概要
ホストクラブは、男性従業員(ホスト)が女性客の隣に座って接待し、客に飲食をさせる飲酒店。
基本的なサービスは、ホストと飲食をともにしながらの歓談、給仕、カラオケなどである。性的サービスは許されていない。類似の業種に「メンズキャバクラ」がある。
客層は、会社経営者やOLや主婦、仕事帰りのキャバ嬢、風俗嬢などさまざま。時間帯によって客層や店の雰囲気が変わる。男性客のみでは入店できないが、女性客と同伴していれば入店可能場合もあるようだ。
かつては未成年を客として引き込む悪質店の摘発も起きていたが、近年では厳しくなり初回の利用時には年齢確認が行われることが通例である。
18歳未満は立ち入ることはできず、用心深い店では20歳以上のみとしている。
社会問題
女性には人気があるといわれているが、その裏では、番組などで紹介された、「年収の高いホストクラブ」などと報じられて「ホストで腕一本でのし上がろう」と野心を抱き、夢見てホストになった男たちには地獄が待ち構えていた。
「超ブラック企業」と言っても過言ではないほどの男社会の仕事ゆえに、「おまえ、俺の客取ったろ」などのありもしない後輩への理不尽ないじめや暴力が後を絶たないと言われており、「超体育会系」といっても過言ではなく、女性客から得た収入も50万円程度では「子供のお遣い」扱いされているほど。それらの暴力行為が原因で逮捕されるケースも多いため、暴力はなくなったといわれているが、定かではない。
さらに、シャンパン一気飲みを幾度となく強要されて心身ともにぼろぼろになって、使えなくなったら店側からゴミ扱いされて切り捨てられたホストもおり、最悪の場合、死に至ったホストもいたんだとか……。
また、ホストの勧誘で「お酒が飲めなくても大丈夫!容姿に自信がある人募集!」みたいな看板などを見かけたら虚偽であることを認識するべきである(キャバクラなどのほかの風俗店のボーイのバイトの募集があっても似たような展開が待っているので、その手の勧誘が来たら固く断るのが無難である)。なぜなら、上記のように実際には「ホスト=お酒が強い人」であることが条件であるからであり、女性客が来たときの対応にて「ノルマは最低ドンペリ一本一気飲み」であることが強要される。さらに、女性客が料金をツケに出来る「売掛金」なるものがあり、むろん特定の時期に女性客売り掛け金の回収も強要されこれがホス狂を生み出す一因とも言われている。余談だが、ホストを題材にしたフィクション作品において売り掛け金を踏み倒す悪女も描かれているが、はたして実際にいるのだろうか……?
以上のことから、ホストで腕一本でのし上がれるのは極極一部の男であり、実際のホストの月収は10万円を切るか切らないか、という男が多いと考えるのが真実に近い。
これらを全てひっくるめてぶっちゃけると、「ホスト=身体を張る、もとい(物理的な意味で)売る仕事」であるといっても過言ではない。
なお、「売掛金」に関しては、「頂き女子」の事件を前後してホストクラブの取り締まりも厳しくなり、ホスト業界の代表者たちが「売掛金廃止」を宣言した。
フィクションにおける架空と現実の差異
『桜蘭高校ホスト部』のようなフィクション作品では、学園を舞台にしたということも相まって先輩後輩の上下関係はフレンドリーに描かれているが、逆にホストを扱った青年漫画や歌舞伎町を舞台にした作品などでは、現実のホストに近いバイオレンスな殺伐としたシーンが描かれているものが多い。また、体験談やルポ記事やノンフィクションなどの雑誌・書籍を読めば、ホストの事情が生々しく記述されている。