作品解説
1978年週刊少年キングに掲載。当時少なかった将棋漫画のパイオニア的存在であり、作者もこれまでのそれの棋譜がいい加減だったことに憤りを感じ本腰を入れて研究した。
「少年誌唯一の本格将棋漫画」の名は伊達ではなく、中原誠や大内延介、羽生善治と言った棋士たちも推薦している。
1997年に続編と言うべき「虹色四間」が近代将棋で連載されたが、そちらは単行本化はされていない。
登場人物
駒形龍
主人公。将棋の駒形の顔をしている。元々専門棋士になり損ねた父親の下で過ごしており荒れた生活を送っていたが、紆余曲折を経て奨励会入り。入会後も成績は悪かったが「5五龍中飛車」を編み出してから成績は上昇し、最終回では二級にまで登った。なお続編では……
虎斑桂
龍の同期で、最大のライバル。女性ではあるが女流棋士になる事を嫌い、奨励会に堂々と受験して合格、ひと月で五級昇級するなど龍の先を行き続けた。
父親は龍の父親の真剣師としての宿敵であり、彼女と龍の父の対局を桂の父親の死後子どもである二人が戦うのが序盤の山場である。
棒銀三郎
龍の同期で入会時四級、最終話一級と言う出世頭。眼鏡の似合うエリート。
高美濃弘
龍の同期で同門。サルと呼ばれており、実際に本人の目標も豊臣秀吉。家がかなり貧しく、一時期奨励会を休会せざるを得なくなったこともあった。
角道道夫
龍の同期。五級で入会するなど初期組では比較的エリートだったがここ一番で勝てないタイプ。中盤以降はすっかり落ち込んでしまい……。
穴熊虎五郎
龍の同期。東北出身。中学生名人戦で当時ほとんどハメ手しかできなかった龍に負けてから振るわず、奨励会入会後も同期で最下位の成績だった。そして……
なお弟が終盤登場するが、兄より成績は上だった。
芦川八段
龍と高美濃の師匠。モデルは芹沢博文。厳格だが柔軟性もある人物。
平手香
龍に将棋を教えた少女。父親は龍の担任。
飛騨の中飛車
元々は真剣師だったがイカサマを嫌い、山に籠って猟師となった。龍の第二の師匠。