Thunderbird
さんだーばーど
- 他の用例はサンダーバードを参照。
Mozilla Suite を起源とし、オープンソースで開発が行われている電子メールクライアントである。プロジェクト開始当初は Minotaur と呼ばれていた。Geckoレンダリングエンジンを使用し、優れた描画性能、高速性、拡張機能、テーマ機能など拡張性に富む。Mozilla Suite あるいは Netscape の Mail/News と同様の機能を持つ。
RSSを取得・購読するためのRSSリーダーや、ベイズ理論による学習型迷惑メールフィルタ機能(受信時に迷惑メールと判断されたメールに迷惑メールの印を付け、設定によってはさらに「迷惑メールフォルダ」へ振り分けることも可能)、タブ表示インターフェイスを標準で備えるなど、他の電子メールクライアントに見られない独自の利便性を打ち出している。
Outlook Expressなどの他の電子メールクライアントからの容易な移行機構も備えるほか、メールアドレスとパスワードを入力するだけで、メールサーバーの設定をMozillaのデータベースから取得して勝手に行ってくれる機能を備える(GmailやAOLメールはOAuthの認証を通せばすぐに使うことができ、Gmailの場合はGoogleのコンタクトやカレンダーとも同期させることができる)。また、大きな添付ファイルをクラウドストレージにアップロードしてメール本文にはそのリンクをつけるという機能もある(Dropboxなどに対応している)。
2004年12月、2007年4月、2009年12月、2010年6月にそれぞれバージョン1.0、2.0、3.0、3.1がリリースされた。
2018年8月6日には、バージョン60がリリースされ、デザインの刷新、新機能の追加が行われた。Firefox 57と同じく、WebExtensionが有効化されたため一部の拡張機能が使えなくなっている。ServoをベースとしたQuantum CSSエンジンやRustをベースとしたMozillaの最新技術を利用するようになった。
Firefoxとは異なりスマートデバイス向けにはリリースされておらず、基本的に据え置き型コンピューター(Windows、Mac、Linuxディストリビューション)のみの提供となっていたが、Androidに関しては同じくオープンソースのメールソフト、K-9 Mailをベースとして、Thunderbirdのモバイル版としてリリースすることが発表されている。2023年夏頃にはデスクトップ版との同期機能も搭載されるとのこと。ちなみに2024年現在、Thunderbird Beta for Testersというアプリも同じベンダーから配布中。その後、10月31日に安定版が登場した。デスクトップ版に設定したアカウント情報をQRコードから引き継ぐことが可能で、デスクトップ版(128.4.0esr以降)のツールメニュー内にある「モバイル版へエクスポート」で表示されるQRコードをAndroid版でスキャンすればOK。
Linux系のメーラーは基本的にコイツなのでLinux使いの方には慣れ親しんでいるかもしれない。
リリースチャンネル
Thunderbird正式版
最も安定したビルド。基本的にユーザーが使用するのはこれ。
2019年10月には64ビット版が提供開始。
32ビット版に比べて処理速度や限界メモリが増える。
リリースサイクルは6週間。
Thunderbird Beta (Earlybird)
安定化前のベータ版。正式版+1。
正式版に比べて若干不安定だが、普段使いにはさして問題ないレベルのバグフィックスはなされている。
リリースサイクルは1週間。
Earlybirdとは卵から孵った雛という意味。