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10-300形

いちまんさんびゃくがた

2005年より運用されている、都営新宿線向けの通勤形電車。
目次 [非表示]

概要編集

製造から25年以上経過し、老朽化の進んでいた10-000形初期車の置き換えとATC・列車無線の更新対応を目的として、2005年から製造が開始された。さらに3次車以降の車両は車種統一を目的として、残っていた10-000形をすべて淘汰し、都営新宿線の所属車両は2018年にすべて本系列に統一された。


基本設計はJR東日本E231系をベースとしており、随所にE231系との共通箇所が見られる。それ故に製造はほぼ一貫して東急車輛製造総合車両製作所である。(ただし一部の車両はJR東日本新津車両製作所で製造された)


8両編成のMT比は5M3T、10両編成で6M4Tとなる。


次車・グループ別編集

製造時期や改造工事の関係から、大きく3形態に分けられる。


10-300R形編集

置き換え対象編成のうち経年の浅い3次車ユニットを活用するため、先頭車のみ製造されたグループ。31~36編成の先頭車、計12両が製造され、中間車の10-000形も改造して番号も10-3XXに振られた。3次車以降の編成の導入により全車引退。

10-300R形


10-300形1・2次車編集

【RailSim】都営新宿線

中間車含めすべてが新造車のグループ。

2005~07年にかけて37~48編成の8両編成×12本が製造され、のちに45~48編成の4本は2010年度に新造中間車2両を組み込んで10両編成となった。31~36編成と比べ、側面の帯や車内表示器の配置に違いがある。

増結用中間車はT車とM車で、T車は主要機器を搭載しない。一方M車は自車用のVVVFインバータと2台のパンタグラフを搭載するユニットを組まない単独電動車。パンタグラフの離線対策で、既存の単独電動車に高圧電力を送るジャンパ連結器を装備。

増結にあたっては既存の単独電動車は形式番号の末尾が5から4に改番され、パンタグラフと主開閉器を撤去。新造された単独電動車から高圧ジャンパ連結器を経由して制御装置に電力を供給する高圧回路が新設された。

  • 8両編成は単に2両増結すれば良いというわけではなく、以上の他にも検査時の切り離しを考慮して一部車両の連結器を従来の棒連結器から密着連結器に交換を要した所も出た。
  • 多数派になった3次車以降と異なってE231系ベースの車体であり、また東京都交通局では「車体を更新修繕する広い敷地が無く、仮にそれをやる場合は外部へ持ち出して行わないといけないため、増結や組み替えを伴う更新はコスト的に不利」という背景・観点から、8両編成(37~44編成)は製造から17年以上が経過した2022年を目安に、改修を行わず新造車(6次車)へ代替する方針が取られ、引退した。

10-300形3次車以降編集

都営10-300形(3次車以降)

輸送力増強による混雑緩和を目的として新造されたグループで、E233系登場後に製造されたためE233系2000番台をベースとしたモデルチェンジが図られた。全編成が10両編成とされ、内外装の雰囲気も1・2次車とはかなり変わっており、液晶ディスプレイ(LCD)も都営新宿線の車両で初めて導入された。

  • 2013~15年にかけてまず49~60編成を製造。なお、13~14年製造の3次車(49~51編成)と15年製造の4次車(52~60編成)では一部仕様が異なる。
  • 2016年には5次車(61~64編成)が製造された。これは車両製造メーカーとの契約の都合上、4次車の2016年度増備分と並行して製造された。
  • 2021~22年には6次車(65~72編成)が製造された。初期車(1次車)の8両編成を代替し、都営新宿線は10両編成へ統一。


