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CV:石毛翔弥高柳知葉(幼少期)


概要編集

その着せ替え人形は恋をする」の登場人物で、本作の主人公。本編開始時点では15歳の高校1年生で、1年5組に在籍。大柄な体格で身長は180cm以上もある。右目下にホクロがある。誕生日は2003年3月21日

自己評価が極端に低く、引っ込み思案自己主張も苦手。一人っ子両親を早くに亡くしており、雛人形職人祖父である五条薫と2人暮らしの為、家事も一通りこなす。

祖父と同じく雛人形の顔を作る職人である「頭師(かしらし)」を将来の夢にしている。

雛人形作りに一途で他の人から都度「真面目か!」と突っ込まれるほど生真面目な性格。真面目過ぎる性格が災いして、たとえ自分が辛くても「重荷になってしまうのでは?」と他人に頼らず、無理をしてしまう場面が少なからずある。


頭師を目指すきっかけとトラウマ編集

頭師を目指しているのは、幼い頃に祖父が作った雛人形への一目惚れがきっかけ。

初めて雛人形を見た時の感動から「奇麗」の言葉が『特別な物に対する言葉』となり、心から思った時でないと口にしない。

幼少期に仲が良かった女の子「のんちゃん(アニメのエンドクレジットでは『のばら』表記)」に自身の雛人形趣味を否定・絶交された苦い思い出があり、そのトラウマから自分の趣味や気持ちを隠すようになった。

そのせいか、高校でもクラスにも馴染めずにいた為、時に掃除当番を押し付けられる等、同級生の喜多川海夢との接点ができるまで、友達と呼べる相手も全くいなかった。

しかし、文化祭で行われるミスコンの衣装制作時にクラスメイト達が協力し、友好的に接してくれたのを契機に、自分が抱えていた「思い込み」を吹っ切り、男子生徒である柏木・森田・古賀・村上達と(海夢のお金で)プリクラを撮る仲になった。


だが、そのトラウマは完全には払拭されていない他、未だに “(一昔前の)一般的な男女像” に対し歪な固定観念に縛られている節が散見される。

単行本9巻で初めて自発的に交流を結んだ女性レイヤー・アキラとのSNS上のやり取りで、互いに相手を同性と思っていた際には、新菜にとって「『俺』は男だけが使う一人称」と思っていた(アキラからは「一人称 『俺』の女の子 ネットにたくさんいるから」と返される)上、それまでも一人称「私」の男性や、劇中劇のボクッ子女性キャラにも少なからず違和感を覚えていた程(ただし、それが切っ掛けで「性別関係なく一人称を使ってもいい」と認識を改めた)。


また、トラウマが原因か断定できないが自己肯定感がかなり低く、特に普段着の作務衣や制服以外の衣服に関しては「自分が着ると急に変になる」として意図的に避けている節がある。


喜多川海夢との出会い編集

自宅兼作業場にあった年代物のミシンが故障した為、翌日の放課後にこっそりと学校の被服実習室のミシンを拝借し、雛人形の衣装を製作していたところ、自宅にミシンがない為に同じように被服実習室で、コスプレ衣装を作りに現れた海夢と出くわして、海夢と接点ができる。

新菜が手にしていた雛人形の頭を見て海夢が褒めてくれた、自身の好きなものを初めて褒めてもらえた喜びと、それまで住む世界が違う人だと思っていた海夢から「コスプレ衣装」の作製を手伝うよう懇願されたのをきっかけに、これまで全く接点の無かった漫画アニメゲーム、そしてコスプレの世界に関わっていくようになる。


海夢の自分とは対照的に、はっきりと自己主張し、ありのままの自分を周囲から認められている所に憧れていたが、自分の趣味を馬鹿にせず受け入れてくれた彼女に、回を重ねる毎にどんどん惹かれていく。

一方で、海夢から好意を持たれている状態には全く気づいておらず、「海夢と付き合っているのか」等の趣旨の質問をされても、むしろ自分なんかでは相応しく無いと思っている為、全力で否定している。

しかし、海夢が男に言い寄られた(と誤解した)際には咄嗟に庇ったり、彼女が風邪に罹ってしまった際にはつきっ切りで看病する等、とても大切に想っている。

また海夢の肌の露出や密着にドギマギしてしまう、あるいはテントを張ってしまった末に海夢で自家発電するなど、男子高校生として至って健全な反応も見せる


技術編集

頭師としての技術はまだまだ修行中だが、雛人形の衣装の製作により、確かな裁縫の技術がある。

面相書きもコスプレのメイクを通じて、祖父から「強張っていた線が少し柔らかくなった」と上達を評価されている。

コスプレ衣装の製作に対しては極めて真摯に取り組んでおり、紗寿叶すら動揺するレベルの非常に緻密な三面図を作成した上で、そのキャラクターや世界観に合った生地を選んでから製作する。

