概要
海外でファンフィクションをはじめとするファン作品を投稿できるサイトとして2009年からオープンβ版として運営されている。
ファン作品の生産・消費を楽しむすべてのユーザーのためのファン作品掲載サイトであり、開発・運営は有志のボランティアにより行われ、運営費は寄付で賄われている。有り体に言うならば、ファンによるファンのためのファンのサイトである。
同系統の投稿サイトであるFanfictionと違って、そこで規約上禁止されている過激な性的描写を含む作品の投稿がAO3では許されている点がある。
主な機能
タグ
投稿者は作品にタグを付けることができる。個数制限やタグの制限はなく、しばしばキャプション芸ならぬタグ芸を展開している作品を見かけることがある。
性質上タグの表記ゆれが激しいが、スタッフにより意味が同じタグを関連付ける処理が行われており、検索する上では支障ないケースが多い。
閲覧制限
公開範囲の設定は「全体公開」「登録ユーザーのみ」の二択。
レイティングをMature(R-15相当、厳密に言えば17歳以上対象)またはExplicit(成人向け)に設定した場合、作品表示時に年齢確認の警告が表示される。(登録ユーザーは設定を変更してこの警告を非表示にすることも可能)
コレクション
複数人がテーマに沿った作品を投稿したときにまとめるための機能。コレクションの管理者による承認制にすることもできるし、だれでも寄稿できるオープンなコレクションを作成することもできる。各種お題・企画によく使われている。
シリーズ
複数の作品をシリーズとして関連付けできる。ひとつの作品を複数のシリーズに含めることもでき、非常に自由度が高い。
オーファニング(Orphaning)
創作活動をしていると様々な事情で作品とペンネームを切り離したくなる場面があるが、一般的にそういった時に作品を削除するしかないところ、AO3では代わりに“orphaned work”とすることで作者名を伏せたまま閲覧可能な状態で残すことができる。削除に比べると閲覧者に優しい選択肢と言えよう。
また逆パターンとして、かつて別名義で発表した作品を自分のものとして投稿する際に複数の名義を併記する機能もある。
コメント・Kudos
章単位で作品にツリー形式のコメントをつけられる他、作品単位でKudos(イイネのようなもの)をつけることができる。
ブックマーク
登録ユーザーは作品単位、あるいはシリーズ単位でブックマークすることができる。
ブックマークにはタグとコメントをつけられる他、おすすめブクマ(Rec, Recommendation)や非公開ブクマが設定可能。
作品側から非公開でないブックマークのタグやコメントを閲覧できる。
フォロー
登録ユーザーはユーザー単位、シリーズ単位、作品単位でフォロー(購読、subscribe)することができる。
以後、フォロー対象が更新された時に登録メールアドレス宛に更新通知メールが届くようになる。この機能は設定で切り替え可。
検索
検索機能は非常に充実しており、Fandom(ジャンル)やTag(タグ)、Relationship(カップリング)を1つ以上選んだ後、追加のタグを選択したり、マイナス検索によるフィルターをかけたり、投稿日時、更新日時、ブクマ数、Kudos数などによるソートをすることができる。
キーワード検索はやや弱いように思えるので多彩なタグを活用したタグ検索がおすすめ。
投稿作品
作品の形式・ジャンルは主に文字媒体の作品を中心に利用されているものの、ほかのサイトにアップロードされた画像形式の作品なども登録することは可能。
二次創作作品が大半を占めるが、オリジナル作品も15万件以上投稿されている。
サイト全体の作品の傾向としてはカップリング要素無し(General)と男女CP(F/M, Female/Male)が百合(F/F, Female/Female)の3倍ほどあり、スラッシュ(M/M, Male/Male)はさらに2倍ほどある。
作品の言語
英語圏のファンが中心となっているものの、あらゆる言語による作品が投稿されており、少数ながら日本語で書かれた作品も投稿されている。また、本サイトに投稿された作品の翻訳も投稿されている。
作品投稿は言語問わず可能な一方、現時点ではサイト内インタフェースは英語のみ。将来的には多言語対応する予定があるとのこと。
使い方
登録しなくても作品の大半は検索・閲覧でき、また匿名コメントや匿名Kudosをつけることもできる。
登録ユーザーのみに限られる機能は主に以下の4点である。
- 登録ユーザー限定作品の閲覧
- 投稿全般
- ブックマーク
- フォロー
また、登録すると年齢制限作品の警告表示設定を変更できるので、頻繁に足を運ぶユーザーは登録した方が快適に閲覧できるだろう。
登録は既存ユーザーから招待を受けるか、トップページにある自動招待リストに自分のメールアドレスを登録することで可能。仮登録メールが届くまでには数時間かかる場合もあるので気長に。