語を話すようにしているが、これはカムフラージュというよりも「そのほうがカッコいいから」という馬場個人のこだわりである。
来歴
高校時代に男手一つで自分を育ててくれた父親を何者かに殺害され、自身も傷を負ったところを、先代「にわか侍」に救われる。その後、先代に無理やり弟子入りする形で裏社会に足を踏み入れ、父の仇討ちという目標を胸に秘めながら探偵業と殺し屋を続けてきた。
その過程で、裏稼業仲間と草野球チーム「博多豚骨ラーメンズ」を結成。仕事を介して知り合った林憲明を依頼料支払いのため助手として雇い事務所に居候させている。
本当の出自
殺害された父は血のつながりがない養父で(馬場自身、事件の捜査でDNA鑑定されるまで知らなかった)、これまで本当の出自は謎に包まれていた。しかし、養父を殺した犯人と接触した際、自分は依頼されただけ、その依頼人は馬場の血縁者であると語られる。その後の調査でその依頼人は殺人請負会社「マーダー・インク」の社長であると発覚した。
事の発端は馬場が産まれる前に遡る……
福岡に殺しの出張に来ていた社長は、あるホステスと恋仲になり、彼女は子供を身籠った。
しかし、偶然にも彼女は彼が殺し屋であると気づいてしまい、子供が裏社会と無縁の生活を送れるようにと、彼の元を去ってしまった。
その後彼女は男児を出産、顔と名前を変え、社長から逃げる為に船で海外へ逃亡した。その時に産まれた男児が馬場善治であり、逃亡を支援したのが馬場の養父である(養父の勤務先の水産会社は闇金の多重債務者を漁船で働かせるなど、裏社会と接点があった)。この時に養父に馬場を託し、自分を囮にして追手の目から馬場を逃したのである。
やがて社長は彼女と、彼女の逃亡に加担した者たち全てを憎むようになり、部下に全員の殺害を指示した。
(ちなみに先代「にわか侍」に助けられたのは偶然ではなく、母親の逃亡に加担した者達が次々と殺されたのに気づいた養父が護衛と犯人の殺害を依頼したから。)
生みの母、養父、そして先代「にわか侍」に、裏社会に関わらないようにと守られ、育てられ、忠告された馬場は結局裏社会に、皮肉にも実父と同じ殺し屋として、関わるようになってしまった。
そして社長は晩年、馬場にマーダー・インク社長の地位を譲ると遺言を遺し病没。
この事を聞いた馬場は当然「俺の父親は養父だけだ」「この会社を潰してやりたいくらいだ」と憤慨した。
最終章にて死亡する。
……と思われていたが、実際には生存していた。
しかし、自分の死を偽装するために右手を切断し、ある目的の為に別人になりすまして殺人犯として逮捕されてしまう。
その目的をはたす事には成功したが、その代償として馬場善治としてはこのまま死んだことにされ、殉職する危険性が高い非合法傭兵部隊の一員として暗躍することになった。
余談
右手を切断した上、これまでの人生を全て捨てて、今まで以上に過酷な世界へと進んでいったところで本作は完結したが、作者曰く犯罪を肯定しないためにもこれまで登場した犯罪者同様、彼らも代償を払わなければない、との事だった。
https://note.com/kisakichiaki/n/nf2c3467a4a7e