その世界観を知る為には、18禁ゲームだろうが全126話の長編アニメだろうが、原作となる作品を細部に至るまで鑑賞している

ただし、その職人気質が時に仇となり、イメージに合った生地に拘り過ぎて自分の首を絞める場面も……


一方、コスプレ衣装を作る経験はなかったので、作中で彼が作った衣装は序盤の内は(人形に着飾るのを前提にしてしまった故の)可動域の不足、中盤以降は「コスプレ衣装を数着作って慣れた」慢心や補正前のサイズで作ってしまうetc……と、細部の見落としなどの様々な課題が残っている(もっとも、服飾が本業ではない以上は些か仕方がなく、それを責めるのは酷なのも事実であるが)。


文化祭で海夢とクラスメイトの前でメイクを披露した時は、男性である新菜が女性である海夢にメイクが出来るのに疑問を持つ声も上がったが、美容師の専門学校に通う兄を持つ柏木四季から「男でも出来る奴は出来る」と、自身の技術が「立派な特技である」と認知され、海夢以外の人間と馴染めなかった新菜がクラスに受け入れられるきっかけになった。


趣味編集

作中では明確な趣味を持っている描写がされておらず、漫画などの娯楽とは無縁の生活を送っていた。

海夢のコスプレの題材となり、資料用に鑑賞した作品は18禁ゲーム、長編アニメ、格闘ゲーム、ドラマ等と作品形態を問わず楽しんでいる様子である為、一切の興味関心がないわけではない様子。

服装学生服作務衣の場面ばかりで、インナー用の無地Tシャツを除けばそれ以外の持ち合わせはないらしく、海夢と共に渋谷洋服を買いに出かけた際も結局決まらず、最終的に甚兵衛に落ち着いた。

後に冬コミでの防寒対策として、海夢が見繕ったダウンジャケットを購入したが、試着の際は緊張の余り虚無に陥ったり、購入した後も自虐的な発言をしてしまう。


余談編集

ネットニュースのインタビュー記事によると、「極初期の新菜の人物像は、今よりもフランクで友達も普通にいた」と設定していたが、後に「『衣裳作りの苦悩や困難を新菜と海夢の2人で乗り越えて欲しい』と思い、友達は疎か両親もいなくなった(要約)」と答えている。

だが、単行本9巻の後書きにて、アニメのコンテ確認の際に“『新菜に両親が居ない設定』を酌んだ監督の配慮等から追加された仏壇に手を合わせる新菜のシーンに、作者は自らの短慮監督の深い推察の両方に号泣してしまった。


新菜=スパダリ編集

ヒロインの海夢の高い人気は当然なのだが、ラブコメ作品としては異例ながら、ギャルでオタクな海夢のみならず、職人気質で生真面目な故に人によって少し気持ち悪い新菜の人気も同じぐらいに高い


理由として作品全体を通して、海夢のオタク趣味に対して新菜は理解できないながらも、自分なりに全力で受け止め理解した上で、『彼女の要望に全力で応える姿勢』を貫く為=いわば海夢のオタク趣味の全てを受け止め、理解しつつ一緒に楽しんでくれると、オタクに優しいギャル』を(男である新菜が)体現している為である。


また、作者曰く「海夢と新菜の2人は『相手の趣味嗜好を絶対に否定せずに受け入れる』をコンセプトに作成した(要約)」と述べている為、上記の結果に繋がるのは当然かも知れない。


この事実から、一部のファンから「この作品は『オタクに優しいギャルマンガ』ではなく、『オタクギャルに優しいスパダリマンガ』である」と評価されている。


実際に彼のスペックはかなり高く、


・精巧なコスチュームを作れる裁縫技術と抜群のメイクテクニック。仕事に対しても(時折引くレベルで)熱心。

・家事全般が得意で、料理も揚げ物まで可能な程の腕前。

・温厚かつ謙虚な性格。懐も広く人間としての器も大きい。

・背が高く、顔立ちも悪く無い。むしろ仕事中の顔はイケメンよりも漢前。

・将来は雛人形の頭師志望、つまり祖父の会社への入職が濃厚なので、実質次期社長。


と、相当なハイスペ男子と評価できよう。


演者編集

担当声優の石毛翔弥氏はゴジラS.Pでは有川ユンを演じ開発技術に長ける人物、遊戯王VRAINSでは藤木遊作を演じ、プログラムの開発や修正が得意な職人気質なキャラを演じていた。


今作もコスプレの服の製作を行う、手先が器用な職人的なキャラを演じているが、上述の2名は世界の危機から救う為に過酷な使命を背負っていた。

上記の2つの作品の視聴者からは「2人が経験できなかった青春の幸せを彼が堪能している」と意外な好意的な視点から、2作品のファンが作品に注目し流れてくる事態も発生。

結果、遊戯王やゴジラのファン等、少々遠縁な作品のファンがこの作品のファンになると一因にもなった。


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その着せ替え人形は恋をする

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