魔核(ひきこまり)
まかく
六国に6つ存在し、それぞれの国が所持している。正体は国家機密として扱われている。
魔力を無限に生み出し、無限に再生する力を持っている。魔泉に自身の血を流した者は魔核の恩恵の元で、怪我をしてもすぐに治り、死亡しても蘇ることができるようになる。
魔核にはそれぞれ効果範囲があり、その外に出てしまうと魔核による再生ができなくなる。また、魔核と同等の存在である神具による怪我は魔核では治癒できず、死亡すれば蘇ることはできない。
滅多なことでは人が死ぬことがなくなった六国では、各国の魔核の効果範囲が重なる場所を「核領域」とし、そこで国の力を誇示するためのエンタメ戦争を行っている。
以下、ネタバレ注意
ここまでが、六国で知られている第一世界・現世の魔核についての説明である。
その真の正体は、6つ全て集めることによって所有者の意志を世界に反映させて願いを叶えるアーティファクト。
大昔に神々によって作られたとされるが、出自についてはっきりしたことはわかっていない。
本来は星のようにキラキラした球体をしており、叶えられた願いによって形を変化させるらしい。
600年前、第一世界の繁栄を目的とした天文台の愚者たちは、第一世界と第二世界・常世をつなぐ扉を封印し、常世の魔力を現世に供給し続けるという願いを第一世界の魔核に込めていた。
これによって現在の六国では、魔力や魔法が使い放題になり、死んでも生き返ることができるようになった。
六国の魔核を傷つけることによって扉の封印が解けて常世へ行くことができるが、魔核の守護のために同じく封印されていた愚者が目を覚ますことになる。
正体が判明した順に記載する。
アルカの魔核
3巻で正体が判明。黄金の鞘に包まれた短剣。
アルカ王国の滅亡時に、国王だったネリア・カニンガムの父親が投獄前に噴水の中に隠したため、実はゲラ=アルカ共和国の大統領ゲラ・マッドハルトはアルカの魔核を掌握できていなかった。
六国大戦でマッドハルトが蒸発した後、解放された元アルカ王国国王が娘のネリアに託した。
天照楽土の魔核
4巻で正体が判明。「時習鈴」という名前の鈴。
アマツ・カクメイが従妹のアマツ・カルラの烈核解放・逆巻の玉響を封じるためにロネ・コルネリウスに作らせた神具は、魔核と同じ名前・形をしている。
天舞祭後、カルラの祖母のアマツ・カヤが新たに大神になったカルラに託した。
ムルナイト帝国の魔核
5巻で正体が判明。テラコマリ・ガンデスブラッドが母親のユーリン・ガンデスブラッドから託され、形見にしていたペンダント。
ムルナイト宮殿にて攻撃がペンダントに直撃したことで破損し、コマリ、ヴィルヘイズ、トリフォン・クロスの3人が常世へ飛ばされた。この時に愚者ララ・ダガーが目を覚ましたが、寝ぼけていたため本格的に活動を始めたのはかなり後になった。
吸血動乱後、正体を察したカルラが逆巻の玉響で修復した。
夭仙郷の魔核
7巻で正体が判明。「柳華刀」という名前の小刀。
実は600年前に既に壊れていたが、アイラン・リンズら愛蘭一族の娘たちが烈核解放・先王の導を発動することによって機能を維持してきた。同じ性質の烈核解放を発現させるために、一族の娘は幼少の頃から先王の導の初代の担い手と全く同じ環境で全く同じ趣味嗜好を持つように教育されていた。
歴代の先王の導の担い手たちは常に烈核解放を発動し意志力を消費し続けたことによって重病を患い、リンズも華燭戦争では病気の悪化により命を落としかけている。
華燭戦争後は、先王の導を解除して崩壊までの猶予の間にリンズが病気を完治させ、以降は一定期間先王の導を行使して、猶予が溜まったら解除してリンズの傷を回復させることを繰り返す方針を決めるが、想定よりも早く柳華刀が完全に崩壊してしまった。この時に紫禁宮に居た者たちは常世へ飛ばされ、愚者リウ・ルクシュミオが目を覚ました。
白極連邦の魔核
8巻で正体が判明。「氷花箏」という名前のオルゴール。連邦保安委員会のメンバーピトリナ・シェレーピナが管理している。
前述の柳華刀の崩壊により、常世へ飛ばされた六国の要人たちの捜索を行うために、書記長イグナート・クローンが正体を明かし、意図的に傷をつけてカルラたちを常世へ送った。この時に愚者ワドリャ・レスコーフが目を覚ました。