概要
韓国政府、韓国航空宇宙産業(KAI)、ロッキード・マーティン(LM)の合同事業であり、韓国初の準国産超音速機となる。愛称は「ゴールデンイーグル(イヌワシ)」で、「ギーグル」と略される事もあるようだ。
外見がLMを代表する戦闘機・F-16に類似しており、コックピットのレイアウトもF-16のものを踏襲。言わばF-16の小型版と言える機体となっているが、それもそのはず。韓国の主力戦闘機でありライセンス生産も行ったF-16のパイロット養成を想定した設計になっているためである。
このため、F-16のパイロット養成に関しては群を抜いた効率の良さを持ち、他の練習機からだと数か月はかかるF-16への転換を、たった数時間で単独飛行ができるレベルまで短縮できるらしい。
近年の練習機のトレンドとしてシミュレータも搭載しており、別のシミュレータを使用することなく実機で仮想訓練が可能になる。
F-16の運用国を中心にした輸出販売もLMと共同で積極的に行われており、インドネシア、フィリピン、イラク、タイ、ポーランドに採用されている。
現代では少数派の超音速練習機であるため、価格は練習機としては高めであるものの、それでも戦闘機に比べれば安く、戦闘機を買える資金力がないフィリピンでは長らく失っていた超音速戦闘機として軽戦闘機型FA-50が運用されている。近年は能力向上により軽戦闘機としての採用が増えている。
派生型
- TA-50
武装訓練が可能なLIFT(戦闘機前段階練習機)仕様。11か所のハードポイントを持ち、最大搭載量は5.4t。多種の対地兵器に加え、自衛用にAIM-9を搭載可能。
A-37攻撃機の代替を目的としている。
- FA-50 ファイティングイーグル
軽戦闘機仕様。FAという形式は「戦闘と攻撃どちらも可能」というより「戦闘機と攻撃機の中間」という意味合いのようだ。
イスラエル製のEL/M-2032レーダーを搭載しており、AIM-120を搭載しての有視界外戦闘が可能となったほか、合成開口モードにより対地攻撃の精度も大幅に向上している。
当初予定では9tもの搭載量を獲得する予定だったが、現状は5.4tとなっている。
A-37及びF-5の代替を目指している。
Block10ではスナイパー照準ポッドの搭載能力を得てレーザー誘導兵器が使用可能になった。
韓国の戦闘機映画『リターン・トゥ・ベース』では主役機であるF-15Kに対する「裏の主人公機」と言える存在として登場し、終盤に大活躍を見せる。
- FA-50 Block20
FA-50 ファイティングイーグルをベースとした輸出用軽戦闘機。
エンジンは『GE-Aviation F414-EPE』エンジンを技術移転承認・純国産化した『F414-GE-400K』(推力:120kN)エンジン×1基、レーダーは(高性能・高価格な韓国製AESAレーダーより性能は劣るものの)低価格で費用対効果に優れるレイセオン・テクノロジーズ社製『PhantomStrike』AESAレーダーを搭載予定。引き込み式の空中給油プローブも装備する。
ポーランドがFA-50PL("PL"はポーランドの簡略記号)として採用し、マレーシアもFA-50M("M"はマレーシアの簡略記号)として採用を決定した。
関連動画
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