編成表編集

※BT=蓄電池、SIV=補助電源装置、CP=コンプレッサー、VVVF=制御装置

※編成は下から2桁目で編成数の本八幡より先頭車で表示される。例えば、10-370編成なら第7編成になる。


←京王八王子・橋本   本八幡→

8両編成

車番10-30910-30810-30710-30610-30510-30210-30110-300
MT構成Tc2M2M1TM1M1M1Tc1
搭載機器BTSIV,CPVVVFVVVFSIV,CPVVVFBT
第37編成10-37910-37810-37710-37610-37510-37210-37110-370
第38編成10-38910-38810-38710-38610-38510-38210-38110-380
第39編成10-39910-39810-39710-39610-39510-39210-39110-390
第40編成10-40910-40810-40710-40610-40510-40210-40110-400
第41編成10-41910-41810-41710-41610-41510-41210-41110-410
第42編成10-42910-42810-42710-42610-42510-42210-42110-420
第43編成10-43910-43810-43710-43610-43510-43210-43110-430
第44編成10-44910-44810-44710-44610-44510-44210-44110-440

10両編成

車番10-30910-30810-30710-30610-30510-30410-30310-30210-30110-300
MT構成Tc2M2M1TM1M1TM2M1Tc1
搭載機器BTSIV,CPVVVFVVVFVVVFSIV,CPVVVFBT
第45編成10-45910-45810-45710-45610-45510-45410-45310-45210-45110-450
第46編成10-46910-46810-46710-46610-46510-46410-46310-46210-46110-460
第47編成10-47910-47810-47710-47610-47510-47410-47310-47210-47110-470
第48編成10-48910-48810-48710-48610-48510-48410-48310-48210-48110-480

3次車以降

車番10-30910-30810-30710-30610-30510-30410-30310-30210-30110-300製造次数
MT構成Tc2M2M1TTM3M1M2M1Tc1
搭載機器BTSIV,CPVVVFSIV,CPVVVFBT
第49編成10-49910-49810-49710-49610-49510-49410-49310-49210-49110-4903次車
第50編成10-50910-50810-50710-50610-50510-50410-50310-50210-50110-5003次車
第51編成10-51910-51810-51710-51610-51510-51410-51310-51210-51110-5103次車
第52編成10-52910-52810-52710-52610-52510-52410-52310-52210-52110-5204次車
第53編成10-53910-53810-53710-53610-53510-53410-53310-53210-53110-5304次車
第54編成10-54910-54810-54710-54610-54510-54410-54310-54210-54110-5404次車
第55編成10-55910-55810-55710-55610-55510-55410-55310-55210-55110-5504次車
第56編成10-56910-56810-56710-56610-56510-56410-56310-56210-56110-5604次車
第57編成10-57910-57810-57710-57610-57510-57410-57310-57210-57110-5704次車
第58編成10-58910-58810-58710-58610-58510-58410-58310-58210-58110-5804次車
第59編成10-59910-59810-59710-59610-59510-59410-59310-59210-59110-5904次車
第60編成10-60910-60810-60710-60610-60510-60410-60310-60210-60110-6004次車
第61編成10-61910-61810-61710-61610-61510-61410-61310-61210-61110-6105次車
第62編成10-62910-62810-62710-62610-62510-62410-62310-62210-62110-6205次車
第63編成10-63910-63810-63710-63610-63510-63410-63310-63210-63110-6305次車
第64編成10-64910-64810-64710-64610-64510-64410-64310-64210-64110-6405次車
第65編成10-65910-65810-65710-65610-65510-65410-65310-65210-65110-6506次車
第66編成10-66910-66810-66710-66610-66510-66410-66310-66210-66110-6606次車
第67編成10-67910-67810-67710-67610-67510-67410-67310-67210-67110-6706次車
第68編成10-68910-68810-68710-68610-68510-68410-68310-68210-68110-6806次車
第69編成10-69910-69810-69710-69610-69510-69410-69310-69210-69110-6906次車
第70編成10-70910-70810-70710-70610-70510-70410-70310-70210-70110-7006次車
第71編成10-71910-71810-71710-71610-71510-71410-71310-71210-71110-7106次車
第72編成10-72910-72810-72710-72610-72510-72410-72310-72210-72110-7206次車

関連項目編集

都営地下鉄 東京都交通局 都営新宿線 京王電鉄 10-000形


相鉄10000系 東急5000系 南海8000系:同じくE231系をベースとした車両

6500形:既存の編成を置き換える形で1編成当たりの両数を増やした点では似ている。

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