24式装輪装甲戦闘車
にいよんしきそうりんそうこうせんとうしゃ
24式装輪装甲戦闘車とは、陸上自衛隊最新の歩兵戦闘車である。16式機動戦闘車をベースに三菱重工が開発した共通戦術装輪車ファミリーの一種で、16式と同じように8輪のタイヤで走行する装輪装甲車となっている。
主に兵員輸送を行う「歩兵戦闘型」、偵察を行う「偵察戦闘型」の二種類に大別されるが、どちらも車体上部の無人砲塔に30mm機関砲ブッシュマスターIIと7.62mmチェーンガンMk.52を各1門ずつ武装として搭載する。また、両車とも10式戦車や16式にて採用されたネットワークシステムである10式戦車ネットワーク(10NW)が採用されており、リアルタイムで味方と連携しての索敵、攻撃を可能としている。
歩兵戦闘型と偵察戦闘型の外見上の区別として、偵察戦闘型には車体後部に衛星通信アンテナ(半球状の物体)などの装備が追加されており、それの有無で識別可能である。
今後、同じ共通戦術装輪車ファミリーの24式機動120mm迫撃砲や、海外製のパトリアAMVなどともに全国の部隊に配備予定である。
正式名称は「24式装輪装甲戦闘車」。基本となる歩兵戦闘型である。
兵員の輸送能力を有しており、車体後部の兵員室に8名の武装した普通科隊員(歩兵)が乗車可能。役割は既存の89式装甲戦闘車に近いが、89式と違って対戦車ミサイルや銃眼(隊員が兵員室内から銃を構えて射撃するための小窓)は装備しない。運用人員は車長、砲手、操縦手の3名。
最終的には232両が調達予定(参照)。
ちなみに本車は防衛省資料でも当初から「共通戦術装輪車(歩兵戦闘車)」と表記されていたが、自衛隊では「歩兵」という単語を用いないため(代わりに普通科や普通科隊員と呼称する)、この表記を用いたことが自衛隊マニアの界隈で話題となった。後に『令和7年度防衛予算の概算要求』にて、本車の名称が「24式装輪装甲戦闘車」であることが初めて明かされたことで、歩兵の名称は使われなくなってしまったが。
正式名称は「24式装輪装甲戦闘車 (偵察戦闘型)」。派生型となる偵察戦闘型である。
これは歩兵戦闘型と設計面ではほぼ同じだが、車体後部に監視用の光学センサーや衛星通信アンテナを装備している偵察車両である。運用人員は車長、砲手、操縦手、監視員、斥候員の5名。
当初は「共通戦術装輪車(偵察戦闘型)」と表記されていた。歩兵戦闘型などよりも調達開始が遅かったため、部隊使用承認後は「25式偵察戦闘車」「25式偵察警戒車」といった名称で調達されるのではないかと一部で推測されていたが、後に『令和7年度装備品等(火器車両関連)に係る各種契約希望募集要項』にて本車の名称が上記であることが明かされた。その名称から歩兵戦闘型の派生型という扱いなのだと思われる。
最終的には116両が調達予定。前任の87式偵察警戒車(111両調達)より少し多い程度の数量であり、これを置き換えるものとみられる。
歩兵戦闘型
偵察戦闘型