1953年、アナログレコードプレイヤー用のカートリッジの製造会社として設立。ヘッドホン市場への本格参入は1990年と比較的遅めだったが、その時発表した録音モニター用機種『HP1』 は優れた解像度からたちまちトップクラスの評価を獲得し、同社の名を広く世に知らしめた。
同社の製品は(イヤホンを除けば)基本的に全て開放型のハウジングを有し、非常に抜けのいい、明るく元気な音を鳴らしてくれる。原音からはかなりかけ離れた音なので好みは分かれるだろうが、他社製品には真似できないその独特の音作りに魅了される者は多い。
ちなみにヘッドホン外観の造りは(その価格帯を考えると)非常にチープ。「良い音を鳴らす以外の一切の機能を排した」とでも言わんばかりの潔さであり、工芸品とも、はたまた民芸品とも呼ばれる。ある意味STAX社製品と相通じるものがあるかもしれない。
その独特の開放感あふれる音は一部から「全裸にネクタイ姿で自分を解き放つが如し」とも表現され、某所ではいつしか同社およびそのファン達を『変態紳士』と呼称するようになった。どういうことなの・・・
ちなみに価格はピンきりであり、フラッグシップモデルだと余裕で30万円以上はするが、価値を知らないアウトレット店で(見た目だけで安物と思われ)捨て値同然の値段で売られていた、という報告もあったりする。