誘導
※もしかして…ケモノ絵師
一般的な意味…トランプ
アメリカの元大統領…ドナルド・トランプ
概要
2009年、末満健一が主宰を務める演劇ユニット「ピースピット」の第10回公演として上演。
以後複数回にわたり再演され、2019年は期間限定で上演権を開放、戯曲を無料で提供していた。
上演
2009年:初演。
2012年:「TRINITY THE TRUMP」、通称「TTT」。
演者が男性のみの「TRUTH」「REVERSE」、男装した女性のみの「FEMALE」の3種類がある。
「FEMALE」はキャラクターの名前や設定に変更があり、パラレルとも見て取れる。
2013年:通称「D2版」。
若手俳優集団「D-BOYS」の弟分ユニット「D2」メンバーが総出演した。
2015年:通称「NU版」(製作会社NAPPOS UNITEDの略)。
台本の段階でお笑い要素をかなり削いだ、ソリッドな演出。
特徴
対となるキャラクターをキャストが相互に演じるという変則的ダブルキャストが挙げられる。
後にDVD化した際に「TRUTH」「REVERSE」と名づけられ、更にシャッフルした「MARBLE」も上演された。
吸血種(ヴァンプ)の少年達を題材とした悲喜劇を描く。
陰惨な運命が複雑に絡み合った美しい残酷劇である一方、日替わりのアドリブやお笑いシーンなども見受けられる。
特に初演版では「平均年齢30代のおじさんが美少年を演じる」というコンセプトだった事もあり、笑いは必然だったと後に語られている。
本作が好評を博した事でシリーズ化。世界観を共有しつつ様々な時間軸で描かれる物語群には「繭期」と呼ばれるファンがつき、チケットの完売が相次ぐ。
2019年で10周年を迎え、同年上演された「COCOON 星ひとつ」(月の翳りとW上演)では、補完する形で再度「TRUMP」の世界が描かれた。
2020年7月15日、コミカライズ化が発表。2020年よりヤングエースにて連載、2024年1月に最終回を迎えた。
あらすじ
繭期を迎えた若き吸血種たちを保護・矯正・教育するために設けられた施設《クラン》にて、人間種と吸血種の混血《ダンピール》であるソフィは「穢らわしき者」として周囲から嫌悪されていた。完全階級主義である吸血種の社会にあって指折りの名家の生まれであるウルは、忌むべき存在であるソフィになぜか友情を示すようになる。またウルは、永遠に生き続けているとされる原初の吸血種《TRUMP》の存在を妄信しており、尽きることのない命を渇望していた。不死を失った吸血種たちが《生》を渇望し、永遠の命を持つTRUMPの伝説に翻弄されていくゴシック・サスペンス。
(公式サイトより)
登場人物
ソフィ・アンダーソン
人間と吸血種の混血、ダンピールの少年。その出自からクラン内でも忌み嫌われ、時に暴力に晒される。
両親は生まれてすぐに亡くなり、ダンピールを集めた孤児院に預けられていた。しかし繭期の症状が出た事でクランに送られる。
孤高の魂を持つ負けず嫌いで、剣術の腕はクラスでもトップ。
ウル・デリコ
名門貴族デリコ家の次男。
ソフィに対して偏見を持たず接し、「友達になりたい」と声をかけるが、当のソフィからはすげなくされている。立入禁止の図書室で「TRUMP」の伝説を知って以来、取りつかれたようにその実在を信じ、不死を希求する。
「グランギニョル」ではその出生の秘密が明かされる。
アレン・ストラウフ
クランの生徒。
何処となくふわふわした雰囲気の、天衣無縫な少年。
夜空に手を伸ばしては「星に手が届きそうだ」と繰り返すなど、変わった言動が多い。
クラン脱走の常習犯。
ティーチャークラウス
大きな眼鏡にぼさぼさ頭の教師。
普段からアレンに手を焼いており、たびたびいなくなる彼を探し回っている。
大多数から嫌われるソフィの事を「いいにおいがする」と言って気に入っている様子だが……
ティーチャーグスタフ
片目に眼帯をつけた教師。ことあるごとに鉄拳制裁。
超絶スパルタな方針で生徒には恐れられている。
ティーチャーミケランジェロ
豪奢なドレス姿の教師。エレガント至上主義のオカマ。
優しい(甘い)方針で生徒には慕われている。
ラファエロ・デリコ
名門貴族デリコ家の長男、次期家督。ウルの兄。
「弟を守る」という使命を父から与えられており、その重責を果たそうと努める。
「COCOON 月の翳り」ではアンジェリコとの因縁が描かれた。
アンジェリコ・フラ
名門貴族フラ家の次期家督。
血統第一主義であり、ソフィの事を公然と忌み嫌い暴力を振るう。
一方でウルとは家の繋がりもあって「おともだち」に誘ってくるが……
「COCOON 月の翳り」ではラファエロとの因縁が描かれた。
ガ・バンリ
季節外れの転入生。年不相応に落ち着いたたたずまいを見せる。
ダンピールであるソフィにも普通に接し、何故か彼を見守るような態度を取る。
「SPECTER」にて、本作へと続くある因縁が描かれる。
ピエトロ・ロンド
アレンのルームメイト。
たびたびふらりと姿を消すアレンのお目つけ役で、尻ぬぐいに追われている。
苦労性で、たびたびティーチャークラウスと一緒に奔走する。
ジョルジュ/モロー
2人揃って、アンジェリコの取り巻き。
「COCOON 月の翳り」ではラファエロ、アンジェリコとのかつての姿が描かれる。
ダリ・デリコ
ウルとラファエロの父。
名門デリコ家の長で、吸血種社会を統治する「血盟議会」の実力者……なのだが割と問題のある性格をしている。
ある懸念を抱いたことからクランを訪問。ラファエロに重ねて使命を認識させると共に、ウルに「いずれ来るであろう危機にそなえて」あるものを伝授した。
「グランギニョル」では主人公をつとめ、若き日の事件が描かれた。そして後日談「デリコズ・ナーサリー」へと続く。