概要
「その着せ替え人形は恋をする」の劇中作「生徒会長はNo.1ホスト」(以下「生ホス」)の登場キャラクター。
容姿端麗で成績優秀、スポーツ万能な上に温厚で控えめな人柄から何かと頼りにされ、主人公の三島暦(以下「暦」)が通う女学校では生徒会長を務めている。
一方、両親を早くに亡くしており、兄は生活のためにホストクラブ『レインボーローズ』で働いていたのだが、たまたま店に寄った事がきっかけで男装して“レイ”という源氏名でホストをすることになり、女性ならではの細やかな気配りによって、今では店のNo.1ホストとなっている。女性でありながらもホストをしていることに不満を持つ同僚もいるが、“レイ”を求める客は女性であることを理解した上で「夢を見せてくれる存在」と彼女を認めている。
何かと頼りになる事から学校では「麗様」と呼ばれており、「生ホス」ファンの間での愛称にもなっている。
「お弁当のシーン」
暦と出会うきっかけとなったお弁当を、仕事終わりに作ってもらうシーンの麗のこと。ホスト時の服装だが、男装用のウィッグを外しているのが特徴。
麗にとって生徒会長もホストも「頼まれて行っている」だけなのだが、そんな麗が自分から暦に頼んだのが、仕事終わりのお弁当だった。
学校でもホストクラブでも常に気を張らなければいけない中で、暦と過ごす時間は「唯一自分をさらけ出せる時間」となっており、麗の内面が垣間見えることから、作中でも屈指の名場面となっている。
実写ドラマ版では
「生ホス」のドラマで麗を演じたのは、「着せ恋」世界の人気女優であるMICO(ミコ)。彼女自身も「生ホス」のファンで、麗に選ばれた際には、それまで伸ばしていたロングヘアを役作りのためにバッサリと切っている。(芸能事務所は悲鳴を上げた模様)
ホストを題材とした作品とあってイケメン男優が多数登場する中、彼女の熱演によって原作の漫画を読んでいない層からも麗の人気も集めている。
本編では
高校の文化祭にミスコンが開かれるにあたって、ミスコンのルールが「男子なら女装、女子なら男装」である事を知ると、海夢は「学校で堂々とコスプレが出来る」と喜んで参加を希望。そして、男装という指定から海夢が考えたコスキャラとして名前を挙げたのが麗であった。
ミスコンに勝てばクラスの出し物同士で行われる競争に加点されるとあって、本気に勝ちに行く方向でクラスも盛り上がる中、衣装を製作する五条新菜はある問題に気付く。それは、新菜たちのクラスも出店を出す準備もあり、新菜がそちらの仕事も担当すると、かつて新菜を疲弊させた黒江雫以上に時間が足りず、ミスコンまでにコスプレの衣装作りが間に合わない可能性が発覚。
互いに自分のキャパ以上の仕事を抱えようと考える新菜と海夢だったが、ここで助け舟を出してくれたのが、クラスメート達であった。クラスの手伝いも抱え込もうとした新菜の本音を引き出し、衣装作りに専念してもらえるように、出店準備の仕事を最低限にしてもらった。これまで疎遠だったクラスメートから本気の応援を受け、新菜はコスプレ衣装の準備に全力を注ぐことになる。
その後もクラスメート達は色々と助けになり、男らしく見える立ち位置やレインボーローズの造花作りと言う形で力になってくれた。
一方、クラスメート達も新菜や海夢が取り組むコスプレに興味を持っており、作中ではその技術や取り組む姿勢に度々驚きを見せていた。
そして文化祭当日には、「コスプレのメイク」がいかなるものか興味を持ったクラスメート達が、メイク会場で見学に現れる。
想定外の事態に緊張する新菜だったが、心配する海夢を見た時にこれまでの出来事が繋がり、麗を一番にすることを誇りに思う「生ホス」のキャラクター「紬十喜子」の心情を理解し、「自分の手で喜多川さんを一番にして見せる」と奮起。見守るクラスメート達が圧倒される気迫でメイクに臨んだ。
そして完成した「鴻上麗」は、あまりの完成度の高さに会場の女子が一斉に絶叫する程の出来栄えとなる。審査員(生徒会長で、彼女も麗様ファン)へのアピールも決まって、見事ミスコンで一位を獲得したのであった。
後日談
ミスコンの優勝に伴って、クラス間の総合成績も一位となったが、それ以上にミスコンで活躍した海夢と、完璧に仕上げた新菜に称賛の声が上がった。
新菜はこの出来事を通して、今まで自分とは遠う世界の人だと思っていたクラスメート達にも心を許すようになり、文化祭後の打ち上げにも参加している。
なお、ミスコン会場は撮影禁止だった上、すぐに片付けもあったことで、この時のコスプレ写真は残っていない。
後に海夢が麗のコスプレをしたことを知った涼香や都は、片や気絶、片や泣きながらの絶叫でコスプレを確認できないことを悔しがっていた。
